『泣くな研修医』、白濱亜嵐さん主演で4月からのドラマ化が決定しましたね。

現役外科医の中山祐次郎さんが描く原作小説『泣くな研修医』は、2冊目までで23万部を売り上げている人気シリーズ。つい先日(3月10日)シリーズ3冊目が出たばかりです。

原作をたくさんの人が手に取るの、すごくよくわかります。
最近読んだ小説の中で、読みながら共感してこんなに涙が出たのはほんとに久しぶりで。心が動かされっぱなしでした!
これはもちろん、ドラマもものすごく期待!です。

そこで今回は『泣くな研修医』原作のあらすじ、そして感想を語っていきますね。

・『泣くな研修医』主人公の人物像や主演キャストについてはこちら
⇒ 【泣くな研修医】ドラマ主演キャスト・白濱亜嵐さん演じる雨野隆治の人物像
・『泣くな研修医』先輩外科医、佐藤玲の人物像とキャストについてはこちら
⇒ 泣くな研修医【原作の名言】木南晴夏さん演じる先輩外科医佐藤玲の言葉たち

※ネタバレも含みますので、まだお読みになっていない方はご注意ください。

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『泣くな研修医』はどんな話?あらすじと結末

【出典:『泣くな研修医』幻冬舎文庫 表紙】

主人公は、鹿児島の大学の医学部を出て上京したばかりの研修医、雨野隆治(あめのりゅうじ)。

物語のはじまりは名字と同じく、まさに雨の描写から始まります。
バケツをひっくり返したような大雨の日。

まだ主人公の隆治が幼い頃、ふだんと変わらない普通の日常を送っていた雨野一家に、突然の思いがけない悲劇が襲いかかります。

その日を境に家族の状況は一変。
幼かったこともあってその出来事を受け止められないまま、成長した隆治は医師を目指します。

現在。
勤務先の総合病院には毎日ひっきりなしに患者が運ばれてきます。
6年間医学部で学んできたとは言っても、研修医一年目の隆治にとって現場は初めてのことだらけで、自分の無力さを感じることばかり

それでも患者を助けたいという思いを持って、病院に泊まり込み、日々ヘトヘトになるまで働く隆治。
東京に出てきても、都会のきらびやかさとはまったく無縁で。次々に運ばれてくる患者との関りの中で、理想と現実に挟まれながらの日々を送ります。

そんなある日、高速で正面衝突した親子が救急車で運ばれてきます。
運転していた父親は無傷で、助手席の母は鎖骨を骨折。5歳の子ども拓磨(たくま)は腹壁が破裂し、腸が飛び出した危険な状態。

隆治はまだ半人前で医師として何もできないことに葛藤しながらも、幼い拓磨を見て「この子を絶対に助けたい!」と強く思うのです。

息つく暇もなく、次々と運ばれる患者たち。
94歳生活保護の胃がんの男性や腹痛を訴える14歳の少女、隆治と同い年の末期の大腸がん患者・・・彼らの生と死に直面し、苦悩しながらも、隆治は医者として、人として成長していきます。

そして物語の最後。
拓磨の家族を自分の家族と重ね合わせた隆治は、鹿児島の両親の元へ戻り、これまで向き合えなかったあの出来事の真実と向き合います

・・・というのが原作の大まかなストーリーです。
もう読み終わるまでに何回泣いたかなー、ほんと!

原作『泣くな研修医』感想

『泣くな研修医』を読んだ方々の感想を調べてみると、「読みやすかった」「医師のリアルが伝わる」「医療従事者に感謝」「自分を振り返るきっかけになった」といった声がみられました。

ドラマのプロデューサーさんも昨年春に『泣くな研修医』を読み、ものすごく感動して「ドラマ化したい」と日曜の夜中に編集部に電話をかけたのだとか。読む人の心をつよく揺さぶる小説ですね。

ここからはこの小説に感動したひとりとして、わたしの感想を書いていきますね。

医療現場のリアルな描写にぞわぞわと

原作は現役研修医である中山祐次郎さんが書いているので、描写がとてもリアルです。
ところどころに主人公もまだ理解できていない医学用語が頻出し、読者も医学の世界の底知れない深さを感じることができます。

とくに患者さんの命を前に隆治の心が揺れ動く様子がものすごく生々しく伝わり、命を預かる医師の責任の重さと緊張を感じて、読みながら心がぞわぞわしました!

原作の世界に引き込まれて、読み終わるのはあっという間。
読後は医療の世界の過酷さと、その世界に従事している方々への感謝を感じました。

どちらにもなれない主人公の葛藤に共感

患者でもなく、医者にもなりきれない。中途半端な立ち位置である研修医。
研修医はまだできることも少なく、救急車で運ばれてきた患者さんに対してどう対応してよいのかわからない。
初めての手術での執刀も、先輩医師の指示どおりに動くだけ。
主人公の隆治は、ことあるごとに自分へのもどかしさや自分自身の言動へのいら立ちで涙を流します。

医療に関わっていなくても、誰もが覚えのある葛藤だと思います。
自分はああなりたいという情熱はあっても、まだ歩き出したばかりで何もわからないし何もできない。だけど、もう学生の頃には戻れない。
何もできない自分には、今何ができるんだろう。
悩み、苦しみ、もしかすると隆治のように涙を流す日々を送った人もいるかもしれません。
おばさん主婦のわたしも若き日々を思い出し、本の中の隆治の葛藤に心がぐりぐり動かされました!

家族とは、親子とは

プロローグで幼い頃のあの出来事のさわりが描かれたまま、現在に移り進行していく物語。

上京して立派な親を持つ同僚に会い、さつま揚げを売って生活している実家の両親を恥ずかしく思い、自分は親を愛していると思えなくなったり、親も自分をどう思っているのかわからなかったり。
これはあの出来事が影響しているのもあるんですけどね。

最後、鹿児島に帰り、閉じ込めていた過去と両親に向き合うエピローグは感動です!
子を持つ主婦であるわたしは、家族って、親子のつながりって、何だろうって考えさせられました。

じっとりイメージの隆治と白濱亜嵐さんがつながらない・・・

研修医の現場での緊張と暑がりの体質もあって、原作の中で隆治はしょっちゅう汗をかいています
何かと涙を流し、長時間勤務でほぼ自宅に帰らず病院に寝泊まりしていて、クタクタになってよれよれで、だけど患者さんを助けたいという気力で頑張ってるじっとりしたイメージ。

それが・・・主演がキラキライメージの白濱亜嵐さんだとは!イメージのギャップにちょっとびっくり。
その分、ドラマではどんな隆治の姿が見られるのか、ものすごく楽しみです!

まとめ

今回は『泣くな研修医』の原作あらすじを見ていきました。

医療の世界なんて全然自分とは関係ないのですが、この本を読んだあとは、人の生と死に関わる仕事ってなんて大変なんだろう、今はお医者さんとして一人前の方でもこんなに苦しんだ時期を経てこられたんだなあ、と感動と感謝でいっぱいになりました。

がんばる世界は違っても、隆治に共感し感動するところがいっぱいです。
原作の世界がどう表現されるのか、原作とドラマで登場人物やあらすじはどう違うのか、4月からのドラマに期待大です。

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