北海道から九州まで日本各地で使われている「がめる」。
広い地域で使われていますが、違った意味で使われている地域もあるようです。
この記事では「がめる」がどこの方言なのか、主につかわれている地域はどこなのか、また意味、語源、使い方に違いはあるのかなどをご紹介していきますね。
「がめる」の意味・語源
「がめる」は「 盗む」という意味と「賭け事で無理な手で大勝ちを狙う」という意味があります。
語源は諸説あり、元々は麻雀の専門用語や麻雀の時にだけ「無理な手で大勝ちを狙う」という意味で使用されていた「がめる」が、麻雀以外でも「盗む」という意味で広く使われるようになったというのが有力な説のようです。
なお「がめる」は、一度くわえたら離さないすっぽんの「かめ」と、きつい・ごついの「つい」を組み合わせた「がめつい」から来ているとも言われています。
また「盗む」以外の意味で、北海道では「にらむ」、鳥取では「疲れる」という意味で使われていることがわかりました。
どこで使われる?
日本全国の広い地域で使われています。
「盗む」という意味で、おもに関西から九州地方で使われていますが、青森・茨城・新潟などでも使われています。
それでは一部ですが、ご紹介していきますね。
東北地方
津軽弁や宮城弁で「盗む、ちょろまかす」という意味で使われています。
【津軽弁講座】か行の「か」
財布を〝がめる〟
財布を〝がめられる〟
な、〝がめだ〟でねべ?#津軽弁講座 #津軽弁 #津軽衆 #tsugaruben #青森出身 #青森県出身 #津軽出身 #aomori #japanese #盗む #がめる https://t.co/PShii3iIN1— dannako story (@dannnako3) May 31, 2020
関東地方
茨城弁や栃木弁、群馬県の一部でも「盗む」という意味で使われています。
普段からフツーに使ってる「がめる」という言葉が茨城弁と知り、驚きを隠せない今日この頃Σ(º ロ º๑)
— みく🍑 (@miku_vox) July 28, 2017
栃木弁:がめる
意味:盗む。横取りする。
使用例:「他人の私物をがめるのだダメだっぺよ!」
訳:「他人の私物を盗むのはダメだよ!」— おっとっとちぎ💮管理人 (@ottottochigi) February 23, 2017
中部地方
金沢弁ではよく使われており、富山や長野でも使われています。
新潟県では「盗む」よりもう少し軽めの「ちょっと失敬」のような意味で使われている地域もあるようです。
「がめる」は静岡~愛知県エリアで
使われてたよ。
方言だね!(ˀ̢⋅⃘‧̮⋅⃘ˁ̡ી˂ᵒ͜͡ᵏᵎ⁾— atsu【為になりたかった夢】 (@atsuask) November 22, 2017
新潟弁クイズ
Q「がめる」— みなとのマルシェ ピアBandai (@piabandai) February 19, 2020
関西地方
兵庫など多くの地域で使われていますが、大阪弁では「抜け目なくごまかす」「隠し留める」という意味で使われています。麻雀用語として知られているようですよ。
がめる
大阪弁訳語解説
がめる抜け目なくごまかす、
隠し溜める隠し溜めるという意味でも使う。石がめってるやろ(ヘラヘラ マッチング炙りがめってんの誰や。一九字牌出てへんなあ、おまえがめってるやろ。麻雀用語。— 西とんかつワイドFM(Bクラス) (@unkk_bow_show) January 19, 2022
中国地方
広島弁や岡山弁では「盗む」「こっそり自分のものにする」という意味で使われています。
がめる(盗む)
(例)「お前ががめたんかっ!」
(解)「お前が盗んだのかっ!」これは広島弁が怖いと言われる原因の一つだなw
— 広島弁BOT@相互フォロー☆ (@BenOfHIROSHIMA) February 22, 2023
きょうの #岡山弁 in #カムカムエヴリバディ
定一(世良公則)が「進駐軍からがめてきたんじゃ」とホットドッグを孤児のジョーに手渡す。がめるは岡山弁かどうかわかりませんが「ちょろまかす」という意味です。むせるジョー に言った「せかんでええ」は「急がなくていい」です。— 下山 純/junshimoyama.eth (@JunShimoyama) January 18, 2022
九州地方
九州弁として多くの地域で使われており、特に博多弁で「盗む」「寄せ集める」という意味で使われています。
博多には「がめ煮」というものがありますが、これは、材料をいろいろとってきて煮込むもので、ありあせのものを何もかも「がめ」くりこんで煮込むことから、筑前煮とは呼ばず「がめ煮」になったと言われています。
「がめる」は「盗る」っちゅう意味いもなるげなばってん、あたきゃ「がめ煮」の「がめ」が「寄せ集める」っちゅう意味なことしか知らんやった。「がめる」の用例ばがめようごたる。#博多弁
— 博多弁たん (肥筑方言) (@HakataDialect) July 21, 2020
その他の意味は?
北海道
北海道では「盗む」という意味のほかに「にらむ」という意味でも使われています。
ちなみに北海道弁では「盗む」ことを「ぎる」と言うそうで、区別して使っている地域もあるのですね。
ガメる(がめる)
北海道弁では
メンチを切るの意味らしいけど宮城弁では
奪う・盗むという意味— ᰔᩚ🌐υα🌐=͟͟͞ (@yuyan2SK8) October 26, 2020
鳥取弁
鳥取では「非常に疲れる」「体が弱った状態になる」という意味で使われています。
柿っ子ちゃんの鳥取弁講座44『がめる』
『がめる』とは、疲れた、参った…
というような意味です。
知ってました?😆例文👉『わしゃ、よーにがめたっちゃ』
約『ワシはもう参って(疲れて)しまった』#鳥取弁講座 #柿っ子ちゃん pic.twitter.com/HvR9BWah7I
— kakikko (@biggrowth_k) January 25, 2019
まとめ
「がめる」について、どこで使われているのか、使われ方についてご紹介しました。
全国的に使われているようですが、麻雀をする方にはわりと馴染みのある言葉らしいですね。
また、違った意味でも使われている地域もあることがわかりました。
まだまだ地域によっては他にもたくさんあると思います。
「がめる」について調べてみましたが、方言だとは思わずに使われていたり、地域によっても使われ方が違うのは面白いですね。