福岡弁には、「すいとう」「よかよ」といったかわいい響きの言葉や、「からう=背負う」「なおす=片付ける」のような、意味を知ると面白い表現があります。
この記事では、福岡の方言・言い回し100選を、意味と例文付きで紹介します。博多弁を中心に、北九州・筑後・筑豊の言葉も掲載しています。
言葉から探す(50音順)
- あいらしか
- あつかう
- あのくさ
- いっちゃん
- いっちょん
- いっとき
- いぼる
- いらう
- うまか
- えずか
- おごる
- おらぶ
- 〜かいな
- かしわ
- かたす
- かべちょろ
- がまだす
- かやす
- からう
- 〜き
- きつか
- きばる
- きびる
- ぎょうらしい
- 〜きる
- きんしゃい
- げってん
- 〜げな
- 〜けん(〜やけん)
- こがしこ
- こぎる
- こげん・そげん・あげん・どげん
- こしょう
- こすか
- こそばいか
- 〜ごたる(〜ごたあ)
- こまか
- こまめる
- こゆか
- ごりょんさん
- こわる
- さっち(さっちが)
- しゃーしい
- しゃれこつ
- じょうもん
- しろしか
- すいとう(好いとう)
- すいばり
- ずんだれる
- すんまっしぇん
- せがう
- せからしか
- ぞろびく
- 〜たい
- たう・たわん
- たくる
- たまがる
- 〜ち
- ちかっぱ
- 〜ちゃ
- 〜ちゃる
- 〜っちゃん
- つまらん
- つやつける
- てれっと
- 〜と?
- とぜんなか
- とんぴんはる
- なおす
- なし(なして)
- なば
- なんかかる
- なんぼ
- ぬっか
- ねまる
- のぼせもん
- 〜ば
- 〜ばい
- はがいか
- ぱげる
- ばさらか
- 〜ばってん
- はぶてる
- はらかく
- ばり
- はわく
- びったれ
- ひねきる
- ふとか
- ほげる・ほがす
- ほたる
- ほとめき
- ほんなごと
- まんまんしゃん
- やおいかん
- 〜よう・〜とう
- よか
- 〜ろうもん
- 〜んがた
- 〜んしゃる
福岡弁のかわいい響き・親しみのある言葉10選
1. すいとう(好いとう)
意味:好きだ、好意を持っている。
使う場面:恋人や家族への気持ち、好きなものを伝えるとき。
例文:笑ったときの、その顔がすいとうよ。→ 笑ったときの、その顔が好きだよ。
「すいとー」「好いとる」などの形もあります。
2. あいらしか
意味:かわいらしい、愛らしい。
使う場面:小さな動物や愛嬌のある姿を見て、気持ちが和んだとき。
例文:両手で木の実ば持っとう。あいらしかねえ。→ 両手で木の実を持っている。かわいらしいねえ。
3. よか
意味:良い。承諾するときは「いいよ」の意味。
使う場面:誘いに応じたり、相手の選択を肯定したりするとき。
例文:窓側の席でよかよ。景色も見えるし。→ 窓側の席でいいよ。景色も見えるし。
「もうよか」は「もう十分」「もういい」という断りにもなります。
4. 〜と?
意味:〜の? 事情や相手の行動を尋ねる語尾。
使う場面:予定や近況を親しい相手に聞くとき。
例文:今、なんしようと? 少し電話できる?→ 今、何をしているの? 少し電話できる?
博多弁の代表的な疑問の形です。
5. 〜っちゃん
意味:〜なんだ、〜んだよ。
使う場面:事情を説明したり、自分のことを打ち明けたりするとき。
例文:来月、駅の近くに引っ越すっちゃん。→ 来月、駅の近くに引っ越すんだ。
6. 〜ちゃる
意味:〜してあげる。
使う場面:相手のために何かをすると申し出るとき。
例文:その箱、車まで運んじゃるよ。→ その箱を車まで運んであげるよ。
「書いちゃる」「読んじゃる」のように、前の動詞で形が変わります。
7. きんしゃい
意味:おいで、来なさい。
使う場面:相手を招いたり、近くへ呼んだりするとき。
例文:時間ができたら、晩ご飯食べにきんしゃい。→ 時間ができたら、晩ご飯を食べにおいで。
「〜んしゃい」は「〜しなさい」。洋服の話なら「着なさい」の意味にもなります。
8. 〜んしゃる
意味:〜なさる、〜していらっしゃる。
使う場面:目上の人や身近な人の動作に敬意を添えるとき。
例文:先生、向こうの席に座っとんしゃるよ。→ 先生は、向こうの席に座っていらっしゃるよ。
博多などの尊敬表現。「〜んしゃあ」ともいいます。
9. あのくさ
意味:あのね、あのさ。
使う場面:話を切り出したり、少し言いにくい相談を始めたりするとき。
例文:あのくさ、土曜日の約束、午後に変えてもよか?→ あのね、土曜日の約束を午後に変えてもいい?
「くさ」は話の調子を整える言葉です。
10. すんまっしぇん
意味:すみません。
使う場面:軽く謝ったり、人に声をかけたりするとき。
例文:すんまっしぇん、この傘はどなたのですか。→ すみません、この傘はどなたのですか。
昔ながらの博多の発音。「すんまっせん」も同じ表現です。
博多弁でよく使う語尾・言い回し14選
11. 〜ばい
意味:〜よ、〜だよ。
使う場面:情報を知らせたり、自分の判断をはっきり伝えたりするとき。
例文:集合場所、今年は南口ばい。→ 集合場所は、今年は南口だよ。
博多・筑後などで使われます。
12. 〜たい
意味:〜だ、〜だよ。
使う場面:説明や返事を言い切るとき。
例文:私が頼んだとは、こっちの定食たい。→ 私が頼んだのは、こちらの定食だよ。
「食べたい」の「たい」とは別の、文末の言葉です。
13. 〜けん(〜やけん)
意味:〜から、〜なので。
使う場面:理由を添えて予定や判断を話すとき。
例文:今日は荷物が多いけん、駅まで迎えに行くよ。→ 今日は荷物が多いから、駅まで迎えに行くよ。
14. 〜ばってん
意味:〜けれど、〜だけど。
使う場面:前の話に、反対の事情や気持ちを続けるとき。
例文:店は小さかばってん、奥に庭があるとよ。→ 店は小さいけれど、奥に庭があるんだよ。
15. 〜かいな
意味:〜かな、〜だろうか。
使う場面:分からないことを考えたり、相手に確かめたりするとき。
例文:このバス、図書館の前に止まるかいな。→ このバスは、図書館の前に止まるかな。
16. 〜ろうもん
意味:〜だろう、〜でしょうが。
使う場面:相手も知っているはずのことを確認したり、念を押したりするとき。
例文:先週も、この道ば通ったろうもん。→ 先週も、この道を通ったでしょう。
語調によっては、強く言い聞かせる響きになります。
17. 〜げな
意味:〜だそうだ、〜だって。
使う場面:人から聞いた話を伝えるとき。
例文:あそこのパン屋、来週から朝七時に開くげな。→ あそこのパン屋は、来週から朝七時に開くそうだ。
福岡県内の複数地域で聞かれる伝聞の表現です。
18. 〜ごたる(〜ごたあ)
意味:〜のようだ、〜みたいだ。
使う場面:見た印象をたとえたり、様子から推測したりするとき。
例文:この雲、魚のごたるね。→ この雲は、魚みたいだね。
19. 〜きる
意味:〜することができる。
使う場面:自分の能力や、やれるかどうかを話すとき。
例文:この重さなら、一人でも持ちきるよ。→ この重さなら、一人でも持てるよ。
「しきらん」は「できない」。標準語の「最後までやりきる」とは異なる用法です。
20. 〜ば
意味:〜を。
使う場面:動作の対象になるものを示すとき。
例文:帰りに牛乳ば一本買ってきて。→ 帰りに牛乳を一本買ってきて。
博多・筑後などの言い方です。
21. 〜よう・〜とう
意味:動作の途中の「〜している」と、結果・状態の「〜している」。
使う場面:今していることと、すでにそうなっていることを言い分けるとき。
例文:弟は今こっちに来よう。姉はもう来とうよ。→ 弟は今こちらに向かっている。姉はもう来ているよ。
博多などの形。「とっとーと?」は「取ってあるの?」という言い方です。
22. 〜んがた
意味:〜の家。
使う場面:訪ねる場所や、自宅のことを話すとき。
例文:日曜日は、うちんがたで昼ご飯にしよう。→ 日曜日は、私の家で昼ご飯にしよう。
23. こげん・そげん・あげん・どげん
意味:こんなふうに・そんなふうに・あんなふうに・どんなふうに。
使う場面:やり方や程度を示したり、方法を尋ねたりするとき。
例文:この布、どげん折ると? こげんでよか?→ この布は、どう折るの? こんなふうでいい?
「こげな・そげな・あげな・どげな」は「こんな・そんな・あんな・どんな」。
24. なし(なして)
意味:なぜ、どうして。
使う場面:理由や事情が分からず、聞き返すとき。
例文:なし、今日は裏の入口から入ると?→ どうして、今日は裏の入口から入るの?
程度・量・時間を表す福岡の方言8選
25. ばり
意味:とても、すごく。
使う場面:強い感想を短く伝えるとき。
例文:この椅子、ばり座りやすいね。→ この椅子は、すごく座りやすいね。
比較的新しい言い方として広まった表現です。
26. ちかっぱ
意味:とても、ものすごく。力いっぱい。
使う場面:程度の強さや、力を込めた動作を表すとき。
例文:向かい風がちかっぱ強くて、前に進まん。→ 向かい風がものすごく強くて、前に進まない。
27. いっちょん
意味:全然、少しも。
使う場面:否定の言葉と組み合わせて、程度がゼロに近いことを伝えるとき。
例文:説明書の字が小さくて、いっちょん読めん。→ 説明書の字が小さくて、全然読めない。
28. いっちゃん
意味:一番、最も。
使う場面:いくつかの中で順位や好みを示すとき。
例文:この写真が、いっちゃん自然に撮れとうね。→ この写真が、一番自然に撮れているね。
「いっちょん=全然」とは意味が違います。
29. ほんなごと
意味:本当に、本当のこと。
使う場面:驚きや実感を込めたり、話が本当か確かめたりするとき。
例文:朝から手伝ってくれて、ほんなごと助かったよ。→ 朝から手伝ってくれて、本当に助かったよ。
30. さっち(さっちが)
意味:必ず、どうしても。
使う場面:強い希望や、そこまでしなければならないのかという気持ちを表すとき。
例文:今日さっち行かないかんと? 明日じゃいかん?→ 今日どうしても行かないといけないの? 明日では駄目?
地域や文脈によって「わざわざ」の意味にもなります。
31. なんぼ
意味:いくら、どれくらい。
使う場面:値段や量を尋ねるとき。
例文:この籠、二つ合わせてなんぼになる?→ この籠は、二つ合わせていくらになる?
関西などでも使われる、福岡だけに限らない言葉です。
32. いっとき
意味:しばらくの間。
使う場面:少し時間を置くことや、ある期間のことを話すとき。
例文:雨が弱まるまで、いっときここで待っとこう。→ 雨が弱まるまで、しばらくここで待っておこう。
暮らしの中で使う福岡の方言20選
33. なおす
意味:しまう、片付ける。
使う場面:使い終わった道具を元の場所へ戻すとき。
例文:三脚は使い終わったけん、袋になおしとって。→ 三脚は使い終わったから、袋にしまっておいて。
ここでは「修理する」という意味ではありません。
34. からう
意味:背負う。
使う場面:リュックや荷物を背中に掛けるとき。
例文:両手を空けたいけん、荷物はリュックに入れてからうよ。→ 両手を空けたいから、荷物はリュックに入れて背負うよ。
「かろう」ともいいます。
35. はわく
意味:ほうきで掃く。
使う場面:玄関や庭の掃除をするとき。
例文:鉢を動かすけん、その下もはわいとって。→ 鉢を動かすから、その下も掃いておいて。
36. ほげる・ほがす
意味:穴があく・穴をあける。
使う場面:衣類の穴や、道具で穴をあける作業を話すとき。
例文:この袋、底がほげとう。別のに替えよう。→ この袋は、底に穴があいている。別のものに替えよう。
自分で穴をあける場合は「ほがす」といいます。
37. かたす
意味:仲間に入れる。
使う場面:遊びや集まりへの参加を頼むとき。
例文:次の試合からでよかけん、私もかたして。→ 次の試合からでいいから、私も仲間に入れて。
標準語のくだけた「片す=片付ける」とは別の意味です。
38. あつかう
意味:触る、いじる。
使う場面:道具や機械に手を触れることを話すとき。
例文:そのつまみは調整したけん、もうあつかわんでね。→ そのつまみは調整したから、もう触らないでね。
39. いらう
意味:触る、いじる。
使う場面:細かなものを指で触ったり、いじったりするとき。
例文:乾くまでは、表面をいらわんほうがよかよ。→ 乾くまでは、表面を触らないほうがいいよ。
関西・中国地方などでも使われます。
40. きびる
意味:結ぶ、くくる、束ねる。
使う場面:ひもで物をまとめたり、結び目を作ったりするとき。
例文:枝が広がらんように、ひもできびっとこう。→ 枝が広がらないように、ひもで束ねておこう。
41. いぼる
意味:泥やぬかるみに埋まる、はまり込む。
使う場面:地面に足や車輪を取られたとき。
例文:畑の端で長靴がいぼって、片足だけ抜けん。→ 畑の端で長靴が泥にはまって、片足だけ抜けない。
42. こわる
意味:筋肉がこる、運動や作業の後に体が痛む。
使う場面:慣れない運動の翌日などに体の状態を話すとき。
例文:昨日の草取りで、太ももがこわっとう。→ 昨日の草取りで、太ももが筋肉痛になっている。
43. ねまる
意味:食べ物が傷む、腐る。
使う場面:保存した料理やご飯の状態を話すとき。
例文:この煮物、においが変やね。ねまっとるかもしれん。→ この煮物は、においが変だね。傷んでいるかもしれない。
福岡など九州の用法。ほかの地方では「座る」を表すこともあります。
44. かやす
意味:返す、ひっくり返す。
使う場面:物を裏返したり、うっかり倒したりするとき。
例文:袖が引っかかって、湯飲みをかやしてしもうた。→ 袖が引っかかって、湯飲みを倒してしまった。
45. ぱげる
意味:壊れる。
使う場面:道具などが使えなくなったことを話すとき。
例文:傘の骨がぱげて、きれいに閉じられん。→ 傘の骨が壊れて、きれいに閉じられない。
「ぱける」「ちゃげる」などの言い方もあります。
46. ほたる
意味:捨てる、放り出す。
使う場面:不要なものを処分するか相談するとき。
例文:その空き箱は、まだほたらんで。荷物を送るとに使うけん。→ その空き箱は、まだ捨てないで。荷物を送るのに使うから。
筑豊・添田などでも確認される言葉です。
47. おらぶ
意味:大声で叫ぶ。
使う場面:遠くへ声を届けたり、大きな声が出たりしたとき。
例文:川の向こうに友達がおったけん、名前をおらんだ。→ 川の向こうに友達がいたから、名前を大声で呼んだ。
48. おごる
意味:叱る。
使う場面:誰かが注意されたことを話すとき。
例文:廊下を走って、先生におごられた。→ 廊下を走って、先生に叱られた。
「食事代を出す」という標準語の意味と、文脈で区別します。
49. はらかく
意味:腹を立てる、怒る。
使う場面:不機嫌になった理由や、怒った様子を話すとき。
例文:約束の時間を忘れとったけん、友達がはらかいとる。→ 約束の時間を忘れていたから、友達が怒っている。
50. はぶてる
意味:すねる、ふてくされる。
使う場面:思いどおりにならず、黙り込んだり不機嫌になったりしたとき。
例文:弟は最後のプリンを食べられて、はぶてとう。→ 弟は最後のプリンを食べられて、すねている。
中国地方などにもある言葉です。
51. たまがる
意味:びっくりする、驚く。
使う場面:予想外の音や出来事に驚いたとき。
例文:窓のすぐ外で鳥が鳴いて、たまがった。→ 窓のすぐ外で鳥が鳴いて、びっくりした。
52. こまめる
意味:大きな額のお金を、小銭などにくずす。
使う場面:支払いのために両替したいとき。
例文:駐車場で小銭がいるけん、先にお札をこまめとこう。→ 駐車場で小銭がいるから、先にお札をくずしておこう。
気持ち・体調・状態を表す福岡の方言15選
53. こすか
意味:ずるい。
使う場面:自分だけ得をするような行動に不満を言うとき。
例文:片付けの前に帰ると? それはこすかよ。→ 片付けの前に帰るの? それはずるいよ。
「こすい」ともいいます。
54. せからしか
意味:うるさい、わずらわしい。
使う場面:繰り返される声かけや、騒がしさが気になるとき。
例文:何度も急かさんで。せからしかねえ。→ 何度も急かさないで。うるさいなあ。
「しぇからしか」「せからしい」も同じ系統の表現です。
55. しゃーしい
意味:うるさい、面倒くさい、煩わしい。
使う場面:騒音や込み入った手間にうんざりしたとき。
例文:隣の部屋から音楽が響いて、しゃーしいね。→ 隣の部屋から音楽が響いて、うるさいね。
「しゃあしい」「しゃーしか」とも書きます。
56. しろしか
意味:うっとうしい、おっくうだ。
使う場面:長雨や湿気などで、気分が晴れないとき。
例文:朝から霧雨が続いて、しろしかねえ。→ 朝から霧雨が続いて、うっとうしいねえ。
「しろしい」ともいいます。
57. きつか
意味:疲れた、しんどい、つらい。
使う場面:作業や移動で体に負担を感じたとき。
例文:階段で五階まで上がったら、さすがにきつかね。→ 階段で五階まで上がったら、さすがにしんどいね。
「きつい」も同じ意味で使います。
58. えずか
意味:怖い、恐ろしい。
使う場面:物音や暗い場所などに恐怖を感じたとき。
例文:誰もおらんはずやのに、物音がしてえずかった。→ 誰もいないはずなのに、物音がして怖かった。
「えずい」「えすか」など、地域によって形が変わります。
59. はがいか
意味:悔しい、歯がゆい。
使う場面:惜しいところで届かなかったり、思うようにできなかったりしたとき。
例文:あと一点で負けたけん、はがいかねえ。→ あと一点で負けたから、悔しいねえ。
「はがいい」ともいいます。
60. ぬっか
意味:暖かい、暑い。
使う場面:気温や日当たり、物の温かさを話すとき。
例文:ここは日が当たるけん、冬でもぬっかね。→ ここは日が当たるから、冬でも暖かいね。
「ぬくい」の形もあり、暑さを表すかは状況によります。
61. ふとか
意味:大きい、太い。
使う場面:体格や物の大きさに触れるとき。
例文:庭の木、見ん間にふとうなったね。→ 庭の木は、見ない間に大きくなったね。
細長いものの太さだけでなく、全体の大きさにも使います。
62. こまか
意味:小さい。
使う場面:小さな物や、子どものころのことを話すとき。
例文:こまか箱に、貝殻を一つずつ入れた。→ 小さな箱に、貝殻を一つずつ入れた。
「細かい」という意味に限らず、物のサイズを表します。
63. こゆか
意味:濃い。
使う場面:飲み物の味や、色の濃さを話すとき。
例文:お茶がこゆかけん、お湯を少し足そう。→ お茶が濃いから、お湯を少し足そう。
「こゆい」ともいいます。
64. こそばいか
意味:くすぐったい。
使う場面:肌に軽く触れられたときの感覚を伝えるとき。
例文:首に髪が当たって、こそばいか。→ 首に髪が当たって、くすぐったい。
「こそばい」「こそばいい」などの形もあります。
65. とぜんなか
意味:寂しい、退屈だ。
使う場面:話し相手がいないときや、手持ち無沙汰な気持ちを話すとき。
例文:孫が帰ってから、夕方になるととぜんなか。→ 孫が帰ってから、夕方になると寂しい。
筑後などで聞かれる昔ながらの言葉。「とぜなか」ともいいます。
66. やおいかん
意味:簡単にはいかない、骨が折れる。
使う場面:予想以上に難しい仕事や、大変な段取りを話すとき。
例文:この坂で家具を運ぶとは、やおいかんね。→ この坂で家具を運ぶのは、簡単にはいかないね。
67. つまらん
意味:駄目だ、いけない、役に立たない。
使う場面:よくない行動を止めたり、具合が悪いことを伝えたりするとき。
例文:そんな置き方したらつまらんよ。通れんけん。→ そんな置き方をしたら駄目だよ。通れないから。
「面白くない」だけではなく、禁止や否定にも使います。
食べ物・生き物・人を表す面白い言葉14選
68. うまか
意味:おいしい、うまい。
使う場面:料理や飲み物のおいしさを伝えるとき。
例文:この焼きおにぎり、醤油が香ばしくてうまかね。→ この焼きおにぎりは、醤油が香ばしくておいしいね。
69. こしょう
意味:唐辛子。
使う場面:昔ながらの食材名や、柚子こしょうの材料について話すとき。
例文:今年は畑のこしょうを使って、柚子こしょうを作るよ。→ 今年は畑の唐辛子を使って、柚子こしょうを作るよ。
九州にある呼び名です。普通の黒こしょうを指す場合もあるので、料理の文脈で区別します。
70. かしわ
意味:鶏肉。
使う場面:ご飯やうどんの具、料理の材料を話すとき。
例文:今日は、かしわとごぼうで炊き込みご飯にしよう。→ 今日は、鶏肉とごぼうで炊き込みご飯にしよう。
関西などにも共通する呼び名です。
71. かべちょろ
意味:ヤモリ。地域によってはトカゲ類を指すこともある。
使う場面:家の壁や窓辺で、小さな爬虫類を見つけたとき。
例文:玄関の明かりの横に、かべちょろがおったよ。→ 玄関の明かりの横に、ヤモリがいたよ。
呼ぶ対象に地域差があるため、「必ずヤモリだけ」とは限りません。
72. すいばり
意味:木や竹などの、細いとげ。
使う場面:手足に小さな木片が刺さったとき。
例文:木箱を持ったら、指にすいばりが刺さった。→ 木箱を持ったら、指に細い木のとげが刺さった。
中国地方などでも使われる言葉です。
73. なば
意味:きのこ。
使う場面:山のきのこや、料理に使うきのこの話をするとき。
例文:祖母は、きのこのことを「なば」って呼びよった。→ 祖母は、きのこのことを「なば」と呼んでいた。
筑豊・大任などに残る呼び名。九州のほかの地域でも使われます。
74. ごりょんさん
意味:商家のおかみさん、奥さんを敬って呼ぶ言葉。
使う場面:博多の商家や、山笠に関わる人の話をするとき。
例文:店のことは、ごりょんさんがよう知っとんしゃる。→ 店のことは、おかみさんがよくご存じだ。
博多の伝統的な呼称です。
75. じょうもん
意味:上等なもの、質の良いもの。
使う場面:品物の出来や品質を褒めるとき。
例文:この器はじょうもんやけん、来客用にとっとこう。→ この器は上等なものだから、来客用に取っておこう。
博多の昔ながらの言葉。「じょうもんさん」は美人をいう用法もあります。
76. しゃれこつ
意味:おしゃれな人、おしゃれ好き。
使う場面:服装や小物に気を配る人の話をするとき。
例文:祖父は帽子まで選ぶ、しゃれこつやった。→ 祖父は帽子まで選ぶ、おしゃれな人だった。
77. まんまんしゃん
意味:仏様を指す幼児語。
使う場面:小さな子どもに、仏壇へのお参りを話すとき。
例文:お花を替えたけん、まんまんしゃんに手を合わせようか。→ お花を替えたから、仏様に手を合わせようか。
家庭内などで伝わる呼び方です。
78. のぼせもん
意味:何かに夢中になる人、熱中しやすい人。
使う場面:祭りや趣味に強く打ち込む人のことを話すとき。
例文:祭りの話になると、あの人はのぼせもんやね。→ 祭りの話になると、あの人は夢中になるね。
博多では山笠に熱中する人の話にも使われます。
79. ずんだれる
意味:服などがだらりと下がる、身なりがだらしなくなる。
使う場面:衣服の着崩れを指摘するとき。
例文:上着の裾がずんだれとうよ。ベルトに挟まっとらん?→ 上着の裾がだらりと垂れているよ。ベルトに挟まっていない?
80. びったれ
意味:身なりや暮らしぶりがだらしない人。
使う場面:散らかしっぱなしなどの様子を非難するとき。
例文:脱いだ服を積み上げて、びったれやねえ。→ 脱いだ服を積み上げて、だらしないねえ。
人への悪い評価を含む言葉です。
81. つやつける
意味:格好をつける、気取る。
使う場面:普段より気取った格好や態度をからかうとき。
例文:写真のときだけ、そんなにつやつけんでもよかよ。→ 写真のときだけ、そんなに格好をつけなくてもいいよ。
北九州弁・筑豊弁でも聞かれる表現11選
北九州市周辺の北九州弁と、飯塚・田川・直方などの筑豊弁。ここでは、その地域で聞かれる表現を集めています。
82. 〜ちゃ
意味:〜だよ、〜なんだよ。
使う場面:自分の気持ちや考えを、親しい相手に伝えるとき。
例文:この景色が好きっちゃ。また一緒に来たいね。→ この景色が好きなんだよ。また一緒に来たいね。
北九州、特に小倉・門司側などで特徴的な語尾です。
83. 〜ち
意味:〜と、〜って。
使う場面:人の言葉を引用したり、聞いた話を伝えたりするとき。
例文:受付は二階ち言いよったよ。→ 受付は二階だと言っていたよ。
北九州・筑豊などで聞かれる引用の形です。
84. 〜き
意味:〜から、〜なので。
使う場面:理由を添えて話を続けるとき。
例文:帰りは遅くなるき、先に食べとって。→ 帰りは遅くなるから、先に食べておいて。
筑豊や北九州周辺の一部で使われます。「〜け」を使う地域もあります。
85. たう・たわん
意味:届く・届かない。
使う場面:手や物が目的の場所まで届くか話すとき。
例文:背伸びしても、物干しの端に手がたわん。→ 背伸びしても、物干しの端に手が届かない。
北九州などの言い方。山口・広島などにも分布します。
86. なんかかる
意味:寄りかかる。
使う場面:壁や背もたれに体を預けるとき。
例文:その柵はぐらつくき、なんかからんで。→ その柵はぐらつくから、寄りかからないで。
筑豊・大任など。博多にもある表現です。
87. ぞろびく
意味:引きずる。
使う場面:衣服の裾や荷物が地面をこする様子を話すとき。
例文:ひもが長すぎて、床をぞろびいとるよ。→ ひもが長すぎて、床を引きずっているよ。
筑豊などで使われ、博多にも見られます。
88. たくる
意味:まくる、まくり上げる。
使う場面:袖や裾を上げるとき。
例文:水がはねるき、ズボンの裾をたくっとこう。→ 水がはねるから、ズボンの裾をまくっておこう。
筑豊・大任などの言い方です。
89. せがう
意味:からかう、いじめる。
使う場面:人をわざと困らせるようなやり取りを話すとき。
例文:失敗をせがわれて、黙ってしまった。→ 失敗をからかわれて、黙ってしまった。
筑豊・大任など。「せがむ=ねだる」とは別の言葉です。
90. ひねきる
意味:つねる。
使う場面:指先で皮膚をつまむ動作を話すとき。
例文:腕をひねきられたとこが、赤くなっとう。→ 腕をつねられたところが、赤くなっている。
筑豊・大任などで使われます。
91. ぎょうらしい
意味:大げさだ、仰々しい。
使う場面:小さなことを大きく騒ぐ様子に触れるとき。
例文:一個落としただけで、ぎょうらしく騒がんでもよかろう。→ 一個落としただけで、大げさに騒がなくてもいいでしょう。
筑豊など。「ぎょうらしか」という形もあります。
92. こぎる
意味:値切る。
使う場面:買い物で値段を下げてもらう話をするとき。
例文:朝市で少しこぎったら、おまけを付けてくれた。→ 朝市で少し値切ったら、おまけを付けてくれた。
筑豊などで使われ、博多にも見られます。
筑後弁・久留米周辺の言葉4選
久留米・筑後・八女など、県南部の言葉です。
93. ほとめき
意味:心を込めてもてなすこと、おもてなし。
使う場面:客を迎える準備や、迎えてもらった感想を話すとき。
例文:遠くから来た親戚に、旬の料理でほとめきしよう。→ 遠くから来た親戚に、旬の料理でおもてなしをしよう。
筑後の言葉。久留米市も「ほとめきの街」として紹介しています。
94. ばさらか
意味:とても、たくさん。
使う場面:物の多さや程度の大きさに驚いたとき。
例文:今年は柿がばさらか採れたけん、分けて持って帰って。→ 今年は柿がたくさん採れたから、分けて持って帰って。
筑後・八女など。筑豊にもあり、地域によっては「大ざっぱ」の意味もあります。
95. こがしこ
意味:これだけ、これくらい。
使う場面:量や大きさを、手元のものを示して伝えるとき。
例文:味噌はこがしこでよか? まだ足す?→ 味噌はこれくらいでいい? まだ足す?
筑後の、特に昔ながらの言い方です。
96. がまだす
意味:精を出す、一生懸命に働く。
使う場面:作業に打ち込む様子や、頑張った一日を話すとき。
例文:午前中がまだしたけん、畑の草取りが済んだ。→ 午前中に精を出したから、畑の草取りが済んだ。
筑後など。熊本を含む九州のほかの地域でも使われます。
筑豊などに伝わる人柄・動作の言葉4選
97. てれっと
意味:ぼんやりと、気が抜けた様子で。
使う場面:何もせずにぼうっとしていたことを話すとき。
例文:窓の外をてれっと見よったら、降りる駅を過ぎた。→ 窓の外をぼんやり見ていたら、降りる駅を過ぎた。
筑豊などで聞かれ、博多にもある言葉です。
98. とんぴんはる
意味:調子に乗る。
使う場面:浮かれて出しゃばったり、ふざけたりする様子を話すとき。
例文:褒められたら、すぐとんぴんはり出した。→ 褒められたら、すぐ調子に乗り始めた。
筑豊・大任などの言い方です。
99. げってん
意味:意地を張る人、気難しくて素直にならないこと。
使う場面:なかなか意見を変えない人の性格を話すとき。
例文:兄はげってんで、一度決めたら変えん。→ 兄は頑固で、一度決めたら変えない。
筑豊など。人への批判的な言い方になります。
100. きばる
意味:頑張る、力を入れて取り組む。
使う場面:作業を進めるときや、ひと踏ん張りするとき。
例文:片付けはあと一部屋やき、もう少しきばろう。→ 片付けはあと一部屋だから、もう少し頑張ろう。
筑豊・大任などにもある表現で、福岡だけの言葉ではありません。
まとめ
聞いたことのある言葉や、意外な意味の方言はありましたか? 「すいとう」の柔らかい響きも、「かべちょろ」のユニークな呼び名も、福岡の言葉は面白いですね^^