新潟で「今日のご飯、こわいね」と言われたら、炊き加減の話かもしれません。食卓の「こわい」は「硬い」、「ばか甘い」は「とても甘い」。かわいい呼び名から思わず聞き返したくなるひと言まで、新潟県の方言100選を場面と例文で紹介します。
新潟のかわいい方言と気持ちを伝える言葉
1. じょんのび
意味:手を休め、のんびりくつろぐこと。
使う場面:家族で縁側に座って。
例文:今日はここでじょんのびしよう。→ 今日はここでのんびりしよう。
2. みじょげ
意味:とてもかわいらしい。
使う場面:妙高で、子どもの仕草に目を細めて。
例文:両手でお椀を持って、みじょげだね。→ 両手でお椀を持って、ほんとにかわいいね。
3. しょうしい
意味:照れくさい、恥ずかしい。
使う場面:長岡などで、告白の言葉を口にするとき。
例文:面と向かうとしょうしいけど、ずっと好きだったよ。→ 面と向かうと照れくさいけど、ずっと好きだったよ。
4. わにる
意味:はにかむ。
使う場面:妙高で、写真を撮られる子を見て。
例文:さっきまで笑ってたのに、カメラを向けたらわにった。→ さっきまで笑ってたのに、カメラを向けたらはにかんだ。
5. やわやわ
意味:ゆっくり、無理のない速さで。
使う場面:連れが遅れを気にしているとき。
例文:花を見ながらやわやわ帰ろう。→ 花を見ながらゆっくり帰ろう。
6. ぼちゃ
意味:お風呂。
使う場面:家で子どもに声をかけて。
例文:足が冷えたね。ぼちゃに入ろうか。→ 足が冷えたね。お風呂に入ろうか。
7. ぼぼ
意味:赤ちゃん。
使う場面:妙高で、古い家族写真を見ながら。
例文:このぼぼが、今じゃ三人の父親だよ。→ この赤ちゃんが、今じゃ三人の父親だよ。
8. かなちょろ
意味:カナヘビ。
使う場面:妙高などで、庭先の小さな爬虫類に気づいて。
例文:植木鉢の下からかなちょろが顔を出したよ。→ 植木鉢の下からカナヘビが顔を出したよ。
9. けなり
意味:うらやましい。
使う場面:妙高で、旅行の写真を見せてもらって。
例文:窓を開ければ海なんて、けなりなあ。→ 窓を開ければ海なんて、うらやましいなあ。
10. はつめ
意味:手先が器用で、まめなこと。
使う場面:ちいさな布人形を縫った人を褒めて。
例文:指まで縫い分けたの? はつめだねえ。→ 指まで縫い分けたの? 器用だねえ。
お礼・挨拶・人を迎える新潟の言葉
11. ごめんください
意味:訪ねたときのほか、出会いの挨拶にも使う言葉。
使う場面:道で近所の人と顔を合わせて。
例文:ごめんください。もう稲刈りですか。→ こんにちは。もう稲刈りですか。
12. なじらね
意味:どうですか、具合はいかがですか。
使う場面:長岡などで、修理した道具の使い心地を聞くとき。
例文:柄を短くしてみたけど、なじらね?→ 柄を短くしてみたけど、どうですか?
13. だんだんどうも
意味:日ごろのつき合いへの感謝を込めた挨拶。
使う場面:十日町・南魚沼周辺で、いつも世話になっている相手に。
例文:だんだんどうも。この前の豆、おいしかったです。→ いつもありがとうございます。この前の豆、おいしかったです。
出発前の「だんだん行こうか」なら「そろそろ行こうか」。新潟の「だんだん」は、お礼の挨拶か時間の話かで読み分けられます。
14. かんべんね
意味:ごめんね、許してね。
使う場面:人を待たせてしまったとき。
例文:寒いとこ待たせて、かんべんね。→ 寒いとこ待たせて、ごめんね。
15. あいそなくて
意味:大したおもてなしもできなくて、という謙遜。
使う場面:妙高などで、帰る客を送りながら。
例文:今日はあいそなくて。また寄ってね。→ 今日は大したおもてなしもできなくて。また寄ってね。
16. きっしぇきない
意味:いらっしゃい、おいでよ。
使う場面:妙高で、通りがかった知人を家に誘って。
例文:ストーブつけたよ。きっしぇきない。→ ストーブつけたよ。おいでよ。
17. おしずかに
意味:ごゆっくり。
使う場面:妙高で、お茶を出して客にくつろいでもらうとき。
例文:外はまだ雪だし、どうぞおしずかに。→ 外はまだ雪だし、どうぞごゆっくり。
18. そちゃね
意味:それじゃあ、またね。
使う場面:用事を終えて別れるとき。
例文:そちゃね。写真は明日持ってくるよ。→ それじゃあまたね。写真は明日持ってくるよ。
新潟の悪口・人を悪く言うときの方言
19. しょったれ(しょーたれ)
意味:身なりや片付けがだらしないこと。また、そういう人。
使う場面:長岡などで、乱雑な格好をとがめるとき。
例文:片方だけ靴下を脱いだままなんて、しょったれだね。→ 片方だけ靴下を脱いだままなんて、だらしないね。
20. のめしこき
意味:怠け者。
使う場面:妙高などで、面倒を避けた自分をからかって。
例文:草取りを先延ばしにして、今年ものめしこきだな、おれは。→ 草取りを先延ばしにして、今年も怠け者だな、おれは。
21. しゃべっちょ
意味:おしゃべりな人。余計なことまで話すという含みもある。
使う場面:内緒だった贈り物が先に知られてしまって。
例文:私がしゃべっちょだから、顔にまで出たかな。→ 私がおしゃべりだから、顔にまで出たかな。
22. こすい(こっすい)
意味:やり方がずるい、卑怯だ。
使う場面:じゃんけんの後出しを責めて。
例文:負けそうになって手を変えるなんて、こっすいよ。→ 負けそうになって手を変えるなんて、ずるいよ。
23. たらず
意味:間の抜けたやつ、と人を低く言う言葉。
使う場面:下越の亀田・横越周辺で記録された古い叱り言葉。
例文:「たらず」なんて言わなくても、間違いは直せるよ。→ 「まぬけ」なんて言わなくても、間違いは直せるよ。
24. ぽんつく
意味:気が回らない、間の抜けた人をからかう言い方。
使う場面:燕市の旧吉田町で記録された言葉。自分のうっかりを笑って。
例文:弁当を包んで箸だけ忘れるとは、我ながらぽんつくだね。→ 弁当を包んで箸だけ忘れるとは、我ながらまぬけだね。
25. じょこばり
意味:出しゃばる人。
使う場面:妙高で、口を挟みすぎた自分を振り返って。
例文:頼まれてもいないのに仕切って、じょこばりだったな。→ 頼まれてもいないのに仕切って、出しゃばりだったな。
26. つぐなし
意味:根性なし、意気地のない人。
使う場面:妙高で、弱気な人を責める言葉をたしなめて。
例文:一回休んだくらいでつぐなしは言い過ぎだよ。→ 一回休んだくらいで根性なしは言い過ぎだよ。
27. とっぽい
意味:生意気だ。
使う場面:妙高で、昔の自分の態度を語って。
例文:習い始めに先生にまで口出しして、とっぽい子だったよ。→ 習い始めに先生にまで口出しして、生意気な子だったよ。
28. ちょべ
意味:おせっかい。
使う場面:妙高で、他人の話に手を出されたとき。
例文:席順まで決めるのはちょべだよ。→ 席順まで決めるのはおせっかいだよ。
29. へちこうぜい
意味:余計なお世話。
使う場面:佐渡で、必要のない助言を断るとき。
例文:嫁を探してやるって? そりゃへちこうぜいだよ。→ 嫁を探してやるって? そりゃ余計なお世話だよ。
きつく聞こえる新潟弁・「こわい」の意味
30. しねばいいのに
意味:その行為をしなければいいのに。
使う場面:頼まれていない雪かきを一人で背負おうとする相手に。
例文:腰が痛いなら、今日は雪かきしねばいいのに。→ 腰が痛いなら、今日は雪かきしなければいいのに。
この会話で省略されているのは「雪かきを」という目的語。「何をしなくていいのか」が前のひと言から分かります。相手の命を指す発言とは、話の内容で区別します。
31. こわい
意味:食べ物などが硬い。
使う場面:炊きたての米をひと粒かんで。
例文:今日のご飯、真ん中がちょっとこわいね。→ 今日のご飯、真ん中がちょっと硬いね。
32. ばか(ばっか)
意味:後ろの言葉の程度を強める「とても」。
使う場面:摘みたてのいちごを味わって。
例文:このいちご、ばか甘いね。→ このいちご、ものすごく甘いね。
33. おっかない
意味:恐ろしい、怖い。
使う場面:妙高などで、凍った足元に用心して。
例文:ここの石段は日陰でおっかないよ。→ ここの石段は日陰で怖いよ。
34. がっと
意味:力を込めて、きつく。
使う場面:風で荷物が飛ばないように頼んで。
例文:荷台のひも、もう一回がっと結んで。→ 荷台のひも、もう一回きつく結んで。
35. ぼっこす(ぼっこわす)
意味:壊す、壊してしまう。
使う場面:古い家具の解体を相談して。
例文:この箱はぼっこす前に金具だけ外そう。→ この箱は壊す前に金具だけ外そう。
36. ぶちゃる(びちゃる・べちゃる)
意味:捨てる。
使う場面:書きかけの図面を残してほしいとき。
例文:端が切れてるけど、この紙はまだぶちゃらないで。→ 端が切れてるけど、この紙はまだ捨てないで。
37. ずって
意味:位置をずらして、少し動いて。
使う場面:長岡などで、長椅子にもう一人座れるようにして。
例文:二人とも窓の方に少しずってくれる?→ 二人とも窓の方に少し詰めてくれる?
38. かずける
意味:人のせいにする。
使う場面:失敗の責任を押し付けられて。
例文:鍵を忘れたのを弟にかずけちゃかわいそうだよ。→ 鍵を忘れたのを弟になすりつけちゃかわいそうだよ。
39. かまう
意味:からかう、ちょっかいを出す。
使う場面:真剣に練習している子をそっとしてほしいとき。
例文:初めて包丁を持ったんだから、横からかまわないで。→ 初めて包丁を持ったんだから、横からからかわないで。
下越・新潟市周辺で聞く、よく使う表現
新潟市やその周辺でも、市街地と農村、家庭や世代で聞き慣れた言い方が違います。亀田・横越で記録された昔の語は、各項目に地名を添えました。
40. おめさん
意味:あなた、お前さん。
使う場面:久しぶりに会った人に声をかけて。
例文:おめさんもこの道を通るの?→ あなたもこの道を通るの?
41. そろっと(よろっと)
意味:そろそろ。時機が来たことを表す。
使う場面:時計を見て帰り支度を始めるとき。
例文:日が落ちる前にそろっと戻ろうか。→ 日が落ちる前にそろそろ戻ろうか。
42. なまら
意味:新潟市などで「とても」。長岡では「そこそこ・中途半端」という使い方の記録もある。
使う場面:新潟市周辺で、勢いよく降る雪に驚いて。
例文:外、なまら降ってきたよ。→ 外、すごく降ってきたよ。
43. どんげ
意味:どんなふう、どんな具合。
使う場面:配色を相談して。
例文:のれんの色、どんげなのがいい?→ のれんの色、どんなのがいい?
44. こんげ(そんげ・あんげ)
意味:こんな、そんな、あんな。
使う場面:実物を手にして大きさを示すとき。
例文:写真じゃ分からなかったけど、こんげに大きかったんだね。→ 写真じゃ分からなかったけど、こんなに大きかったんだね。
45. あっちぇ
意味:熱い、暑い。
使う場面:焼きたての餅を手に取って。
例文:あっちぇ! まだ皿に置いとこう。→ 熱い! まだ皿に置いとこう。
46. はっけ(はっこい・しゃっこい)
意味:冷たい。土地や話し手で音が変わる。
使う場面:井戸水に手を入れて。
例文:うわ、はっけ! 指先がびっくりした。→ うわ、冷たい! 指先がびっくりした。
47. ねまる
意味:腰を下ろす、座る。
使う場面:長く立っていた人に座布団をすすめて。
例文:こっちにねまってお茶にしよう。→ こっちに座ってお茶にしよう。
48. ちょす
意味:手でいじる、触る。
使う場面:塗料が乾くのを待つとき。
例文:その赤いとこ、まだちょさないでね。→ その赤いとこ、まだ触らないでね。
49. たらかす
意味:だます。
使う場面:下越の亀田・横越周辺で、手品の仕掛けが分かって。
例文:鏡一枚にすっかりたらかされたよ。→ 鏡一枚にすっかりだまされたよ。
50. だっちょもね
意味:くだらない、取るに足りない。
使う場面:新潟市江南区周辺で、笑い話を前置きして。
例文:だっちょもね話だけど、聞いてくれる?→ くだらない話だけど、聞いてくれる?
51. だらこく
意味:駄々をこねて激しく泣く。
使う場面:亀田・横越周辺で、子どもの頃の話をして。
例文:祭りから帰りたくなくて、橋の前でだらこいたんだって。→ 祭りから帰りたくなくて、橋の前で泣いて駄々をこねたんだって。
52. きんな
意味:昨日。
使う場面:前日からの変化を見つけて。
例文:きんなはつぼみだったのに、もう開いたね。→ 昨日はつぼみだったのに、もう開いたね。
53. ごうぎ
意味:すごい、たいそうな。
使う場面:手の込んだ飾りを見上げて。
例文:竹一本ずつ結んだの? ごうぎな仕事だね。→ 竹一本ずつ結んだの? すごい仕事だね。
54. ごっつぉ
意味:ごちそう。
使う場面:迎えに来た家族と夕飯の話をして。
例文:今夜のごっつぉは父ちゃんの釣ったタイだよ。→ 今夜のごちそうは父ちゃんの釣ったタイだよ。
55. べと
意味:土。
使う場面:庭から上がってきた子に。
例文:靴のべと、玄関の外で落としてね。→ 靴の土、玄関の外で落としてね。
56. かしがる(かたがる)
意味:片側に傾く。
使う場面:写真が曲がって見えるとき。
例文:額が少し右にかしがってるよ。→ 額が少し右に傾いてるよ。
57. 車学(しゃがく)
意味:自動車学校。免許を取る世代の会話にも出る地域的な略称。
使う場面:放課後の予定を聞かれて。
例文:今日は車学で初めて縦列駐車するんだ。→ 今日は自動車学校で初めて縦列駐車するんだ。
中越・長岡などの暮らしの言葉
58. じゃみる
意味:子どもが駄々をこねる。大人が文句を言う場合もある。
使う場面:長岡で、幼かった頃を振り返って。
例文:あの赤い傘が欲しくて、店先でじゃみったんだ。→ あの赤い傘が欲しくて、店先で駄々をこねたんだ。
59. こびる(こびり)
意味:仕事の合間のおやつ、間食。
使う場面:長岡や妙高で、ひと休みの支度をするとき。
例文:三時のこびるに、蒸した芋を持ってきたよ。→ 三時のおやつに、蒸した芋を持ってきたよ。
60. たいようし(大洋紙)
意味:学校などで使う大きな模造紙。
使う場面:グループ発表の準備で。
例文:地図を描くから、たいようしを二枚つなごう。→ 地図を描くから、模造紙を二枚つなごう。
61. こんぼ
意味:ごぼう。
使う場面:長岡で、きんぴらの材料を揃えるとき。
例文:にんじんはあるから、こんぼを一本買ってきて。→ にんじんはあるから、ごぼうを一本買ってきて。
62. しょてっぱな
意味:物事のいちばん初め。
使う場面:長岡で、演奏の出だしを振り返って。
例文:しょてっぱなで音を外したけど、あとは楽しく弾けたよ。→ 出だしで音を外したけど、あとは楽しく弾けたよ。
63. そんま
意味:すぐに、ほどなく。
使う場面:長岡で、客を少し待たせるとき。
例文:そんまお茶が入るよ。荷物はそこでいいよ。→ すぐお茶が入るよ。荷物はそこでいいよ。
64. せつね(せつない)
意味:つらい、苦しい。体の痛みにも使う。
使う場面:長岡で、長く座った後に立ち上がって。
例文:腰がせつねから、少し歩いてくるね。→ 腰がつらいから、少し歩いてくるね。
65. たがく
意味:手に持つ、携える。
使う場面:長岡で、両手に荷物を抱えた人に。
例文:軽いほうは私がたがいていくよ。→ 軽いほうは私が持っていくよ。
66. あめる
意味:食べ物が傷む。
使う場面:暑い日に弁当の置き場所を決めて。
例文:そこじゃあめるから、涼しい所に入れとこう。→ そこじゃ傷むから、涼しい所に入れとこう。
67. 腹くっちぇ
意味:お腹がいっぱいだ。
使う場面:食後、もう一杯すすめられて。
例文:二膳おかわりして、もう腹くっちぇ。→ 二膳おかわりして、もうお腹がいっぱいだ。
68. ずく
意味:何かに取りかかる気力や根気。
使う場面:寒い朝、布団から出られずに。
例文:薪を取りに行くずくがなかなか出ないよ。→ 薪を取りに行く気力がなかなか出ないよ。
69. しみわたり
意味:硬く凍った雪の表面を歩くこと。
使う場面:長岡・妙高などで、足が沈まなかった朝を思い出して。
例文:子どもの頃は、田んぼをしみわたりして近道したよ。→ 子どもの頃は、田んぼを凍った雪の上を歩いて近道したよ。
70. ぞーせ
意味:雑炊、おじや。
使う場面:長岡で、冷やご飯の食べ方を相談して。
例文:今朝は卵を落としてぞーせにしよう。→ 今朝は卵を落として雑炊にしよう。
71. しんならづよい
意味:粘り強く、よく持ちこたえる。
使う場面:長岡で、地道に直し続けた人の話をして。
例文:一年かけて元通りにするとは、しんならづよい人だね。→ 一年かけて元通りにするとは、粘り強い人だね。
上越・妙高の方言|雪国の暮らしと身の回りの言葉
72. かがっぽい
意味:光が強くてまぶしい。
使う場面:晴れた朝、カーテンを開けて。
例文:雪に日が当たってかがっぽいね。→ 雪に日が当たってまぶしいね。
73. かねっこり
意味:つらら。
使う場面:軒下に並ぶ氷を見上げて。
例文:物置のかねっこりが窓まで伸びたよ。→ 物置のつららが窓まで伸びたよ。
74. かくし
意味:衣服のポケット。
使う場面:なくしたと思った鍵を探して。
例文:上着のかくしに鍵が残ってた。→ 上着のポケットに鍵が残ってた。
75. あくと
意味:かかと。
使う場面:新しい長靴を脱いで。
例文:右のあくとだけ赤くなってるね。→ 右のかかとだけ赤くなってるね。
76. はぐる
意味:めくる。
使う場面:覆いを取って中を確かめるとき。
例文:布をはぐると、下から芽がのぞいてたよ。→ 布をめくると、下から芽がのぞいてたよ。
77. めっぱつ
意味:ものもらい。妙高で記録されている呼び名。
使う場面:写真で片目を細めている理由を話して。
例文:あの日はめっぱつができてたんだ。→ あの日はものもらいができてたんだ。
78. おてしょ
意味:小皿。
使う場面:食卓に漬物を出すとき。
例文:菜っ葉を少しずつおてしょに分けよう。→ 菜っ葉を少しずつ小皿に分けよう。
79. おたち
意味:おかわり。
使う場面:食事の席でもう少し食べたいとき。
例文:そのお汁、おたちしてもいい?→ そのお汁、おかわりしてもいい?
80. あっぱ
意味:ふん、大便。
使う場面:畑のそばで動物が通った跡を見て。
例文:足跡のすぐ横にウサギのあっぱがあるよ。→ 足跡のすぐ横にウサギのふんがあるよ。
81. ずっく
意味:上履き。妙高ではこの意味で記録されている。
使う場面:新学期の持ち物を確かめて。
例文:名前を書いたずっく、袋に入れた?→ 名前を書いた上履き、袋に入れた?
82. ねぐせぇ(ねぐさい)
意味:腐ったようなにおいがする。
使う場面:物置でにおいの元を探して。
例文:この箱、どうもねぐせぇと思ったら、奥に芋が残ってた。→ この箱、どうも腐ったようなにおいがすると思ったら、奥に芋が残ってた。
83. ぐるわ
意味:まわり、周囲。
使う場面:雪の重みで折れた枝を見に行くとき。
例文:小屋のぐるわをひと回りしてくるよ。→ 小屋のまわりをひと回りしてくるよ。
84. かんもす
意味:かき回して混ぜる。
使う場面:味噌が底に沈んだ鍋を前に。
例文:よそう前に、ひとつかんもしておいて。→ よそう前に、ひとつかき混ぜておいて。
85. せんをかう
意味:鍵をかける。
使う場面:戸締まりを分担するとき。
例文:裏口は私がせんをかうから、表をお願い。→ 裏口は私が鍵をかけるから、表をお願い。
佐渡で聞く方言|相川など島の暮らしの言葉
佐渡島の中でも、相川と国仲などでは言い方に違いがあります。親戚づきあいから薪の支度まで、島の暮らしの中で記録された言葉です。
86. おやこ
意味:親戚。佐渡では親と子以外の親類を指す用例がある。
使う場面:家同士のつながりを説明して。
例文:港のあの家と、うちはおやこなんだよ。→ 港のあの家と、うちは親戚なんだよ。
87. べいた
意味:薪。
使う場面:佐渡で、火をおこす準備をして。
例文:奥の乾いたべいたを二本取って。→ 奥の乾いた薪を二本取って。
88. がっちゃへご
意味:形や並びがめちゃくちゃなこと。
使う場面:箱の中身が運ぶ途中で崩れて。
例文:せっかく並べたのに、中はがっちゃへごだよ。→ せっかく並べたのに、中はぐちゃぐちゃだよ。
89. はやる
意味:騒ぐ、はしゃぐ。
使う場面:家の中で遊ぶ子に、声を落としてほしいとき。
例文:赤ちゃんが起きるから、ここではやらんでね。→ 赤ちゃんが起きるから、ここで騒がないでね。
90. さきな
意味:さきほど、ついさっき。
使う場面:相川で、訪ねてきた人と行き違って。
例文:さきなまで、そこで網を直してたよ。→ さっきまで、そこで網を直してたよ。
新潟弁の語尾・会話をつなぐ言い回し
91. 〜ろ(〜らろ)
意味:〜でしょう、〜だろう。推測したり同意を求めたりする。
使う場面:新潟市周辺で、窓から外を指して。
例文:ここから橋の灯りが見えるろ?→ ここから橋の灯りが見えるでしょ?
92. 〜ねっか
意味:〜じゃないか、〜でしょう、と相手に確かめる。
使う場面:下越などで、探していた物を見つけて。
例文:青い袋、椅子の下にあるねっか。→ 青い袋、椅子の下にあるじゃないか。
93. 〜くんなせ
意味:〜してください。
使う場面:下越などで、客に休んでもらうとき。
例文:雪がやむまで、ここで待ってくんなせ。→ 雪がやむまで、ここで待ってください。
94. 〜しない(〜ない)
意味:〜しなさい、と勧める言い方。
使う場面:食卓で遠慮している相手に。
例文:冷めないうちに食べない。→ 冷めないうちに食べなさい。
95. 〜がー
意味:〜なの、〜なんだ。長岡でよく聞く形。声の上げ下げで質問にもなる。
使う場面:友達の出発を見て。
例文:もう帰るがー? 今お茶入れたとこだよ。→ もう帰るの? 今お茶入れたとこだよ。
96. 〜がに
意味:〜のに。予想と食い違ったことをつなぐ。
使う場面:片付け終えた矢先に新しい荷物が届いて。
例文:ようやく空いたがに、また箱が来たよ。→ ようやく空いたのに、また箱が来たよ。
97. 〜だっちゃ(〜ちゃ)
意味:〜だよ、〜なんだよ、と伝える佐渡の語尾。
使う場面:島の知人に道を教えてもらうとき。
例文:船着き場はあの向こうだっちゃ。→ 船着き場はあの向こうだよ。
98. だっけ(だっけさ)
意味:だから、それで、と理由を受けて話を続ける。
使う場面:出かける時間を変えたわけを説明して。
例文:朝の便が休みになったんだ。だっけさ、昼に行くよ。→ 朝の便が休みになったんだ。だから、昼に行くよ。
99. そいがー
意味:そうなんだ、そうなのか、と受ける相づち。
使う場面:長岡で、懐かしい店が移転したと聞いて。
例文:そいがー。今度はどこにできたの?→ そうなんだ。今度はどこにできたの?
100. やろまい
意味:やろうよ、一緒にやろう。
使う場面:みんなで片付けに取りかかるとき。
例文:明日の分も、日があるうちにやろまい。→ 明日の分も、日があるうちにやろうよ。
まとめ
雪の上を歩く「しみわたり」に、休憩のおやつを指す「こびる」。知らなかった言葉から、その土地の一日が少し見えてきますね。私は、お客さんに「おしずかに」とお茶を出す妙高の言い方が好きです^^