おもに西日本など広い地域で使われている「ぬくい」。

特に関西ではポピュラーな表現ですが、東日本ではあまり通じない・知らない、という言葉なんです。

この記事ではどんな地域で「ぬくい」が使われているのか、また使い方の違う地域があるのかなどをご紹介します。

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「ぬくい」の意味

「ぬくい」は漢字で書くと「温い」です。

「温い」を「ぬくい」と読むか「あたたかい」と読むかの違いではありますが、使われ方は同じようです。

現在はどちらかといえば文章語となっており、口語としてはおもに西日本で使われていますが、北海道でも使われています。

また、「ぬくい」が変形して使われている地域も多くあります。

 

どこで使われる?

使われるのは、おもに西日本のようですが、調べてみたところ北海道でも使われているようです。

それでは、一部ですがご紹介していきますね。

 

北海道方言

「暑い」という意味でも使われています。

地域によっては「ぬぐい」と音が濁る場合もありますが意味は同じです。

例文:この服なまら(すごく)ぬくい

 

但馬方言

「暖かい」という意味で多く使われています。

兵庫県北部(但馬地方)では「あたたかい」とは違った意味でも使われているようです。

「頭がぬくい」で「馬鹿」という意味になります。

例文:なんちゅう頭がぬくいんでぇ

 

大阪弁

気温(暖かい)についても・水温(温かい)についても区別なく使われます。

例文:ぬくいうちに食べや

SNSでは問いかけに対して、さまざまな地域の方のコメントがありました。

 

和歌山弁

「暖かい」という意味で使われています。

他に「~しにくい」という意味で使われることもあります。

例文:これは食べぬくい

 

鳥取弁

「暖かい」「温かい」、どちらにも使われています。

 

下関弁

山口県下関市を中心におもに「暖かい」という意味で使われています。

例文:今日はぬくいのう

 

博多弁

「温かい」「暖かい」、どちらにも使われています。

 

「ぬくい」以外の言い方

ぬくとい

おもに愛知県・静岡県で使われていますが、岐阜県、埼玉県・茨城県などでも使われる地域があります。

甲州弁(山梨県)では、「 暖かい」にとは微妙にニュアンスは異なるようで、今まで寒かったのが、気候やコタツ、かい巻き、半纏、アンカ、風呂等によってちょうどよい暖かさになるときなどに主に使います。

例文:春になってやっとぬくとくなってきたじゃんね。

また、「ぬくとまる(あたたまるの意)」で活用されるのは、独特と言えるそうです。 

ぬくたい

伊賀を含む東海地方や三重県伊勢地方で使われています。

 

ぬっか・ぬくか、ぬきぃ

九州弁では「ぬっか」「ぬくか」、「ぬきぃ」などが使われています。

 

まとめ

「ぬくい」はについて、どこで使われているのかについてご紹介しました。

使い方は「温い(あたたかい)」を「ぬくい」と言い方が変わるだけで、意味は同じです。

現在はどちらかといえば文章語となっており、口語としてはおもに西日本で使われていますが、北海道でも使われています。

「ぬくい」と同じ意味で「ぬくとい」「ぬくたい」「ぬっか・ぬくか」「ぬきぃ」などと使われている地域もありました。

調べきれませんでしたが、きっと他にもたくさんあると思います。

また、違った意味で使われている地域もあることも知ることができて、「ぬくい(温い)」がこんなに多くの使われ方があるなんて、言葉っておもしろいなと興味深かったです。