熊本県の方言には、「むぞらしか」のようなかわいい言葉や、「あとぜき」「なおす」など、地元ではよく使っていても県外では通じにくい表現があります。熊本弁を聞いて、意味が気になったことはありませんか?
言葉や会話表現100選を、意味・使う場面・例文付きで紹介します。熊本市周辺の言葉を中心に、地域ならではの呼び方も集めました。
言葉から探す(50音順)
- あせる
- あた
- あど
- あとぜき
- いっちょん
- いぬる
- うしつる
- うすぬっか
- うまか
- えすか
- おごる
- かかじる
- かごむ
- かずむ
- かせ
- かたぐる
- かたる
- がまだす
- かまや
- からいも
- からう
- がらかぶ
- きつか
- くびる
- くる
- 〜けん
- こぎゃん・そぎゃん・あぎゃん・どぎゃん
- こずむ
- こそばいか
- ごたる
- ごぶれいします
- こまか
- こわる
- さしより
- さるく
- 〜しきる
- じじ
- しちゃかちゃ
- しゃー
- じゅったんぼ
- しょうけ
- しょんなか
- すいとる
- すーすーすっ
- すたむる
- すらごつ
- ずんだれ
- せからしか
- せせくる
- せっこむ
- ぞろびく
- 〜たい
- たいぎゃ
- だご
- たまがる
- だんだん
- ちぎる
- つ
- つっこくる
- つめる
- てれっと
- 〜と?
- とぜんなか
- どべ
- なおす
- 〜なっせ
- なば
- 〜なん
- なんさま
- ぬっか
- ねずむ
- ねまる
- ねんかかる
- のさる
- 〜ば
- 〜ばい
- はいよ
- はがいか
- ばちかやす
- ばってん
- はらかく
- はわく
- ひだるか
- ひともじ
- ひょげもん
- ぶえん
- ふせ
- ぼうぶら
- ほけ
- まっぽし
- むしゃんよか
- むぞらしか
- めご
- もっこす
- やおいかん
- よか
- よかしこ
- よさり
- よな
- わさもん
熊本弁のかわいい言葉・親しみのある表現10選
愛らしさを伝える言葉と、響きや言い回しに親しみを感じる表現を紹介します。
1. むぞらしか
地域:熊本県内など
意味:かわいい、愛らしい。
使う場面:子どもや動物の表情を見て和むとき。
例文:眠そうな顔も、むぞらしかね。→ 眠そうな顔も、かわいいね。
「むぞか」も同じ意味の言い方です。
2. むしゃんよか
地域:熊本県内など
意味:かっこいい、見栄えがよい。
使う場面:服装や姿、振る舞いを褒めるとき。
例文:新しか眼鏡、むしゃんよかね。→ 新しい眼鏡、かっこいいね。
3. すいとる
地域:熊本県内など
意味:好きだ、好いている。
使う場面:人への好意や食べ物の好みを伝えるとき。
例文:あたの笑った顔、すいとるよ。→ あなたの笑った顔が好きだよ。
「しいとる」とも言います。
4. よか
地域:熊本・九州各地など
意味:よい、いい。十分だ。
使う場面:了承したり、何かを褒めたりするとき。
例文:その席でよかよ。窓が見えるけん。→ その席でいいよ。窓が見えるから。
「もうよか」なら「もう十分、要らない」の意味にも。勧めた物を受け取るのか断るのかは、前後の会話で変わります。
5. こまか
地域:熊本・九州各地など
意味:小さい。
使う場面:小物や小さな子どもの話をするとき。
例文:こまか靴が玄関に並んどる。→ 小さい靴が玄関に並んでいる。
細部の細かさだけでなく、大きさにも使います。
6. こそばいか
地域:熊本県内など
意味:くすぐったい。
使う場面:体に触れられて、くすぐったく感じたとき。
例文:首に毛先が当たって、こそばいか。→ 首に毛先が当たって、くすぐったい。
7. うすぬっか
地域:熊本県内の昔ながらの表現
意味:恥ずかしい、照れくさい。
使う場面:人前で褒められたり、目立ったりするとき。
例文:みんなの前で歌うとは、うすぬっかね。→ みんなの前で歌うのは、照れくさいね。
暑さを表す「ぬっか」とは違い、気持ちを表す言葉です。
8. とぜんなか
地域:熊本県内など
意味:寂しい、退屈だ。
使う場面:話し相手がいないときや、静かすぎるとき。
例文:泊まりに来た孫が帰ると、とぜんなか。→ 泊まりに来た孫が帰ると、寂しい。
「とぜんにゃあ」などとも言います。
9. じじ
地域:熊本の幼児語
意味:魚。
使う場面:小さな子に魚の話をするとき。
例文:水槽のじじ、こっちに来たね。→ 水槽の魚が、こちらに来たね。
10. ひょげもん
地域:熊本県内など
意味:ひょうきんな人、おどける人。
使う場面:周りを笑わせる人の話をするとき。
例文:兄ちゃんはひょげもんで、写真でも変な顔しとる。→ 兄はひょうきんで、写真でも変な顔をしている。
よく使う熊本弁の挨拶・語尾・会話表現15選
11. だんだん
地域:天草・球磨など県南部の伝統的な表現
意味:ありがとう。
使う場面:親切にしてもらったお礼を言うとき。
例文:畑の野菜、分けてもろてだんだん。→ 畑の野菜を分けてもらって、ありがとう。
熊本県全域で一様に使う挨拶ではありません。
12. 〜なっせ
地域:熊本県内など
意味:〜しなさい、〜してください。
使う場面:相手に勧めたり、穏やかに声をかけたりするとき。
例文:雨が強かけん、ここで休みなっせ。→ 雨が強いから、ここで休んでいきなさい。
「きなっせ」は「来てね、いらっしゃい」という呼びかけです。
13. はいよ
地域:熊本県内など
意味:ください、〜してください。
使う場面:物を頼んだり、手助けをお願いしたりするとき。
例文:そこの袋ば取ってはいよ。→ そこの袋を取ってください。
単なる返事の「はいよ」とは違い、お願いの文に付きます。
14. ごぶれいします
地域:熊本県内の昔ながらの挨拶
意味:失礼します。
使う場面:訪問を終えて帰るときなど。
例文:遅くなったけん、そろそろごぶれいします。→ 遅くなったので、そろそろ失礼します。
15. 〜ばい
地域:熊本・九州各地など
意味:〜だよ、〜ですよ。
使う場面:相手に情報や自分の判断を伝えるとき。
例文:入口は建物の反対側ばい。→ 入口は建物の反対側だよ。
16. 〜たい
地域:熊本県内など
意味:〜だよ、〜なんだ。
使う場面:説明や自分の考えを伝えるとき。
例文:この写真、去年の祭りの時たい。→ この写真は、去年の祭りの時のものだよ。
希望の「食べたい」などに付く「たい」とは別の働きです。
17. 〜けん
地域:熊本・九州各地など
意味:〜から、〜ので。
使う場面:理由を添えて話すとき。
例文:帰りは暗くなるけん、ライト持っていこう。→ 帰りは暗くなるから、ライトを持っていこう。
18. ばってん
地域:熊本・九州各地など
意味:だけど、けれども。
使う場面:前の話と違う事情を付け足すとき。
例文:道は狭かばってん、車は通れるよ。→ 道は狭いけれど、車は通れるよ。
19. 〜と?
地域:熊本・九州各地など
意味:〜なの?、〜するの?
使う場面:予定や様子を尋ねるとき。
例文:その席、誰かの分もとっとっと?→ その席は、誰かの分も取ってあるの?
「とっとっと?」のように同じ音が続くのも、会話で耳にする面白さです。
20. 〜ば
地域:熊本・九州各地など
意味:〜を。
使う場面:動作の対象を示すとき。
例文:帰る前に、この紙ば渡してね。→ 帰る前に、この紙を渡してね。
21. 〜しきる
地域:熊本・九州各地など
意味:〜できる。
使う場面:経験や能力としてできるかを話すとき。
例文:この自転車なら、一人で修理しきるよ。→ この自転車なら、一人で修理できるよ。
否定の「しきらん」は「できない」。「最後までやり切る」だけの意味ではありません。
22. 〜なん
地域:熊本市周辺など
意味:〜しなければならない。
使う場面:必要な用事や義務を伝えるとき。
例文:明日は早く起きなんけん、もう寝るね。→ 明日は早く起きなければならないから、もう寝るね。
「せなん」は「しなければならない」。地域によって「にゃん」などの形もあります。
23. ごたる
地域:熊本・九州各地など
意味:〜のようだ、〜みたいだ。
使う場面:様子を見て推測したり、何かにたとえたりするとき。
例文:あの雲、魚のごたるね。→ あの雲は、魚みたいだね。
24. こぎゃん・そぎゃん・あぎゃん・どぎゃん
地域:熊本県内など
意味:こんなふうに・そんなふうに・あんなふうに・どんなふうに。
使う場面:方法や様子を示したり、尋ねたりするとき。
例文:「これ、どぎゃん畳むと?」「こぎゃん、半分に折るとよ」→ 「これは、どう畳むの?」「こうやって、半分に折るんだよ」
手ぶりと一緒に「ぎゃん」と説明されると、実際に見ないと分からないことも。指す距離や対象で形が変わるので、一組で紹介しています。
25. あた
地域:熊本県内など
意味:あなた。
使う場面:親しい相手に呼びかけるとき。
例文:あたは、どっちの色がよか?→ あなたは、どちらの色がいい?
「あーた」「ああた」などの形もあります。
県外では通じにくい熊本弁・あるあるな言葉15選
同じ言葉が熊本以外で使われることもありますが、標準語のつもりで話すと意味がすれ違いやすい表現です。
26. あとぜき
地域:熊本県内など
意味:出入りした後に、戸やドアを閉めること。
使う場面:開けた戸を閉めてほしいとき。
例文:廊下から風が入るけん、あとぜきお願いね。→ 廊下から風が入るから、開けた戸を閉めてね。
戸の張り紙にも使える短い言葉ですが、知らない人には「何をするの?」となりやすい表現です。
27. なおす
地域:熊本を含む西日本各地
意味:片付ける、元の場所にしまう。
使う場面:使い終わった物を戻すとき。
例文:使わん皿は、上の棚になおしといて。→ 使わない皿は、上の棚にしまっておいて。
壊れていない皿でも「なおす」。修理の話だと思うと、会話がすれ違います。
28. からう
地域:熊本・九州各地など
意味:背負う。
使う場面:リュックや荷物を背中に掛けるとき。
例文:両手を空けたいけん、リュックばからっていく。→ 両手を空けたいから、リュックを背負っていく。
29. かたる
地域:熊本県内など
意味:仲間に加わる、参加する。
使う場面:遊びや集まりに入るとき。
例文:次の試合から、私もかたってよか?→ 次の試合から、私も参加していい?
「何かを語る」のではなく、一緒に参加する話です。
30. おごる
地域:熊本県内など
意味:叱る、怒る。
使う場面:注意されたことを話すとき。
例文:黙って道具ば借りたけん、父におごられた。→ 黙って道具を借りたから、父に叱られた。
「おごられた」と聞いても、ごちそうしてもらったとは限りません。
31. ねまる
地域:熊本を含む九州など
意味:食べ物が腐る、傷む。
使う場面:料理が傷んだことを話すとき。
例文:鍋の汁がねまっとったけん、捨てたよ。→ 鍋の汁が傷んでいたから、捨てたよ。
北日本では「座る」の意味で使う地域もあり、同じ音でも意味が変わります。
32. つ
地域:熊本県内など
意味:かさぶた。
使う場面:傷が乾いてできたかさぶたを指すとき。
例文:肘のつが、服に引っかかった。→ 肘のかさぶたが、服に引っかかった。
「つが取れた」だけで話が通じる、短さが印象的な言葉です。
33. のさる
地域:熊本県内など
意味:恵まれる、思いがけず手に入る。
使う場面:物をもらったり、よい機会に恵まれたりしたとき。
例文:近所から栗がのさったけん、分けようか。→ 近所から栗をもらったから、分けようか。
34. くる
地域:熊本県内など
意味:相手のいる所へ行く。
使う場面:電話などで、これから相手の所へ向かうと伝えるとき。
例文:今からそっちにくるけん、入口で待っとって。→ 今からそちらに行くから、入口で待っていて。
自分が向かう場面でも「くる」を使う用法です。
35. こわる
地域:熊本県内など
意味:筋肉が凝る、こわばる。
使う場面:体を使った後の張りや凝りを伝えるとき。
例文:昨日の作業で、肩がこわっとる。→ 昨日の作業で、肩が凝っている。
物が「壊れる」という話ではありません。
36. つめる
地域:熊本県内の用法
意味:鍵を掛ける。
使う場面:家を出る前などに施錠を確かめるとき。
例文:裏の戸は、もうつめたよ。→ 裏の戸は、もう鍵を掛けたよ。
37. はわく
地域:熊本・九州各地など
意味:ほうきで掃く。
使う場面:玄関や庭を掃除するとき。
例文:落ち葉だけ、先にはわいとこう。→ 落ち葉だけ、先に掃いておこう。
38. かせ
地域:熊本県内など
意味:手伝い、加勢。
使う場面:忙しい人の仕事を手伝うとき。
例文:荷物が多かけん、かせに行こう。→ 荷物が多いから、手伝いに行こう。
39. よな
地域:阿蘇周辺など
意味:火山灰。
使う場面:阿蘇の降灰や掃除の話をするとき。
例文:車の屋根によなが積もっとる。→ 車の屋根に火山灰が積もっている。
40. あせる
地域:西原周辺など
意味:探す、あさって探し出す。
使う場面:物を引き出しなどから探すとき。
例文:引き出しばあせったら、古か写真が出てきた。→ 引き出しを探したら、古い写真が出てきた。
この例では「焦る」ではなく、物を探す動作を表します。
日常の動作・仕事で使う熊本の方言20選
41. がまだす
地域:熊本県内など
意味:頑張る、精を出して働く。
使う場面:仕事や作業に力を入れるとき。
例文:午前中がまだしたけん、片付けまで終わった。→ 午前中頑張ったから、片付けまで終わった。
42. さるく
地域:熊本・九州各地など
意味:歩き回る。
使う場面:町歩きや散策をするとき。
例文:知らん路地ばさるいたら、小さか店を見つけた。→ 知らない路地を歩き回ったら、小さい店を見つけた。
「さろく」とも言います。
43. せせくる
地域:熊本県内など
意味:触る、いじる。
使う場面:小さな物などを指先で触るとき。
例文:設定ばせせくったら、音が出らんごつなった。→ 設定をいじったら、音が出なくなった。
44. くびる
地域:熊本県内など
意味:くくる、結ぶ。
使う場面:ひもなどで物をまとめるとき。
例文:新聞ばひもでくびっておいて。→ 新聞をひもで結んでおいて。
「きびる」という言い方もあります。
45. かかじる
地域:熊本県内など
意味:ひっかく、かきむしる。
使う場面:爪で傷が付いたことなどを話すとき。
例文:猫に手の甲ばかかじられた。→ 猫に手の甲をひっかかれた。
46. かずむ
地域:熊本県内など
意味:においを嗅ぐ。
使う場面:香りを確かめるとき。
例文:この花、ちょっとかずんでみて。→ この花の香りを、ちょっと嗅いでみて。
47. こずむ
地域:熊本県内など
意味:積み上げる。
使う場面:箱や荷物を重ねるとき。
例文:軽か箱を上にこずんでね。→ 軽い箱を上に積んでね。
「こづむ」とも表記します。
48. つっこくる
地域:熊本県内など
意味:転ぶ。
使う場面:足を取られて転んだとき。
例文:庭の石につまずいて、つっこくった。→ 庭の石につまずいて、転んだ。
「つこくる」などの形もあります。
49. ねずむ
地域:熊本県内など
意味:つねる。
使う場面:指先で皮膚をつままれたとき。
例文:腕ばねずまんで。ちゃんと起きとるよ。→ 腕をつねらないで。ちゃんと起きているよ。
50. ねんかかる
地域:熊本県内など
意味:もたれる、寄りかかる。
使う場面:背中や体を預けて休むとき。
例文:背もたれにねんかかって、少し休もう。→ 背もたれに寄りかかって、少し休もう。
51. ぞろびく
地域:熊本県内など
意味:引きずる。
使う場面:布や荷物が地面に触れたまま動くとき。
例文:袋の底が地面ばぞろびいとるよ。→ 袋の底が地面を引きずっているよ。
52. うしつる
地域:熊本県内など
意味:捨てる。
使う場面:不要になった物を処分するとき。
例文:中の紙を出してから、封筒ばうしつってね。→ 中の紙を出してから、封筒を捨ててね。
53. いぬる
地域:熊本を含む西日本の一部
意味:帰る、去る。
使う場面:その場を離れて帰るとき。
例文:日が暮れる前に、いのうかね。→ 日が暮れる前に、帰ろうかね。
54. ちぎる
地域:熊本県内など
意味:実などをもぎ取る。
使う場面:畑や庭の作物を収穫するとき。
例文:赤くなったトマトから、ちぎってよかよ。→ 赤くなったトマトから、もぎ取っていいよ。
紙を細かく破る動作だけでなく、実を採る場面にも使います。
55. かごむ
地域:熊本県内など
意味:しゃがむ。
使う場面:低い場所を見るために腰を落とすとき。
例文:棚の下にあるけん、かごんで見て。→ 棚の下にあるから、しゃがんで見て。
56. ふせ
地域:熊本県内の昔ながらの言葉
意味:衣類の繕い、当て布。
使う場面:布の破れを直すとき。
例文:膝の破れには、裏からふせばしよう。→ 膝の破れには、裏から当て布をしよう。
57. ばちかやす
地域:熊本県内など
意味:ひっくり返す。
使う場面:容器などを勢いよく倒すとき。
例文:椅子を動かしたら、バケツばばちかやした。→ 椅子を動かしたら、バケツをひっくり返した。
58. すたむる
地域:熊本県内の昔ながらの言葉
意味:水気を切る。
使う場面:洗った物などの水を切るとき。
例文:ざるに上げて、ようすたむってね。→ ざるに上げて、よく水気を切ってね。
59. かたぐる
地域:熊本県内など
意味:肩に担ぐ。
使う場面:長い物や大きな荷物を運ぶとき。
例文:長か竹は、二人でかたぐって運ぼう。→ 長い竹は、二人で肩に担いで運ぼう。
60. せっこむ
地域:熊本県内など
意味:慌てる、急ぐ。
使う場面:急いでいて落ち着かないとき。
例文:せっこんで、切符を机に忘れた。→ 慌てて、切符を机に忘れた。
気持ち・様子・程度を表す熊本弁20選
61. せからしか
地域:熊本・九州各地など
意味:うるさい、わずらわしい。
使う場面:音や繰り返される話を煩わしく感じたとき。
例文:朝から通知が鳴り続けて、せからしか。→ 朝から通知が鳴り続けて、うるさい。
人に直接言うと、強い不満が伝わることがあります。
62. はらかく
地域:熊本県内など
意味:腹を立てる、怒る。
使う場面:何かが気に入らず怒ったとき。
例文:勝手に予定を変えたら、姉がはらかいた。→ 勝手に予定を変えたら、姉が怒った。
「お腹をかく」や「満腹になる」という意味ではありません。
63. えすか
地域:熊本県内など
意味:怖い、恐ろしい。
使う場面:暗い道や危ない状況に怖さを感じたとき。
例文:柵のなか橋は、下を見るとえすか。→ 柵のない橋は、下を見ると怖い。
「えじい」「えじー」などの言い方もあります。
64. たまがる
地域:熊本県内など
意味:驚く、びっくりする。
使う場面:思いがけない音や出来事に驚いたとき。
例文:急に窓が閉まったけん、たまがった。→ 急に窓が閉まったから、びっくりした。
「うったまがる」「ひったまがる」など、強めた形もあります。
65. やおいかん
地域:熊本県内など
意味:簡単にはいかない、大変だ。
使う場面:思ったより手間がかかると分かったとき。
例文:家具を階段で運ぶとは、やおいかんね。→ 家具を階段で運ぶのは、大変だね。
66. はがいか
地域:熊本県内など
意味:悔しい、もどかしい。
使う場面:思うような結果にならなかったとき。
例文:あと一点で負けたとは、はがいかね。→ あと一点で負けたのは、悔しいね。
67. きつか
地域:熊本・九州各地など
意味:疲れた、つらい。
使う場面:体の疲れや作業の大変さを伝えるとき。
例文:荷物を持って坂を上るとは、きつか。→ 荷物を持って坂を上るのは、つらい。
68. しょんなか
地域:熊本県内など
意味:仕方がない。
使う場面:変えられない事情を受け入れるとき。
例文:船が出らんなら、今日はしょんなかね。→ 船が出ないなら、今日は仕方がないね。
69. しちゃかちゃ
地域:熊本県内など
意味:めちゃくちゃ、乱雑。
使う場面:片付いていない状態や混乱を表すとき。
例文:引っ越しの途中で、部屋がしちゃかちゃたい。→ 引っ越しの途中で、部屋がめちゃくちゃだよ。
「しちゃくちゃ」などとも言います。
70. ずんだれ
地域:熊本・九州各地など
意味:だらしない様子。
使う場面:衣服が緩んでいたり、身なりが整っていなかったりするとき。
例文:襟が伸びて、ずんだれた格好になっとる。→ 襟が伸びて、だらしない格好になっている。
71. てれっと
地域:熊本県内など
意味:ぼんやりと。
使う場面:何もせず、ぼうっと過ごしているとき。
例文:休みの日は、窓辺でてれっとしとった。→ 休みの日は、窓辺でぼんやりしていた。
72. もっこす
地域:熊本県内など
意味:頑固な人、意地を通す人。
使う場面:考えを曲げない人の気質を話すとき。
例文:父はもっこすで、道具の置き場所も変えん。→ 父は頑固で、道具の置き場所も変えない。
「肥後もっこす」とも言います。熊本の人全員を指す性格ではありません。
73. わさもん
地域:熊本県内など
意味:新しい物好きな人。
使う場面:新商品や新しい店をすぐ試す人の話をするとき。
例文:新しか店はもう行ったと? わさもんね。→ 新しい店にはもう行ったの? 新しい物好きだね。
74. ぬっか
地域:熊本・九州各地など
意味:暖かい、暑い。
使う場面:気温や体に感じる暖かさを話すとき。
例文:日なたの席は、上着がいらんほどぬっか。→ 日なたの席は、上着が要らないほど暖かい。
75. すーすーすっ
地域:熊本・九州各地など
意味:ひんやりする、すーすーする。
使う場面:隙間風などで冷たく感じるとき。
例文:窓際だけ足元がすーすーすっ。→ 窓際だけ足元がひんやりする。
「すーすー」と「する」の音が続く表現です。
76. すらごつ
地域:熊本県内など
意味:うそ、事実でない話。
使う場面:大げさな話や作り話を指すとき。
例文:魚が一メートルあったとは、すらごつたい。→ 魚が一メートルあったというのは、うそだよ。
77. たいぎゃ
地域:熊本県内など
意味:とても、すごく。
使う場面:量や程度の大きさを強めるとき。
例文:焼きたてのパン、たいぎゃよか匂いがする。→ 焼きたてのパンは、とてもいい匂いがする。
78. いっちょん
地域:熊本・九州各地など
意味:全然、少しも。
使う場面:できないことや分からないことを強く伝えるとき。
例文:地図を見ても、入口がいっちょん分からん。→ 地図を見ても、入口が全然分からない。
主に否定の表現と組み合わせます。
79. さしより
地域:熊本県内など
意味:とりあえず、まずは。
使う場面:最初にすることを決めるとき。
例文:さしより荷物を置いて、受付に行こう。→ とりあえず荷物を置いて、受付に行こう。
「さしおり」とも言います。
80. なんさま
地域:熊本県内など
意味:とにかく、何しろ。
使う場面:細かな話より、まず伝えたいことを言うとき。
例文:なんさま一度、実物を見てほしか。→ とにかく一度、実物を見てほしい。
食べ物・暮らしで使う熊本の方言20選
81. うまか
地域:熊本・九州各地など
意味:おいしい。
使う場面:食べた物のおいしさを伝えるとき。
例文:皮まで焼いた魚は、香ばしくてうまかね。→ 皮まで焼いた魚は、香ばしくておいしいね。
82. ひだるか
地域:熊本県内など
意味:お腹がすいた、ひもじい。
使う場面:食事前の空腹を伝えるとき。
例文:昼ご飯が早かったけん、もうひだるか。→ 昼ご飯が早かったから、もうお腹がすいた。
83. からいも
地域:熊本・南九州など
意味:さつまいも。
使う場面:芋料理や買い物の話をするとき。
例文:からいもは、皮つきのまま蒸そうか。→ さつまいもは、皮付きのまま蒸そうか。
84. なば
地域:熊本・九州など
意味:きのこ。
使う場面:料理に使うきのこの話をするとき。
例文:汁になばを入れると、香りがよかね。→ 汁にきのこを入れると、香りがいいね。
85. ぼうぶら
地域:熊本県内・天草など
意味:かぼちゃ。
使う場面:野菜の収穫や煮物の話をするとき。
例文:大きかぼうぶらを、半分もろたよ。→ 大きなかぼちゃを半分もらったよ。
86. がらかぶ
地域:熊本の沿岸部など
意味:カサゴ。
使う場面:釣った魚や煮付けの話をするとき。
例文:今日のがらかぶは、味噌汁にしよう。→ 今日のカサゴは、味噌汁にしよう。
87. ひともじ
地域:熊本県内など
意味:ワケギなど、細い葉のネギの仲間。
使う場面:郷土料理や野菜の話をするとき。
例文:ひともじをゆでて、酢味噌で食べよう。→ ワケギをゆでて、酢味噌で食べよう。
郷土料理の「ひともじのぐるぐる」にも残る呼び名です。
88. ぶえん
地域:熊本県内の昔ながらの言葉
意味:塩で保存していない、生の新鮮な魚。
使う場面:魚の鮮度や食べ方の話をするとき。
例文:今日はぶえんが入ったけん、刺身にしよう。→ 今日は新鮮な魚が入ったから、刺身にしよう。
89. しゃー
地域:熊本県内など
意味:おかず。
使う場面:ご飯に添える料理を話すとき。
例文:今夜のしゃーは、焼き魚にしたよ。→ 今夜のおかずは、焼き魚にしたよ。
「飯んしゃー」のようにも使います。
90. しょうけ
地域:熊本県内など
意味:ざる。
使う場面:野菜を洗ったり水を切ったりするとき。
例文:洗った菜っ葉は、しょうけに上げて。→ 洗った菜っ葉は、ざるに上げて。
91. めご
地域:熊本県内の昔ながらの言葉
意味:かご。
使う場面:収穫物などを入れるかごを指すとき。
例文:ちぎった柿を、めごに入れよう。→ もぎ取った柿を、かごに入れよう。
92. ほけ
地域:熊本県内など
意味:湯気、吐く息。
使う場面:熱い食べ物や寒い日の息を見るとき。
例文:茶碗からほけが上がっとる。→ 茶碗から湯気が上がっている。
93. かまや
地域:熊本県内の昔ながらの言葉
意味:台所。
使う場面:料理をする場所を指すとき。
例文:鍋なら、かまやの棚にあるよ。→ 鍋なら、台所の棚にあるよ。
94. じゅったんぼ
地域:熊本県内など
意味:泥でぬかるんだ場所。
使う場面:雨の後の田んぼや地面の状態を話すとき。
例文:裏の道がじゅったんぼで、靴が沈む。→ 裏の道がぬかるんでいて、靴が沈む。
95. あど
地域:熊本県内の各地域
意味:かかと。
使う場面:足や靴の当たる場所を伝えるとき。
例文:新しか靴が、あどに当たる。→ 新しい靴が、かかとに当たる。
96. だご
地域:熊本県内など
意味:団子。
使う場面:おやつや郷土料理の話をするとき。
例文:残っただごは、明日蒸し直そう。→ 残った団子は、明日蒸し直そう。
「いきなりだご」「だご汁」などの料理名にも使われます。
97. よさり
地域:熊本県内の昔ながらの言葉
意味:夜。
使う場面:夜の予定や時間帯を話すとき。
例文:よさりは冷えるけん、上着を置いとこう。→ 夜は冷えるから、上着を置いておこう。
98. どべ
地域:熊本を含む西日本など
意味:最後、最下位。
使う場面:順番や競争の順位を話すとき。
例文:走るとはどべだったばってん、楽しかった。→ 走るのは最下位だったけれど、楽しかった。
「どべこす」とも言います。
99. まっぽし
地域:熊本県内など
意味:ぴったり、ずばり。
使う場面:予想などがぴたりと当たるとき。
例文:重さの予想が、まっぽし当たった。→ 重さの予想が、ぴったり当たった。
100. よかしこ
地域:熊本県内など
意味:好きなだけ、よいと思う分だけ。
使う場面:量を相手に任せるとき。
例文:みかんは、よかしこ袋に入れてね。→ みかんは、好きなだけ袋に入れてね。
まとめ
聞き覚えのある熊本弁や、意外な意味の言葉はありましたか? 「なおす」「おごる」の意味が変わる面白さも、「むぞらしか」のやわらかな響きも魅力ですよね。私は、身近な会話の中に熊本らしさが出るところが好きです^^