会話の中で「これなおしといて」と言われたら、どんな意味が頭に浮かびますか?

「なおす」は、訂正だったり修理する意味の言葉として、捉えられているのが一般的です。

ところが「なおす」は、日本の多くの地域で別の意味の言葉としても使われているんですよ。

今回は「なおす」の意味や、どの地域で別の意味で使われているのか、九州や関西、大阪、広島や山口などではどうなのか、について調べてみました。

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「なおす」の意味は?

新小辞林 第五版によると、「なおす(直す)」は

① 修理する。
②誤りを訂正する。
③好ましい状態にする。「機嫌を-」
④整える。つくろう。「髪を-」

と、書かれています。
※ここでは、「なおす(治す)」は省略しました。

「なおす」といえば東日本ではおもに、「修理する」という意味にとらえられますが、西日本の多くでは、「なおす」は上記の意味に加えて、「片づける」の意味でも日常的に使われています。

「修理する」も「片づける」も、大きく考えると「もとの良い状態に戻す」ことです。「もとの良い状態に戻す」の意味が、「修理する(ことで良い状態に戻す)」と「片づける(ことで良い状態に戻す)」に分かれたとも考えられますね。

そのため、西日本出身の方と東日本出身の方が話す際、「なおす」をめぐって会話が食い違い、困ってしまうことがよくあるそうです。

同じ「なおす」でも、まったく違った意味になってしまうのですね・・・。


どこで「なおす」を「片づける」として使っている?

大きく「西日本で使われている」と書きましたが、「なおす」はどこの地域で「片づける」の意味の言葉として使われているのでしょうか。
もう少し細かく調べてみました。

関西地方

関西弁で「なおす」は、「片づける」の意味で使われます。
三重県では南紀の方は使うようですが、名古屋に近い地域では「片づける」の意味では使わない場合が多いようです。

関西に近い四国では、おもに「なおす=修理する」で使われるようですが、「片づける」の意味で「なおす」を使う地域もあるそうです。混在しているようですね。

中国地方

山口県では、「なおす=片付ける」の意味で日常的に使います。

ところが広島県、岡山県では、「なおす=修理する」で使う人が多いそうです。
島根や鳥取も、「片づける」の意味ではあまり使わないようです(使う地域もあり)。

九州地方

沖縄を除く九州全域でも、「なおす」は「片づける」の意味で使われます。

中四国地方を飛ばして、関西と九州で「なおす」の意味が同じとは、とても不思議ですね。

まとめ

「なおす」について調べてみました。
筆者も西日本で生まれ育ったので、「これなおしといて」と言えば「片づけておいて」という意味で使っています。
もちろん、「修理する」の意味でも使うので、状況によって使い分けている感じですね。

そのため、関東方面では「片づけておいて」としての「なおす」が伝わらないことにびっくりしました。
言葉って本当に面白いですね。

会話の中で「なおす」の意味が通じない場合、話の前後から推測して会話を楽しんでいただきたいです。