愛知県の方言には、「おいでん」「もうやっこ」のようなかわいい言葉や、「ときんときん」「けった」といった面白い表現があります。「机をつる」「鍵をかう」など、意味を知らないと戸惑う言葉もありますね^^
名古屋・尾張と三河の方言100選を、種類別に意味と例文付きで紹介します。
言葉から探す(50音順)
- あかる
- あまたらこい
- あんき
- いきる
- いざらかす
- いざる
- いね
- いんちゃん
- 笑む(えむ)
- えらい
- おいでん
- 往生こく(おうじょうこく)
- おくれん
- おそがい
- おとましい
- おぼこい(おぼっこい)
- おぼわる
- かう(鍵をかう)
- かす(米をかす)
- かんこうする
- きーない
- きんのう(きんにょう)
- ぐろ(くろ)
- けっこい
- けった(けったマシーン)
- 〜げな
- けなるい(けなりい)
- こっすい(こすい)
- ごぶれいします
- こやあ
- こわい
- こわける
- こんきい(こんきー)
- こんきと
- さばくる
- さむぼろ
- さらくがいい
- ざら板(ざらいた)
- 〜してちょう(〜してちょー)
- 〜じゃん
- じゅるい
- 〜せん(〜やせん)
- せんしょ
- 〜ぞん
- 〜だがね
- 〜だがや
- だだくさ
- 〜だに
- 〜だもんで(〜だで)
- 〜だら
- たわけ(たーけ)
- ちいと
- ちみきる(ちみくる)
- ちゃっと
- ちんちん(ちんちこちん)
- つくねる
- つる(机をつる)
- つんつん
- でら(どえらい)
- てんぐるま
- ときんときん
- どべ
- 〜とる
- なぶる
- なまかわ
- 〜なも
- なんご
- ぬくとい
- ねぶる
- 〜のん
- ぱーぱー
- はさかる
- はしゃぐ
- ひしゃける
- ひずるい(ひずるしい)
- びたびた
- ひやかす
- ふちゃる
- ほい
- ぼう
- 放課(ほうか)
- ほかる
- ぼっさい
- 〜まい(行こまい)
- まっと
- まっぺん(もっぺん)
- まわし
- みえる
- めっそ(めっそう)
- めんぼ
- もうはい(まあはい)
- もうやっこ(もーやっこ)
- 〜やあ(食べやあ)
- やぐい
- やけずる
- やっとかめ
- ようけ
- らんごく
- 〜りん
- わや
愛知のかわいい言葉・親しみのある表現10選
1. やっとかめ
意味:久しぶり。
使う場面:しばらく会っていなかった知人に声をかけるとき。
例文:やっとかめだね。前に会ったの、桜の季節だったね。→ 久しぶりだね。前に会ったのは桜の季節だったね。
名古屋・尾張を代表する、昔ながらの挨拶です。
2. おぼこい(おぼっこい)
意味:幼さが残っている、あどけない。
使う場面:子どもの表情や、まだ幼く見える姿について話すとき。
例文:この写真のころは、まだおぼこい顔しとるね。→ この写真のころは、まだあどけない顔をしているね。
尾張・三河など。「かわいい」だけでなく、経験が浅いという含みもあります。
3. こやあ
意味:おいで、来なさい。
使う場面:親しい人を自分のいる場所へ呼ぶとき。
例文:こっちこやあ。窓から虹が見えるよ。→ こっちへおいで。窓から虹が見えるよ。
名古屋・尾張の言い方。「こやー」とも書きます。
4. おいでん
意味:おいで、来てね。
使う場面:友人や家族を家や集まりへ誘うとき。
例文:土曜の午後、うちへおいでん。一緒にパン焼こう。→ 土曜の午後、うちへおいで。一緒にパンを焼こう。
三河で親しまれる呼びかけです。
5. 〜してちょう(〜してちょー)
意味:〜してほしい、〜してちょうだい。
使う場面:身近な相手に頼みごとをするとき。
例文:その写真、あとで送ってちょう。→ その写真を、あとで送ってちょうだい。
名古屋・尾張。「ちょう」を伸ばす表記もあります。
6. 〜なも
意味:〜ですね、〜ねえ。
使う場面:穏やかに話しかけたり、相手と感想を分かち合ったりするとき。
例文:庭の梅が、今年も咲いたなも。→ 庭の梅が、今年も咲きましたね。
名古屋の伝統的な語尾。現在の日常会話で誰もが使う表現ではありません。
7. ぬくとい
意味:温かい、暖かい。
使う場面:日なたや寝具などの心地よい温かさを伝えるとき。
例文:干した毛布、まだぬくといね。→ 干した毛布が、まだ温かいね。
尾張・三河のほか、愛知県外でも使われます。
8. もうやっこ(もーやっこ)
意味:分け合うこと、一緒に使うこと。
使う場面:一つのものを独り占めせず共有するとき。
例文:この色鉛筆は、二人でもうやっこね。→ この色鉛筆は、二人で一緒に使おうね。
名古屋・尾張など。食べ物を分ける場合にも使います。
9. けっこい
意味:きれいだ、美しい。
使う場面:花や装いなどを見て、きれいだと感じたとき。
例文:けっこい花束だね。玄関に飾ろうか。→ きれいな花束だね。玄関に飾ろうか。
三河の言葉。「結構です」という断りの意味ではありません。
10. おくれん
意味:ちょうだい、ください。
使う場面:物を分けてもらったり、手渡してもらったりするとき。
例文:青い折り紙も一枚おくれん。→ 青い折り紙も一枚ちょうだい。
東三河・田原など。「送れない」という意味とは文脈で区別します。
意味や響きが面白い愛知の方言12選
11. けった(けったマシーン)
意味:自転車。
使う場面:近場へ出かける手段や、通学の話をするとき。
例文:駅までなら、けったで十分だね。→ 駅までなら、自転車で十分だね。
名古屋・尾張など。長い呼び方の「けったマシーン」も同じものです。
12. ときんときん
意味:先が細く鋭くとがっている様子。
使う場面:削った鉛筆などの先端を見たとき。
例文:ときんときんに削ったで、細い線も描けるよ。→ 先を鋭くとがらせたから、細い線も描けるよ。
名古屋・尾張など。「とっきんとっきん」は強めた言い方です。
13. ちんちん(ちんちこちん)
意味:触れるとやけどしそうなほど熱い。
使う場面:沸かした湯や、熱を持った器について話すとき。
例文:この鉄板、まだちんちんだで、鍋つかみ使ってね。→ この鉄板はまだとても熱いから、鍋つかみを使ってね。
尾張・三河など。熱さを表す方言としての用法です。
14. ぱーぱー
意味:戸や窓などを開けたままにしている様子。
使う場面:扉が閉まっていないことを知らせるとき。
例文:玄関がぱーぱーだよ。風で開いたのかな。→ 玄関が開けっ放しだよ。風で開いたのかな。
名古屋・尾張などで聞かれる表現です。
15. びたびた
意味:水を含んで、すっかり濡れている様子。
使う場面:雨や水仕事で衣服などが濡れたとき。
例文:水をこぼして、靴下までびたびたになった。→ 水をこぼして、靴下までびっしょり濡れた。
名古屋・尾張など。「びったびた」と強めることもあります。
16. どべ
意味:いちばん最後、最下位。
使う場面:競争の順位や並び順を話すとき。
例文:くじを引く順番、今日は私がどべだね。→ くじを引く順番は、今日は私が最後だね。
愛知のほか、周辺地域でも使われます。
17. 放課(ほうか)
意味:学校の授業と授業の間の休み時間。
使う場面:次の授業までの過ごし方を話すとき。
例文:次の放課に、図書室の本を返してくる。→ 次の休み時間に、図書室の本を返してくる。
愛知の学校で聞かれる地域語。「放課後」とは時間帯が違います。
18. いんちゃん
意味:じゃんけん。
使う場面:順番や役割を決めるとき。
例文:窓側に座る人、いんちゃんで決めよまい。→ 窓側に座る人を、じゃんけんで決めよう。
名古屋・尾張の昔ながらの呼び方。掛け声には違いがあります。
19. ざら板(ざらいた)
意味:すのこ状の板。
使う場面:学校の出入口や水回りに敷く板について話すとき。
例文:靴を脱いだら、そこのざら板に上がってね。→ 靴を脱いだら、そこのすのこに上がってね。
名古屋・尾張などの呼び名です。
20. さむぼろ
意味:寒さなどで皮膚に立つ鳥肌。
使う場面:冷たい風に当たって肌がぶつぶつしたとき。
例文:夕方の風に当たったら、腕にさむぼろが立った。→ 夕方の風に当たったら、腕に鳥肌が立った。
名古屋・尾張など。地域によって「さぶぼろ」ともいいます。
21. めんぼ
意味:ものもらい。
使う場面:まぶたの腫れものについて日常の会話で話すとき。
例文:写真のころ、右目にめんぼができとったんだわ。→ 写真のころ、右目にものもらいができていたんだよ。
名古屋・尾張などでの呼び名です。
22. つんつん
意味:服の丈などが短く、体に対して小さくなった様子。
使う場面:成長して袖や裾が足りなくなったとき。
例文:去年の上着、袖がつんつんになったね。→ 去年の上着は、袖が短くなったね。
名古屋周辺の用法。機嫌の悪い態度を表す「つんつん」とは別です。
暮らしでよく使う方言・動作の言葉18選
23. つる(机をつる)
意味:持ち上げて運ぶ。
使う場面:掃除や模様替えで机などを移動させるとき。
例文:この机、一緒につってくれる? 奥へ置きたいんだわ。→ この机を一緒に運んでくれる? 奥へ置きたいんだよ。
尾張・三河で聞かれます。天井からぶら下げる意味ではありません。
24. かう(鍵をかう)
意味:鍵をかける、施錠する。
使う場面:外出前や戸締まりの確認をするとき。
例文:裏口の鍵もかったで、出かけられるよ。→ 裏口にも鍵をかけたから、出かけられるよ。
尾張・三河など。「鍵を買う」ことではありません。
25. ほかる
意味:捨てる。
使う場面:いらなくなった物を処分するとき。
例文:その包装紙はほかって、中のカードだけ残しといて。→ その包装紙は捨てて、中のカードだけ残しておいて。
尾張・三河など。「ほかっておく」は放置する意味にもなります。
26. なぶる
意味:手で触る、いじる。
使う場面:物に触れたり、機械を操作したりするとき。
例文:設定はなぶっとらんよ。音量を変えただけ。→ 設定はいじっていないよ。音量を変えただけ。
名古屋・尾張などでは、相手をいたぶる意味を伴わずに使います。
27. いざらかす
意味:場所をずらす、動かす。
使う場面:置いてある物を少し移して空間を作るとき。
例文:椅子を少しいざらかして、通り道を空けよまい。→ 椅子を少しずらして、通り道を空けよう。
名古屋・尾張の言い方です。
28. まわし
意味:準備、支度。
使う場面:外出や仕事に取りかかる用意をするとき。
例文:明日の弁当のまわし、今夜のうちにしとくね。→ 明日の弁当の準備を、今夜のうちにしておくね。
名古屋・尾張の昔ながらの用法。「まわしをする」といいます。
29. みえる
意味:いらっしゃる。来る・いるなどの尊敬表現。
使う場面:先生や来客の所在、到着を話すとき。
例文:先生はもうみえる? 先に挨拶したいんだけど。→ 先生はもういらっしゃる? 先に挨拶したいんだけど。
尾張・三河など。目に見えるという意味だけではありません。
30. おぼわる
意味:覚えられる、自然と身につく。
使う場面:繰り返すうちに手順や言葉が頭に入ったとき。
例文:毎朝聞いとったら、歌詞がおぼわったわ。→ 毎朝聞いていたら、歌詞を覚えたよ。
名古屋・尾張などで聞かれる言い方です。
31. あかる
意味:液体などがこぼれる。
使う場面:器から中身が外へ出てしまったとき。
例文:ふたが緩くて、かばんの中にお茶があかってまった。→ ふたが緩くて、かばんの中にお茶がこぼれてしまった。
尾張の言葉。明るくなるという意味ではありません。
32. つくねる
意味:物を無造作に積む、重ねて置く。
使う場面:衣類や紙などをひとまとめに置くとき。
例文:読み終わった雑誌は、そこにつくねといて。→ 読み終わった雑誌は、そこに重ねて置いておいて。
尾張・三河など。肉を丸める意味とは別の用法です。
33. はさかる
意味:物と物の間に挟まる。
使う場面:食べ物や小物が隙間に入り込んだとき。
例文:歯の間に、ごまがはさかっとる気がする。→ 歯の間に、ごまが挟まっている気がする。
名古屋・尾張などで聞かれます。
34. ひしゃける
意味:押されたりして、つぶれる。
使う場面:箱などの形が崩れてしまったとき。
例文:重い荷物の下で、空き箱がひしゃけとった。→ 重い荷物の下で、空き箱がつぶれていた。
尾張・三河などにある言い方です。
35. ぼう
意味:追う、追い払う。
使う場面:寄ってきた虫などを遠ざけるとき。
例文:お菓子にハエが寄ってきたで、うちわでぼって。→ お菓子にハエが寄ってきたから、うちわで追い払って。
尾張・三河などの昔ながらの言葉です。
36. ねぶる
意味:舌でなめる。
使う場面:食べ物や動物の動きを話すとき。
例文:犬が空っぽの皿を、まだねぶっとる。→ 犬が空っぽの皿を、まだなめている。
愛知だけでなく、ほかの地域にもある語です。
37. こわける
意味:壊れる。
使う場面:道具やおもちゃなどが使えなくなったとき。
例文:傘の留め具がこわけて、閉じても広がっちゃう。→ 傘の留め具が壊れて、閉じても広がってしまう。
尾張・三河など。「小分けにする」とは別の言葉です。
38. ひやかす
意味:冷たくする、冷やす。
使う場面:飲み物などを冷やしておくとき。
例文:来客用の麦茶、冷蔵庫でひやかしといたよ。→ 来客用の麦茶は、冷蔵庫で冷やしておいたよ。
名古屋周辺などの用法。からかう意味の「冷やかす」と区別します。
39. かす(米をかす)
意味:米をとぐ。
使う場面:炊飯の下ごしらえをするとき。
例文:米をかしとくで、おかずの用意を頼むね。→ 米をといでおくから、おかずの用意を頼むね。
名古屋・尾張などの言い方です。
40. かんこうする
意味:考えて工夫する、方法を検討する。
使う場面:すぐには決めず、やり方を考えるとき。
例文:棚が入らんのか。置き方をかんこうしてみるわ。→ 棚が入らないのか。置き方を工夫してみるよ。
名古屋・尾張の昔ながらの言い方。観光することではありません。
気持ち・体調・状態を表す方言12選
41. えらい
意味:体がだるい、疲れてつらい。
使う場面:休みたいほど体に負担を感じたとき。
例文:階段を何往復もしたら、足がえらくなった。→ 階段を何往復もしたら、足が疲れてつらくなった。
尾張・三河など。立派だと褒める「偉い」とは別の意味です。
42. おそがい
意味:怖い、恐ろしい。
使う場面:暗い場所や不気味な音に怖さを感じたとき。
例文:誰もおらんはずなのに物音がして、おそがかった。→ 誰もいないはずなのに物音がして、怖かった。
尾張・三河などに伝わる言葉です。
43. あんき
意味:安心できること、気楽なこと。
使う場面:心配がなくなって気持ちが落ち着いたとき。
例文:迎えに来てもらえるなら、帰りはあんきだわ。→ 迎えに来てもらえるなら、帰りは安心だよ。
名古屋・尾張など。「暗記」とは別の意味です。
44. 往生こく(おうじょうこく)
意味:困る、手間がかかって苦労する。
使う場面:予定どおりに進まず、対応に困ったとき。
例文:鍵が見つからんで、朝から往生こいたわ。→ 鍵が見つからなくて、朝から困ったよ。
尾張・三河など。「おうじょこく」と短くなることもあります。
45. わや
意味:台無し、めちゃくちゃな状態。
使う場面:準備や予定が崩れてしまったとき。
例文:データが消えて、半日かけた作業がわやだわ。→ データが消えて、半日かけた作業が台無しだよ。
名古屋・尾張のほか、関西などにもある言葉です。
46. だだくさ
意味:扱いが雑で、いい加減な様子。
使う場面:物をぞんざいに扱うことについて話すとき。
例文:だだくさに詰めたら、せっかくの花が傷むよ。→ 雑に詰めたら、せっかくの花が傷むよ。
尾張・三河など。無駄遣いの意味になる場合もあります。
47. こっすい(こすい)
意味:ずるい、抜け目なく自分だけ得をする。
使う場面:不公平なやり方に不満を感じたとき。
例文:自分だけ答え見とったの? それはこっすいわ。→ 自分だけ答えを見ていたの? それはずるいよ。
愛知県外でも使われます。相手を非難する響きがあります。
48. なまかわ
意味:怠けること、手を抜くこと。
使う場面:面倒がって仕事を後回しにしているとき。
例文:なまかわして洗濯ためたら、干す場所がなくなった。→ 怠けて洗濯物をためたら、干す場所がなくなった。
名古屋・尾張など。「なまかわする」という形でも使います。
49. たわけ(たーけ)
意味:ばか、愚かな人や行い。
使う場面:腹を立てて相手を叱ったり、失敗を責めたりするとき。
例文:雨の中に書類置くなんて、たわけだなあ。→ 雨の中に書類を置くなんて、ばかだなあ。
尾張・三河などの強い言い方。親しげな口調でも悪口になり得ます。
50. こわい
意味:食べ物などが硬い。
使う場面:炊いた米などの硬さを話すとき。
例文:水が少なかったかな。今日のご飯、ちょっとこわいね。→ 水が少なかったかな。今日のご飯は、ちょっと硬いね。
名古屋周辺などの用法。恐怖を表す意味とは異なります。
51. やぐい
意味:作りや強度が弱く、頼りない。
使う場面:道具や建物などの丈夫さを見たとき。
例文:この台はやぐいで、重い鉢は載せんほうがいい。→ この台は強度が弱いから、重い鉢は載せないほうがいい。
尾張・三河など。三河では体の弱さに使う場合もあります。
52. ぼっさい
意味:古びている、見た目がくたびれている。
使う場面:長く使った物の外観について話すとき。
例文:ぼっさい袋だけど、持ち手はまだ丈夫なんだわ。→ 古びた袋だけど、持ち手はまだ丈夫なんだよ。
名古屋・尾張など。物の見た目についての用法です。
量・程度・時間を表す方言10選
53. でら(どえらい)
意味:とても、ものすごく。
使う場面:大きさやおいしさなどを強く伝えるとき。
例文:この桃、でら甘い。何もかけんでいいね。→ この桃はとても甘い。何もかけなくていいね。
名古屋・尾張の代表的な強調表現。関連する「どえらい」もここにまとめています。
54. まっと
意味:もっと。
使う場面:量を増やしたり、程度を強めたりしてほしいとき。
例文:照明をまっと明るくすると、文字が読みやすいね。→ 照明をもっと明るくすると、文字が読みやすいね。
尾張・三河などで聞かれます。
55. まっぺん(もっぺん)
意味:もう一度。
使う場面:聞き直したり、同じことをやり直したりするとき。
例文:最後の番号だけ、まっぺん教えてくれる?→ 最後の番号だけ、もう一度教えてくれる?
名古屋・尾張など。「まあ一遍」に通じる言い方です。
56. もうはい(まあはい)
意味:もう、すでに。
使う場面:思ったより早く物事が進んでいるとき。
例文:もうはい片付いたの? 私も手伝うつもりだったのに。→ もう片付いたの? 私も手伝うつもりだったのに。
名古屋・尾張などで聞かれる言い方です。
57. ようけ
意味:たくさん。
使う場面:物の量や人数が多いとき。
例文:今年は庭の柿がようけ実ったで、少し持ってって。→ 今年は庭の柿がたくさん実ったから、少し持っていって。
愛知のほか、関西などにも広がる言葉です。
58. きんのう(きんにょう)
意味:昨日。
使う場面:前の日の出来事を話すとき。
例文:きんのう借りた傘、玄関に置いとくね。→ 昨日借りた傘を、玄関に置いておくね。
尾張・三河など。田原では「きんにょう」の形も見られます。
59. ちゃっと
意味:急いで、すぐに。
使う場面:時間をかけず行動してほしいとき。
例文:雨が来そうだで、洗濯物をちゃっと入れよまい。→ 雨が降りそうだから、洗濯物を急いで取り込もう。
尾張・三河など。少量を表す「ちょっと」とは違います。
60. ちいと
意味:少し、ちょっと。
使う場面:時間や量を少なめに表すとき。
例文:塩をちいと足したら、味が決まったね。→ 塩を少し足したら、味が決まったね。
愛知だけでなく、ほかの地域にもある言い方です。
61. めっそ(めっそう)
意味:目分量、おおよその見当。
使う場面:きっちり量らずに分量を決めるとき。
例文:煮物の砂糖は、いつもめっそで入れとるよ。→ 煮物の砂糖は、いつも目分量で入れているよ。
尾張・三河など。「滅相もない」とは別の用法です。
62. あまたらこい
意味:甘みが強すぎる、甘ったるい。
使う場面:菓子や飲み物の甘さが口に残るとき。
例文:シロップ入れすぎたかな。ちょっとあまたらこいわ。→ シロップを入れすぎたかな。ちょっと甘ったるいよ。
名古屋・尾張など。単においしく甘いという褒め言葉ではありません。
名古屋弁・尾張弁の語尾と挨拶8選
名古屋市周辺を含む尾張の言い方です。三河と共通する表現もあります。
63. 〜だがね
意味:〜だよ、〜だよね。
使う場面:相手に知らせたり、同意を求めたりするとき。
例文:集合場所は、駅の西口だがね。→ 集合場所は、駅の西口だよ。
名古屋・尾張。口調によって念押しの強さが変わります。
64. 〜だがや
意味:〜じゃないか、〜だなあ。
使う場面:気づいたことを強く言ったり、驚きを表したりするとき。
例文:探しとった本、こんなところにあったがや。→ 探していた本が、こんなところにあったじゃないか。
名古屋・尾張の語尾。「だがね」と同じ場面で機械的に置き換えられるわけではありません。
65. 〜まい(行こまい)
意味:〜しよう。
使う場面:相手を誘って、一緒に行動しようとするとき。
例文:混む前に、昼ご飯を食べに行こまい。→ 混む前に、昼ご飯を食べに行こう。
尾張の「行こまい」に対し、三河では「行かまい」なども使われます。
66. 〜だもんで(〜だで)
意味:〜だから、〜なので。
使う場面:理由を説明して次の話につなげるとき。
例文:明日は休みだもんで、少し遠くまで出かけるわ。→ 明日は休みだから、少し遠くまで出かけるよ。
尾張・三河で聞かれます。「ほんだで」「ほいだで」などにもつながる表現です。
67. 〜とる
意味:〜ている。
使う場面:今の動作や、続いている状態を話すとき。
例文:入口で待っとるで、着いたら声かけてね。→ 入口で待っているから、着いたら声をかけてね。
尾張・三河のほか、西日本の各地でも使われます。
68. 〜やあ(食べやあ)
意味:〜しなさい、〜してね。
使う場面:親しい相手に行動を勧めるとき。
例文:焼けたところから、先に食べやあ。→ 焼けたところから、先に食べてね。
名古屋・尾張。「やあ」だけをどの動詞にも付けるのではなく、動詞に応じて形が変わります。
69. 〜せん(〜やせん)
意味:〜しない。
使う場面:行動をしないことや、否定を伝えるとき。
例文:そんなに急がんでも、電車はまだ来やせんよ。→ そんなに急がなくても、電車はまだ来ないよ。
名古屋・尾張などの否定表現。「やせん」を縮めた形もあります。
70. ごぶれいします
意味:失礼します。
使う場面:訪問先を辞去したり、人前を離れたりするとき。
例文:明日は朝が早いので、そろそろごぶれいします。→ 明日は朝が早いので、そろそろ失礼します。
名古屋・尾張の伝統的な挨拶。「無礼なことをします」と宣言する意味ではありません。
三河弁の語尾・呼びかけ8選
岡崎・豊田などの西三河と、豊橋・田原などの東三河。語尾にも地域ごとの違いがあります。
71. 〜じゃん
意味:〜じゃないか、〜だよね。
使う場面:見つけたことを伝えたり、相手と認識を確かめたりするとき。
例文:この席、海がよく見えるじゃん。→ この席は、海がよく見えるじゃないか。
三河を代表する語尾の一つ。現在は愛知県外でも広く使われます。
72. 〜だら
意味:〜だろう、〜でしょう。
使う場面:予想や確認を相手に投げかけるとき。
例文:この量なら、二人で食べきれるだら。→ この量なら、二人で食べきれるでしょう。
三河の語尾。地域や前に来る言葉によって「ら」の形にもなります。
73. 〜りん
意味:〜しなさい、〜してね。
使う場面:相手に勧めたり、気遣って声をかけたりするとき。
例文:荷物はここに置いて、座りん。→ 荷物はここに置いて、座ってね。
三河。「食べりん」「見りん」など、動詞と組み合わせて使います。
74. 〜だに
意味:〜だよ。
使う場面:相手が知らないことを教えるとき。
例文:帰りのバスは、反対側の乗り場だに。→ 帰りのバスは、反対側の乗り場だよ。
東三河で特徴的な語尾。動詞の後などでは「〜に」となることもあります。
75. 〜のん
意味:〜ね、〜ねえ。
使う場面:感想を穏やかに伝え、相手にも呼びかけるとき。
例文:夕焼けが海に映って、きれいだのん。→ 夕焼けが海に映って、きれいだねえ。
豊橋・田原など、東三河で聞かれる語尾です。
76. ほい
意味:ねえ、おい。
使う場面:相手の注意をこちらへ向けたいとき。
例文:ほい、そっちの袋も持ってくれる?→ ねえ、そっちの袋も持ってくれる?
東三河の呼びかけ。「のんほい」と続ける言い方もあります。
77. 〜ぞん
意味:〜ぞ、〜だぞ。
使う場面:決意を表したり、相手へ強く伝えたりするとき。
例文:次の試合は、最後まで走りきるぞん。→ 次の試合は、最後まで走りきるぞ。
豊橋・田原など、東三河の語尾です。
78. 〜げな
意味:〜だそうだ。
使う場面:人から聞いた話を伝えるとき。
例文:駅前に、新しい本屋ができるげな。→ 駅前に、新しい本屋ができるそうだ。
三河のほか、尾張にもある伝聞表現。「げえな」などの形もあります。
三河の暮らしに伝わる言葉22選
三河の各地域に伝わる表現を集めました。日常的な言葉から、昔ながらの言い回しまで紹介します。
79. ひずるい(ひずるしい)
意味:まぶしい。
使う場面:日差しや照り返しで目を開けにくいとき。
例文:カーテン開けたら、朝日がひずるいね。→ カーテンを開けたら、朝日がまぶしいね。
三河の言葉。田原などでは「ひずるしい」ともいいます。
80. じゅるい
意味:地面がぬかるんでいる。
使う場面:雨上がりの道や畑の状態を話すとき。
例文:畑の入口、まだじゅるいで、長靴でおいでん。→ 畑の入口はまだぬかるんでいるから、長靴でおいで。
三河などで聞かれる言葉です。
81. けなるい(けなりい)
意味:うらやましい。
使う場面:人の持ち物や経験をいいなと感じたとき。
例文:窓から海が見えるなんて、けなるいなあ。→ 窓から海が見えるなんて、うらやましいなあ。
西三河の「けなるい」、田原などの「けなりい」といった形があります。
82. こんきい(こんきー)
意味:疲れる、しんどい。面倒だという意味にもなる。
使う場面:作業が続いて負担を感じたとき。
例文:ずっと立ちっぱなしはこんきいで、少し座ろう。→ ずっと立ちっぱなしはしんどいから、少し座ろう。
東三河など。「根気がある」と褒める意味とは異なります。
83. いきる
意味:蒸し暑い。
使う場面:湿気が多く、むっとする暑さを感じたとき。
例文:雨が上がったら、急にいきるようになったね。→ 雨が上がったら、急に蒸し暑くなったね。
西三河・幸田などの言葉。生きるという意味とは別です。
84. おとましい
意味:もったいない。
使う場面:まだ使えるものを捨てるのを惜しむとき。
例文:この布を捨てるのはおとましいで、小物入れにしよう。→ この布を捨てるのはもったいないから、小物入れにしよう。
西三河・幸田などに伝わる言葉です。
85. きーない
意味:黄色い。
使う場面:花や服などの色を表すとき。
例文:庭のきーない花、今朝やっと開いたよ。→ 庭の黄色い花が、今朝やっと開いたよ。
西三河など。名古屋周辺では「きい」という形もあります。
86. ちみきる(ちみくる)
意味:指先でつねる。
使う場面:皮膚をつままれたことなどを話すとき。
例文:ほっぺたをちみきられて、びっくりしたわ。→ ほっぺたをつねられて、びっくりしたよ。
西三河の「ちみきる」、田原などの「ちみくる」を一つにまとめています。
87. さばくる
意味:かき回す、あちこち探って乱す。
使う場面:引き出しや袋の中を探し回るとき。
例文:引き出しをさばくったら、古い切符が出てきた。→ 引き出しをかき回していたら、古い切符が出てきた。
西三河・幸田などの言葉です。
88. 笑む(えむ)
意味:物にひびが入る、割れ目ができる。
使う場面:陶器などに細い割れが見つかったとき。
例文:大事にしとった茶碗が、底のところで笑んどる。→ 大事にしていた茶碗の底に、ひびが入っている。
西三河・幸田などの用法。笑顔になる意味ではありません。
89. いざる
意味:位置がずれる、動く。
使う場面:敷物や並べた物の位置が変わったとき。
例文:座布団がいざっとるで、真ん中へ戻しといて。→ 座布団がずれているから、真ん中へ戻しておいて。
西三河など。「いざらかす」が人の動かす行為を指すのに対し、こちらはずれる側の動きです。
90. いね
意味:寝相。
使う場面:寝ている間の姿勢や動きについて話すとき。
例文:いねが悪くて、朝には枕が足元にあった。→ 寝相が悪くて、朝には枕が足元にあった。
三河に伝わる言葉。植物の稲とは別です。
91. ぐろ(くろ)
意味:端、隅。
使う場面:道や部屋の端へ寄るよう伝えるとき。
例文:道のぐろに、自転車を寄せとこう。→ 道の端に、自転車を寄せておこう。
西三河では「ぐろ」、田原などでは「くろ」の形もあります。
92. ふちゃる
意味:捨てる。
使う場面:不要になったものを処分するとき。
例文:割れた鉢はふちゃるけど、受け皿は残しとくよ。→ 割れた鉢は捨てるけど、受け皿は残しておくよ。
西三河など。「ほかる」と同じ意味を持つ、別の語です。
93. やけずる
意味:やけどする。
使う場面:熱いものに触れてしまったことを話すとき。
例文:焼きたてを急いで食べて、口の中をやけずった。→ 焼きたてを急いで食べて、口の中をやけどした。
三河のほか、尾張にも見られる言葉です。
94. せんしょ
意味:おせっかい。
使う場面:頼まれていないことまで世話を焼くとき。
例文:聞かれてもないのに口出して、せんしょだったかな。→ 聞かれてもいないのに口を出して、おせっかいだったかな。
西三河・幸田などに伝わる言葉です。
95. こんきと
意味:ときどき。
使う場面:毎回ではなく、間を置いて起こることを話すとき。
例文:あの店には、こんきと顔を出しとるよ。→ あの店には、ときどき顔を出しているよ。
西三河・幸田などの言葉。「こんきい=しんどい」とは別語です。
96. さらくがいい
意味:格好がよい、見栄えがよい。
使う場面:服装や物の取り合わせがよく見えるとき。
例文:その上着には、黒い靴のほうがさらくがいいね。→ その上着には、黒い靴のほうが格好がよいね。
西三河・幸田などの昔ながらの言い回しです。
97. てんぐるま
意味:肩車。
使う場面:子どもを肩に乗せることについて話すとき。
例文:てんぐるましてもらったら、山車の上まで見えた。→ 肩車をしてもらったら、山車の上まで見えた。
東三河・田原などの呼び名です。
98. らんごく
意味:散らかっていること、乱雑な様子。
使う場面:部屋や物置の片付き具合を話すとき。
例文:物置がらんごくで、脚立までたどり着けんわ。→ 物置が散らかっていて、脚立までたどり着けないよ。
西三河・幸田などに伝わる言葉です。
99. なんご
意味:穏やか、のんびりした様子。
使う場面:せかせかせず、ゆったり過ごすとき。
例文:今日は予定もないで、なんごに過ごそまい。→ 今日は予定もないから、のんびり過ごそう。
西三河・幸田などの昔ながらの言葉です。
100. はしゃぐ
意味:乾く、乾燥する。
使う場面:洗濯物などから水分が抜けたとき。
例文:風があったで、厚いタオルもようはしゃいだね。→ 風があったから、厚いタオルもよく乾いたね。
東三河・田原などの用法。浮かれて騒ぐ意味の「はしゃぐ」とは異なります。
まとめ
知っている言葉や、意外な意味の方言はありましたか? 「もうやっこ」の親しみやすい響きも、「ときんときん」の伝わりやすさも、愛知の言葉の面白いところですね^^