静岡県の方言には、「ぬくとい」のようなかわいい響きの言葉や、「おぞい」「みるい」など県外では通じないこともある表現があります。「だら」「ずら」「だに」といった語尾も気になりますよね^^ 静岡弁・遠州弁の100の言葉を、意味・使う場面・短い例文で紹介します。
静岡県でよく使う方言|おぞい・みるいなどの意味と例文
「おぞい」「みるい」から、日常会話で聞く短いひと言まで。まずは静岡の方言として知っておきたい表現を紹介します。
1. おぞい
意味:質がよくない、古びている、粗末だ。物の状態を低く評価する言い方。
使う場面:使い込んだ道具や出来栄えを話すとき。
例文:この傘、おぞくなったで買い替えたい。→ この傘、古びてきたから買い替えたい。
2. みるい
意味:柔らかくて若い。野菜のほか、経験が浅く未熟な人についてもいう。
使う場面:摘んだ葉の柔らかさを確かめるとき。
例文:上の葉はまだみるいで、さっとゆでればいいよ。→ 上の葉はまだ柔らかいから、さっとゆでればいいよ。
3. ばか
意味:とても、すごく。程度を強める使い方では、人をけなす「馬鹿」と意味が違う。
使う場面:驚くほどおいしい物を食べたとき。
例文:この焼き芋、ばか甘いね。→ この焼き芋、すごく甘いね。
4. がんこ
意味:非常に、ものすごく。遠州などで、程度や量の大きさを強調する。
使う場面:会場の混雑に驚いたとき。
例文:駅前、がんこ人がいたよ。→ 駅前、ものすごく人がいたよ。
5. しょんない
意味:仕方がない、しょうがない。
使う場面:変更できない予定を受け入れるとき。
例文:今日は休みか。しょんない、また来よう。→ 今日は休みか。仕方ない、また来よう。
6. たんと
意味:たくさん。静岡以外にも使う地域がある。
使う場面:収穫した物の量を伝えるとき。
例文:今年は庭のミカンがたんとなったよ。→ 今年は庭のミカンがたくさんなったよ。
7. ちーっと
意味:少し、ちょっと。伸ばしていうことも多い。
使う場面:料理の味を調整するとき。
例文:しょうゆをちーっと足してみて。→ しょうゆを少し足してみて。
8. ちょっくら(ちょっくり)
意味:ちょっと、少しの間。
使う場面:短時間出かけることを伝えるとき。
例文:ちょっくら郵便局まで行ってくるね。→ ちょっと郵便局まで行ってくるね。
9. はあ
意味:もう、すでに。ため息ではなく、動作の完了などを表す。
使う場面:作業が済んだか確かめるとき。
例文:荷物ははあ車に積んだよ。→ 荷物はもう車に積んだよ。
10. とぶ
意味:走る、急いで移動する。空中へ跳ぶ意味だけではない。
使う場面:急いで来た人について話すとき。
例文:忘れ物に気づいて、家までとんで戻った。→ 忘れ物に気づいて、家まで走って戻った。
11. うっちゃる
意味:捨てる。
使う場面:要らなくなった物を処分するとき。
例文:その空き袋、うっちゃっていいよ。→ その空き袋、捨てていいよ。
12. かたす
意味:片付ける。静岡だけでなく東日本などにも見られる。
使う場面:使い終えた物をしまうとき。
例文:お茶を入れるで、机の上をかたして。→ お茶を入れるから、机の上を片付けて。
13. 鍵をかう
意味:鍵を掛ける、施錠する。購入するという意味ではない。
使う場面:戸締まりを確認するとき。
例文:裏口の鍵、かってきたよ。→ 裏口の鍵、掛けてきたよ。
14. えらい
意味:体がつらい、疲れている。立派だという評価とは別の用法。
使う場面:力仕事の後に疲れを伝えるとき。
例文:坂道で荷物を運んだら、えらくなっちゃった。→ 坂道で荷物を運んだら、疲れてしまった。
15. かんだるい
意味:だるい、体が重く感じる。
使う場面:疲れが残っている朝など。
例文:今日は足がかんだるいなあ。→ 今日は足がだるいなあ。
16. いかい(いきゃー)
意味:大きい。
使う場面:物の大きさに驚くとき。
例文:隣の畑に、いかいカボチャがあるね。→ 隣の畑に、大きなカボチャがあるね。
17. いのく
意味:動く。
使う場面:置いた物が動くか確かめるとき。
例文:この棚、押してもいのかないよ。→ この棚、押しても動かないよ。
18. ちゃっと
意味:すぐに、急いで。遠州などで使う。
使う場面:時間がないと伝えるとき。
例文:バスが来るで、ちゃっと支度して。→ バスが来るから、急いで支度して。
19. おっかない
意味:怖い、恐ろしい。静岡以外にも広く使う地域がある。
使う場面:暗い道や高い所に怖さを感じたとき。
例文:この階段、手すりがなくておっかないね。→ この階段、手すりがなくて怖いね。
20. わきゃーない
意味:簡単だ、苦もなくできる。静岡中部などの言い方。
使う場面:手慣れた作業を引き受けるとき。
例文:これくらいの組み立てなら、わきゃーないよ。→ これくらいの組み立てなら、簡単だよ。
かわいい静岡弁|親しみのある響きや言い回し
「ぬくとい」「じょんじょん」など、響きに親しみを感じる言葉を集めました。「ちんぷりかえる」のように、響きが柔らかくても意味は不機嫌さを表すものもあります。
21. ぬくとい
意味:暖かい、温かい。人をほっとさせる温度について使う。
使う場面:日なたや布団の心地よさを話すとき。
例文:窓際はぬくとくて、眠くなるね。→ 窓際は暖かくて、眠くなるね。
22. ひゃっこい(ひやっこい)
意味:冷たい。水や風など、肌で感じる冷たさを表す。
使う場面:冷たい水に手を触れたとき。
例文:井戸の水、ひゃっこくて気持ちいい。→ 井戸の水、冷たくて気持ちいい。
23. うちっち
意味:私たち、私の家。富士市などで見られ、文脈でどちらかが決まる。
使う場面:自分たちの予定を話すとき。
例文:うちっちは、午後から海へ行くよ。→ 私たちは、午後から海へ行くよ。
24. ちんぷりかえる(ちんぶりかく)
意味:すねる、ふくれる。同系の言い方をまとめて紹介。
使う場面:機嫌を損ねた様子を話すとき。
例文:順番が最後になって、ちんぷりかえってる。→ 順番が最後になって、すねている。
25. まめったい
意味:こまめで、よく気が付いて働く。静岡中部などでは褒め言葉になる。
使う場面:進んで用事をしてくれる人を話題にするとき。
例文:花の水やりも済ませてくれたの。まめったいねえ。→ 花の水やりも済ませてくれたの。よく気が付くねえ。
26. じょんじょん
意味:草履やサンダル。静岡市周辺などに伝わる呼び方。
使う場面:近所へ出る履物を探すとき。
例文:玄関にじょんじょん出しといたよ。→ 玄関にサンダルを出しておいたよ。
27. けっこい
意味:きれいだ、美しい。遠州の小笠地域などで使われる。
使う場面:整った景色や物を褒めるとき。
例文:雨がやんで、けっこい虹が出たね。→ 雨がやんで、きれいな虹が出たね。
28. あんもう
意味:餅。静岡中部などに伝わる、昔ながらの呼び方。
使う場面:家族と餅を焼くとき。
例文:あんもう、二つ焼こうか。→ お餅、二つ焼こうか。
29. ほおたん
意味:頬。焼津に伝わる呼び方。
使う場面:顔に何か付いていると教えるとき。
例文:ほおたんに、ご飯粒が付いてるよ。→ 頬に、ご飯粒が付いているよ。
30. うみゃー
意味:おいしい、うまい。富士市などにも見られる言い方。
使う場面:食べ物を気に入ったとき。
例文:焼きたてのアジ、うみゃーね。→ 焼きたてのアジ、おいしいね。
31. てんこちょ
意味:頭のてっぺん。焼津などに伝わる、体の部位を表す言葉。
使う場面:頭の上に何か付いていると教えるとき。
例文:てんこちょに、桜の花びらが乗ってるよ。→ 頭のてっぺんに、桜の花びらが乗っているよ。
32. ちんびくたい(ちんびい)
意味:小さい。焼津などに伝わる言い方。「ちんびい」は小さな子どもを指すこともある。
使う場面:小さな物を見つけたとき。
例文:鉢の中に、ちんびくたい芽が出たよ。→ 鉢の中に、小さな芽が出たよ。
県外では通じない?静岡の方言と意外な意味
「かじる」が「かく」、「こわい」が「硬い」。標準語にもある単語ほど、会話の中で意味がすれ違うことがあります。
33. かじる(かじくる)
意味:かく、ひっかく。歯でかみ取る意味とは別に使う。
使う場面:かゆい所をかいたと話すとき。
例文:腕をかじったら赤くなった。→ 腕をかいたら赤くなった。
34. ちみくる
意味:皮膚を指先でつまむ、つねる。
使う場面:頬などを指でつまんだとき。
例文:ほっぺをちみくったら、痛かった。→ 頬をつまんだら、痛かった。
35. こわい
意味:硬い。遠州などで、ご飯や食べ物の硬さをいう用法がある。
使う場面:炊き上がりを確かめるとき。
例文:今日のご飯、少しこわいね。→ 今日のご飯、少し硬いね。
36. ぶしょったい
意味:だらしない、汚らしい、身なりが整っていない。相手への評価にすると失礼になりやすい。
使う場面:自分の服装を見直すとき。
例文:襟がよれて、ぶしょったい格好になっちゃった。→ 襟がよれて、だらしない格好になってしまった。
37. やぶせったい
意味:うっとうしい、わずらわしい。
使う場面:伸びた髪などが邪魔に感じるとき。
例文:前髪が目に入って、やぶせったい。→ 前髪が目に入って、うっとうしい。
38. やっきりする
意味:いらいらする、腹が立つ。
使う場面:物事がうまく進まないとき。
例文:何度やってもふたが開かなくて、やっきりする。→ 何度やってもふたが開かなくて、いらいらする。
39. ちょびちょびする
意味:余計な口や手を出す、ちょっかいを出す。少量ずつという意味ではない。
使う場面:作業に横から手を出す人にいうとき。
例文:今、数えてるで、ちょびちょびしないで。→ 今、数えているから、横からちょっかいを出さないで。
40. ひずるしい(ひどろしい・ひずらしい)
意味:まぶしい。地域によって音が変わる。
使う場面:強い光が目に入ったとき。
例文:西日がひずるしいで、カーテン閉めよう。→ 西日がまぶしいから、カーテンを閉めよう。
41. じゅるい
意味:地面がぬかるんでいる。
使う場面:雨の後の道を歩くとき。
例文:畑の入り口、まだじゅるいよ。→ 畑の入り口、まだぬかるんでいるよ。
42. 線引き
意味:定規、物差し。静岡で日用品の名前として使われる。
使う場面:長さを測る道具を借りるとき。
例文:封筒の幅を測りたいで、線引き貸して。→ 封筒の幅を測りたいから、定規を貸して。
43. こずむ
意味:液体の中の粉などが底に沈んでたまる。
使う場面:飲み物を混ぜ直すとき。
例文:底に粉がこずんでるで、もう一度混ぜて。→ 底に粉が沈んでいるから、もう一度混ぜて。
44. のっくむ
意味:飲み込む。
使う場面:口の中の物を飲み込んだと話すとき。
例文:種までのっくんじゃった。→ 種まで飲み込んでしまった。
45. ぼっこ(ぼっこい)
意味:古びた物、ぼろ。形容詞の「ぼっこい」は古くて傷んでいる様子。
使う場面:使い古した物を見せるとき。
例文:このぼっこい箱、道具入れにしよう。→ この古びた箱、道具入れにしよう。
46. いみり(いみ)
意味:ひび、裂け目。静岡中部や遠州などに伝わる。
使う場面:器の傷を見つけたとき。
例文:湯飲みにいみりが入ってた。→ 湯飲みにひびが入っていた。
47. とじかる(とかじる)
意味:髪や糸などが絡まる。静岡・焼津周辺で見られる言い方。
使う場面:もつれた物をほどくとき。
例文:糸がとじかっちゃって、ほどけない。→ 糸が絡まってしまって、ほどけない。
48. ばっとく
意味:席や場所を取っておく。静岡市周辺の言い方で、西部などでは通じないこともある。
使う場面:待ち合わせ相手の席を確保したとき。
例文:窓側の席、ばっといたよ。→ 窓側の席、取っておいたよ。
49. せつない
意味:体が苦しい、窮屈だ。静岡市や旧岡部町などで記録される用法。
使う場面:食べ過ぎなどの体の苦しさを話すとき。
例文:食べ過ぎて、おなかがせつない。→ 食べ過ぎて、おなかが苦しい。
50. ひやかす
意味:水に浸ける。焼津などでは、からかう意味とは別に使う。
使う場面:洗い物の準備をするとき。
例文:その鍋、先にひやかしといて。→ その鍋、先に水に浸けておいて。
51. ぽんぽん
意味:オートバイ。焼津などに伝わる呼び名。
使う場面:昔の移動手段について話すとき。
例文:父は若い頃、ぽんぽんで通ってた。→ 父は若い頃、オートバイで通っていた。
52. とんじゃかない
意味:気にしない、構わない。
使う場面:少々の違いを気にしないと伝えるとき。
例文:色が少し違っても、とんじゃかないよ。→ 色が少し違っても、気にしないよ。
静岡弁の語尾|だら・ずら・だに・けんの使い方
確認の「〜だら」、誘いの「〜ざあ」、遠州の「〜だに」。語尾と、会話をつなぐ言い方を例文で紹介します。
53. 〜だら・〜ら
意味:〜でしょう、〜だろう。確認や推測を表す代表的な語尾。
使う場面:相手に見込みを確かめるとき。
例文:この道なら、駅まで近いら?→ この道なら、駅まで近いでしょう?
54. 〜ずら
意味:〜だろう、〜でしょう。地域や世代によって使い方に差がある。
使う場面:先のことを推測するとき。
例文:夕方には雨もやむずら。→ 夕方には雨もやむだろう。
55. 〜だもんで
意味:〜だから、〜なので。理由を説明して、次の話へつなぐ。
使う場面:予定を変える理由を話すとき。
例文:明日は仕事だもんで、今日は早く帰るよ。→ 明日は仕事だから、今日は早く帰るよ。
56. 〜けん(〜けえが・〜けんが)
意味:〜けれど、〜けど。静岡では逆接に使う用法があり、九州などの「〜だから」とは違う。
使う場面:予想と違う結果を話すとき。
例文:探したけん、見つからなかった。→ 探したけれど、見つからなかった。
57. 〜だに(〜に)
意味:〜だよ、〜なんだよ。遠州などで、相手に知らせたり念を押したりする語尾。
使う場面:大切な予定を伝えるとき。
例文:集合は九時だに。→ 集合は九時だよ。
58. 〜だか
意味:〜なのか、〜の? 相手に尋ねる形。
使う場面:行き先や予定を聞くとき。
例文:今日は何を作るだか?→ 今日は何を作るの?
59. 〜だかしん
意味:〜なのかな、〜だろうか。静岡中部などで、疑問や独り言に添える。
使う場面:到着時刻が気になったとき。
例文:お客さん、何時に来るだかしん。→ お客さん、何時に来るのかな。
60. 〜さ(勧める言い方)
意味:〜してね、〜しなさい。動詞に付けて勧めたり促したりする。
使う場面:相手に休憩を勧めるとき。
例文:疲れたら、ここで休むさ。→ 疲れたら、ここで休んでね。
61. 〜ざあ
意味:〜しよう。静岡市周辺などで使う誘いの形。
使う場面:一緒に行動しようと声を掛けるとき。
例文:暗くなる前に帰らざあ。→ 暗くなる前に帰ろう。
62. 〜まい・〜まいか
意味:〜しよう、〜しようか。遠州などの勧誘で、「やらまいか」は「やろうじゃないか」。
使う場面:仲間を誘うとき。
例文:天気もいいで、歩いて行かまい。→ 天気もいいから、歩いて行こう。
63. 〜さら
意味:〜ごと。静岡西部などで、容器や付属物も含めるときに使う。
使う場面:中身を移さず持ってくるよう頼むとき。
例文:ミカン、かごさら持ってきて。→ ミカンを、かごごと持ってきて。
64. 〜だっちょう
意味:〜だそうだ。焼津に伝わる、聞いた話を伝える言い方。
使う場面:人から聞いた予定を話すとき。
例文:来週、商店街で市があるだっちょう。→ 来週、商店街で市があるそうだ。
静岡県東部の方言|富士市などの言葉
東部のうち、富士市で使われる言葉を中心に紹介します。沼津・三島や伊豆まで、東部全体で同じ言い方になるわけではありません。
65. えーかん(いーかん)
意味:だいぶ、かなり。富士市などで使う。
使う場面:作業の進み具合を話すとき。
例文:荷ほどき、えーかん進んだね。→ 荷ほどき、だいぶ進んだね。
66. したべら(したべろ)
意味:舌。富士市などで見られる呼び方。
使う場面:熱い物を食べた後など。
例文:急いで飲んで、したべらをやけどしちゃった。→ 急いで飲んで、舌をやけどしてしまった。
67. たこる
意味:さぼる。富士市などの言い方。
使う場面:やるはずの仕事を休んだと話すとき。
例文:草取りをたこったら、庭が草だらけになった。→ 草取りをさぼったら、庭が草だらけになった。
68. さもにゃー
意味:大したことはない、それほどでもない。富士市などで使う。
使う場面:負担が軽かったと伝えるとき。
例文:箱は大きいけど、重さはさもにゃーよ。→ 箱は大きいけど、重さは大したことないよ。
69. とびっくら(とびっこ)
意味:かけっこ、走る競争。富士市のほか焼津などにも見られる。
使う場面:子どもの遊びや運動会を話題にするとき。
例文:とびっくらで、初めて一番になったよ。→ かけっこで、初めて一番になったよ。
70. こば(こばっちょ)
意味:端、ふち。富士市などで使う。
使う場面:置いた物が落ちそうなとき。
例文:コップが机のこばに寄ってるよ。→ コップが机の端に寄っているよ。
71. のつのつする
意味:食べ物が口の中でもたつき、飲み込みにくい。富士市などの表現。
使う場面:水分の少ない物を食べるとき。
例文:このお菓子、のつのつするでお茶が欲しい。→ このお菓子、飲み込みにくいからお茶が欲しい。
72. ささらほーさら
意味:めちゃくちゃ、ひどく散らかった状態。富士市などで使う。
使う場面:片付いていない部屋などを見たとき。
例文:引っ越しの途中で、部屋がささらほーさらだ。→ 引っ越しの途中で、部屋がめちゃくちゃだ。
73. くっくして
意味:苦労して、やっとのことで。富士市などに伝わる表現。
使う場面:大変だった作業を振り返るとき。
例文:くっくして、大きな棚を二階へ上げた。→ 苦労して、大きな棚を二階へ上げた。
74. おこうこ(おこーこ)
意味:漬物。富士市などで使われ、県外にも同様の呼び方がある。
使う場面:食卓に漬物を添えるとき。
例文:おこうこも小皿に出そうか。→ 漬物も小皿に出そうか。
75. 〜じゃんね
意味:〜なんだよね、〜なんですよね。富士市などで、事情を相手に説明する言い方。
使う場面:次の話の前提を伝えるとき。
例文:明日は店が休みじゃんね。今日のうちに買おう。→ 明日は店が休みなんだよね。今日のうちに買おう。
静岡県中部の方言|静岡市・焼津などの言葉
静岡市・焼津周辺の言葉です。「ばんげんしま」など、昔の暮らしの中で使われてきた表現も含めています。
76. おだっくい
意味:お調子者、ひょうきんな人。静岡中部で、ふざけて人を笑わせる人などをいう。
使う場面:宴会などで場を盛り上げる人を話すとき。
例文:兄はおだっくいで、写真でも変な顔をする。→ 兄はお調子者で、写真でも変な顔をする。
77. しょろしょろ
意味:のろのろ、もたもた。焼津などの言い方。
使う場面:支度が進まない様子をいうとき。
例文:しょろしょろしてたら、朝のバスに遅れた。→ もたもたしていたら、朝のバスに遅れた。
78. はだって
意味:わざと、故意に。焼津などで使われ、遠州にも見られる。
使う場面:偶然ではないと説明するとき。
例文:目印になるように、はだって色を変えた。→ 目印になるように、わざと色を変えた。
79. がらいか
意味:うっかり、誤って。静岡中部などに伝わる。
使う場面:意図せずしてしまった失敗を話すとき。
例文:がらいか、消すつもりのない線まで消した。→ うっかり、消すつもりのない線まで消した。
80. かーばる
意味:乾いてこびり付く。静岡・焼津周辺などで使う。
使う場面:食器などの汚れを落とすとき。
例文:鍋の底に、ご飯がかーばっちゃった。→ 鍋の底に、ご飯が乾いてこびり付いてしまった。
81. せちがう
意味:ねだる、せがむ。静岡中部などの言い方。
使う場面:欲しい物を繰り返し頼むとき。
例文:子どもに新しい自転車をせちがわれた。→ 子どもに新しい自転車をねだられた。
82. おおぼったい
意味:重苦しい、腫れぼったい。静岡中部などで体の感覚を表す。
使う場面:まぶたの重さなどを話すとき。
例文:寝起きで、目がおおぼったい。→ 寝起きで、まぶたが腫れぼったい。
83. やいやい
意味:ああ、やれやれ。困ったときや驚いたときに出る感嘆の言葉。
使う場面:思いがけない失敗に気付いたとき。
例文:やいやい、傘を店に忘れてきた。→ ああ、傘を店に忘れてきた。
84. ばんげんしま
意味:夕方、日が沈む頃。焼津に伝わる昔ながらの時刻の表現。
使う場面:訪ねる時刻を大まかに伝えるとき。
例文:ばんげんしまに、野菜を届けるよ。→ 夕方に、野菜を届けるよ。
85. ひっちばる
意味:結ぶ、しばる。焼津などで使う。
使う場面:ひもを結んでまとめるとき。
例文:新聞をひっちばって、玄関に置いた。→ 新聞をひもでしばって、玄関に置いた。
静岡県西部の方言|浜松・磐田・小笠地域などの遠州弁
西部で使われる遠州弁から、暮らしの言葉を紹介します。「けった」のように天竜川の東西で使用に差がある語や、小笠地域に伝わる呼び方もあります。
86. けった(けったあ)
意味:自転車。遠州でも特に天竜川より西側などで使われる。
使う場面:近所へ行く手段を話すとき。
例文:図書館までは、けったで十分だよ。→ 図書館までは、自転車で十分だよ。
87. どべ
意味:最下位、びり。遠州のほか愛知などにも見られる。
使う場面:競争やゲームの順位を話すとき。
例文:最初はどべだったけど、二人抜いたよ。→ 最初はびりだったけど、二人抜いたよ。
88. くろ
意味:隅、端。遠州の小笠地域などで使う。
使う場面:物を置く場所を伝えるとき。
例文:その箱は部屋のくろに寄せといて。→ その箱は部屋の隅に寄せておいて。
89. せど
意味:家の裏、裏手。小笠地域などに伝わる言葉。
使う場面:家の裏側へ回るとき。
例文:せどに物干しがあるよ。→ 家の裏に物干しがあるよ。
90. おうど
意味:庭。遠州の小笠地域などに伝わる呼び方。
使う場面:庭での用事を話すとき。
例文:おうどの落ち葉を集めてくる。→ 庭の落ち葉を集めてくる。
91. いみんぞ
意味:溝、水が流れる細い溝。小笠地域などの呼び方。
使う場面:道端や家の周りを掃除するとき。
例文:いみんぞに葉っぱが詰まってる。→ 溝に葉っぱが詰まっている。
92. いらう
意味:触る、いじる。遠州の小笠地域などで使い、県外にも広く見られる。
使う場面:触らないでほしい物を示すとき。
例文:塗りたてだで、まだいらわんで。→ 塗りたてだから、まだ触らないで。
93. ごせっぽい
意味:すっきりして気持ちがよい。遠州や静岡中部などで使う。
使う場面:ひと仕事を終えた後の気分を話すとき。
例文:物置が片付いて、ごせっぽくなった。→ 物置が片付いて、すっきりした。
94. おえん
意味:駄目だ、よくない。遠州などで使う否定の言い方。
使う場面:うまくいかない状態を伝えるとき。
例文:この方法ではおえん。別の道具にしよう。→ この方法では駄目だ。別の道具にしよう。
95. いがむ
意味:ゆがむ、曲がる。遠州などで使う。
使う場面:形のゆがみに気付いたとき。
例文:棚の板がいがんできたね。→ 棚の板がゆがんできたね。
96. あいさ
意味:間、隙間。遠州に伝わる言葉。
使う場面:物と物の隙間を指すとき。
例文:棚のあいさに、封筒が落ちていた。→ 棚の隙間に、封筒が落ちていた。
97. ほそば
意味:イヌマキの木。遠州では生け垣などの木の名前として使われる。
使う場面:庭木の手入れを話すとき。
例文:ほそばが伸びたで、枝をそろえよう。→ イヌマキが伸びたから、枝をそろえよう。
98. ひぼ
意味:ひも。遠州などに伝わる呼び方。
使う場面:結ぶためのひもを探すとき。
例文:袋を結びたいで、ひぼを一本ちょうだい。→ 袋を結びたいから、ひもを一本ちょうだい。
99. いぼる
意味:ぬかるみに足などが沈み込む。遠州で使われる。
使う場面:泥の中に足を取られたとき。
例文:田んぼの端で、長靴がいぼっちゃった。→ 田んぼの端で、長靴が泥に沈み込んでしまった。
100. なりき
意味:無造作、いい加減。遠州の小笠地域などに伝わる言い方。
使う場面:扱いが雑だったと振り返るとき。
例文:なりきに詰めたら、箱の中で崩れた。→ いい加減に詰めたら、箱の中で崩れた。
まとめ
聞いたことのある言葉や、意外な意味の方言はありましたか? 「ばか甘い」とおいしさを伝えたり、「しょんない」と気持ちを切り替えたり。静岡の言葉は、短いひと言にも表情があって面白いですね^^ 東部・中部・西部で呼び方が変わるところも、静岡弁の魅力だと思います。