­『泣くな研修医』が4月24日からドラマ化、放映されます。
原作には出てこないドラマオリジナルの研修医仲間が2人も登場し、演じる俳優さんも若手演技派が集結していますね。

原作に出てくる主人公雨野隆治の研修医仲間は、川村蒼だけ。生まれも育ちも隆治と正反対に近い存在だけれども、原作からは隆治が川村を信頼しているのがとても感じられます。

わたしは原作の川村の存在が、より主人公の性格を際立たせていてとても好きです。

今回は原作『泣くな研修医』の研修医仲間・川村蒼の人物像と名言をご紹介しますので、ドラマとの違いを楽しんでいただけたらと思います。

 

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隆治と対照的な研修医 川村蒼

都内の私立大医学部卒の川村。ドラマでは、総合病院の跡取りでお坊ちゃまという設定です。

不器用で一生懸命、真面目な隆治とは対照的な存在として描かれている川村は、さらっとしていて余裕があってとても優秀。洗練された雰囲気を醸し出し、ほとんど苦労が感じられない人物です。

髪はサラサラ、笑顔になると八重歯が見えて、初対面から隆治の警戒心を簡単に解いてしまいます。
しょっちゅう合コンに行ったりして全く隆治とタイプが違うのに、原作の中では隆治が悩みや違和感を打ち明けられる数少ない相手のひとりなのです。

ドラマでは親に決められたレールを歩むことに葛藤を抱えている役どころのようですが、私は原作のサラッとした川村が好きなので、ドラマがどんな感じになるのかすごく気になります・・・^^

川村蒼の名言

「リュウちゃんは気をつけてよ、マジで」

(『泣くな研修医』幻冬舎文庫50ページより)

原作の中では、医局で川村と顔を合わせるシーンが何度か出てきます。
毎日病院に泊っている隆治に、すげぇと思ってるよ、俺はそういうの無理だからと言う川村。

そして研修医が過労死したニュースを取り上げ、隆治に「気をつけてよ」。その後も何度か、病院に寝泊まりする隆治を気にかけるシーンがあります。

川村は隆治の感情に敏感です。自分が言った言葉に隆治がムッとしたなと気づいたらすぐに「ごめんごめん」。
自分を主張しすぎず、うまく立ち回って場を収める様子は、まさに世渡り上手な現代っ子。
だからこそ、不器用でうまく立ち回れない隆治がとても気にかかるのでしょうね。

私はかなり不器用な方なので、サラサラうまく立ち回れる川村に憧れます・・・(笑)

「リュウちゃん最近暗いからさ、あだ名変えてあげたのよ。雨野だからアメちゃん」

(『泣くな研修医』幻冬舎文庫71pより)

現場での日々の中で、患者に対して何もできない自分や上司の対応に何とも言えないモヤモヤを抱える隆治に対し、さりげなく「アメちゃん」という新しいあだ名をつける川村。

アメちゃんにした理由は、かわいいしキャラに合ってる。リュウちゃんじゃ格闘家みたいで名前が強すぎだから、とのこと。

なんとなく、新しいあだ名は隆治に対する川村の優しい気遣いに感じます

「アメちゃん」の名前の中に、毎日寝泊まりして大丈夫なほど強くないんだよ、たまには休んだっていいんだよ、もっと自分に優しくしてあげないと自分が過労でダメになっちゃうよ、っていうメッセージが込められてるような。そんな気がしてしまいました。

実際川村は、隆治が「患者さんのために仕事している」と言ったら、「おもしれーなー。かなり笑えるよそれ!」と答えています。
笑いながらも、自分と違って患者一人一人に向き合おうとする隆治を尊敬しているように感じるのです。

「手術して命を延ばすからには、その人とかその家族とかが幸せにならなきゃダメだろ」

(『泣くな研修医』幻冬舎文庫73pより)

94歳認知症で家族もいない胃がんの患者。カンファレンスで決まったのは、治療を行わない方針。手術すればがんは取れるのになぜ手術をしないのか。納得できない隆治に対し、言った言葉です。
家族もいなくて認知症で会話もろくに通じない患者を生かしても、誰も幸せになれない可能性が高いと強く語ります。

隆治が患者その人の命とだけ向き合おうとするのに対し、患者の周りを取り巻く全体を見て患者の命を考える川村
全体のバランスを見ているからこそ、医療現場の中で川村は隆治よりもさらさらとやっていけているのでしょう。研修医だけれども、視点が先輩医師たちに近いんですね。

「アメちゃんは僕の病院の同期なんだ。天才外科医だよ!」

(『泣くな研修医』幻冬舎文庫217pより)

合コンで川村が隆治を紹介するときに言った言葉です。
盛り上げるために言ったのかな、とも感じますが、日ごろのやり取りを見ていると、川村はほんとうに隆治のことをそう思っているんじゃないかなと思うんですね。

隆治は都会育ちの川村に劣等感を抱いているけれども、川村も隆治に対して自分にはない信念と一生懸命さに、もしかしたらちょっとした劣等感のような、敵わないなという思いを抱いているのではないでしょうか。

川村は日ごろから隆治に「すげえと思うよ」など表現しており、合コンの場面でも素直に思っているとおり「天才外科医だよ」と言ったのではないかなと感じます。こういうのをさらっと言えちゃう川村、すごい。
逆に隆治は、川村にこんなこと言えないんだろうなあ(笑)

まとめ

原作『泣くな研修医』での、同期研修医の川村蒼の人物像や名言をご紹介しました。
ドラマでは川村は内面に悩みを抱える役どころになっているそうなので、原作とはまた違った人物像が見られると思います。
原作とドラマでの川村の違いを楽しんでみてくださいね。

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