北海道や東日本の広い範囲で使われている方言「おばんです」。

ふだん使わない方も、どこかで耳にしたり目にしたことがあるのではないでしょうか。
「おばんです」と聞くと、なんとなく、ほんわりあったかい気持ちになりますよね。

この記事では「おばんです」がどの地域でどんな意味で使われているのか、地域によっての使い方などを調べましたのでご紹介します。

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「おばんです」の意味

「おばんです」は漢字で書くと「お晩です」。
意味は「こんばんは」です。

おもに、北海道、東北、北関東などで使われています。

共通語の「こんばんは」は、これ以上変形できませんが、「おばんです」は会話の相手に合わせ、その地域の丁寧な形に語尾を変化させられるなど、柔軟な対応ができる言葉。方言ならでは親しみやすさを感じられる言葉です。

どこで使われる?

北海道

田舎のご近所さん同士でよく使うそうですが、都市部などではほぼ聞くことがなくなっているとのことです。

北海道では語尾が過去形になることが多いので、「おばんでした」と過去形で言うのが基本。丁寧に言うと「おばんでございます」になるそうですよ。

東北各地

東北では広く「おばんです」が使われますが、地域ごとに語尾が違い、話す相手によっても語尾を変えるそうです。
それぞれの地域の言葉とむすびついて、独自の「おばんです」の言い方がありますので、ここでは一部をご紹介します。

宮城

「おばんです」の丁寧な形として「おばんでござりす(てござりす)」「おばんでがす」を使います。


宮城では平日の夕方に、「OH!バンデス」というテレビのローカル番組が放送されています。
「おばんです」をアルファベットとカタカナで書くと、ちょっとハイカラな感じになっておもしろいですね。

岩手

岩手では「おばんです」を、「おばんでがす」と少し丁寧な形で使う場合が多いそうです。

また岩手でも平日夕方、「おばんです岩手」という番組が放送されています。
夕方の番組にふさわしい名前ですね。

福島

福島では、「おばんです」は「おばんかたです・おばんかだです」ともいいます。
かたは「方」。「晩の方」ですという意味があるんですね。
丁寧にすると、「おばんになりました」などになるそうです。

 

北関東(茨城・栃木・群馬)

東北地方に近い、北関東でも「おばんです」は使われます。

茨城県内でも地域によっては、夜は「おばんです」、夕方は「おばんかたです」と、夜と夕方で使い分けするそうです。
おもしろいですね。

北陸(新潟)

北陸の新潟でも「こんばんは」を意味する言葉として「おばんです」が使われます。
新潟菊水のお酒にも、「お晩です」という名前がついた商品があるほどです。

京都

関西地方では、「おばんです」は京都以外ではほとんど使いません。
京都のイントネーションと合わせた「おばんどす」という使い方がよく知られています。

まとめ

方言「おばんです」について、どこで使われているのか、どんな意味があるのかについてご紹介しました。

同じ「おばんです」でも、地域によって語尾が変わったり、夕方と夜で言い方が違ったり。地域の特色が出て、とてもおもしろいですね。

ふだん「おばんです」を使わない地域の方も、北海道や北関東などの方とお話しする際、ぜひ使ってみてくださいね。