愛媛県の方言には、「だんだん」のような温かい言葉や、「ふくらんぼ」のように可愛い響きの言葉があります。「かく=持ち上げて運ぶ」「まがる=触る」など、意味を知ると面白い表現もありますね^^
この記事では、可愛い方言・よく使う言葉・面白い表現・難しい言葉・怖く聞こえる言葉・語尾の100項目を、意味と例文で紹介します。
愛媛の可愛い方言10選
柔らかな響きや親しみを感じる呼び名を集めました。子どもに向けた言葉や、昔ながらのお礼の言葉も紹介します。
1. だんだん
松山など・昔からのお礼の言葉
意味:ありがとう。
使う場面:贈り物や親切にお礼を伝えるとき。
例文:荷物を届けてくれたんね。だんだん。→ 荷物を届けてくれたんだね。ありがとう。
日常での使用には世代差があります。
2. こんまい(こまい)
意味:小さい。
使う場面:小さな物を見つけたり、大きさを比べたりするとき。
例文:こんまいボタンが一つ、床に落ちとったよ。→ 小さなボタンが一つ、床に落ちていたよ。
3. やおい
新居浜など
意味:やわらかい。
使う場面:食べ物や物の感触を話すとき。
例文:この柿は、もうやおうなっとるね。→ この柿は、もうやわらかくなっているね。
4. ちょっぽし
新居浜など
意味:少し、ほんのわずか。
使う場面:量や時間の少なさを伝えるとき。
例文:牛乳をちょっぽし足したら、飲みやすいよ。→ 牛乳を少し足すと、飲みやすいよ。
5. くすばい
新居浜など
意味:くすぐったい。
使う場面:肌に何かが触れ、くすぐったく感じるとき。
例文:髪の先が首に当たって、くすばいわ。→ 髪の先が首に当たって、くすぐったいよ。
6. ふくらんぼ
新居浜など
意味:風船。
使う場面:風船を膨らませたり、飾ったりするとき。
例文:赤いふくらんぼを、入り口に飾ろう。→ 赤い風船を入り口に飾ろう。
7. ややこ
南予・西予市城川町など
意味:赤ちゃん。
使う場面:小さな子の様子や家族の話をするとき。
例文:ややこが寝たけん、声を小そうしよう。→ 赤ちゃんが寝たから、声を小さくしよう。
関西などにも共通する言葉です。
8. おっぱ
南予・西予市城川町など
意味:おんぶ。
使う場面:子どもを背負うことを話すとき。
例文:歩き疲れたん? おっぱしようか。→ 歩き疲れたの? おんぶしようか。
9. ちんちべべ
昔ながらの言い方
意味:とっておきの晴れ着。
使う場面:子どものよそ行きの着物について話すとき。
例文:この写真のちんちべべは、祖母が縫ったんよ。→ この写真の晴れ着は、祖母が縫ったんだよ。
10. おっくばみ
幼児に向けた昔ながらの言い方
意味:正座。主に子どもに使う言い方。
使う場面:座敷での座り方を伝えるとき。
例文:おっくばみしたら、背筋が伸びたね。→ 正座したら、背筋が伸びたね。
愛媛でよく使う方言・挨拶20選
11. たいぎい
意味:だるい、しんどい。面倒に感じる。
使う場面:疲れて動きづらいときや、手間を負担に感じるとき。
例文:今日は体がたいぎいけん、買い物は明日にする。→ 今日は体がだるいから、買い物は明日にする。
12. がいな(がいに)
松山など
意味:すごい、勢いが強い。「がいに」は程度の強さを表す。
使う場面:大きさや勢いに驚いたとき。
例文:がいな音がしたけど、何が落ちたん?→ すごい音がしたけれど、何が落ちたの?
13. かまん(かんまん)
意味:かまわない、いい。
使う場面:承諾したり、相手の都合を尋ねたりするとき。
例文:この椅子、窓の方へ動かしてもかまん?→ この椅子を窓の方へ動かしてもいい?
14. いぬ・いぬる
意味:帰る。
使う場面:帰宅することを伝えるとき。
例文:雨が降らんうちに、そろそろいぬるわ。→ 雨が降らないうちに、そろそろ帰るよ。
「いんでこーわい」は「帰ります」の挨拶。すぐ戻るという意味とは限りません。
15. ようけ(よっけ)
意味:たくさん。
使う場面:数や量の多さを話すとき。
例文:干した大根が、ようけ並んどるね。→ 干した大根がたくさん並んでいるね。
16. ひっしこ
新居浜など
意味:一生懸命、必死に。
使う場面:力を入れて何かに取り組むとき。
例文:弟がひっしこ練習して、やっと吹けるようになった。→ 弟が一生懸命練習して、やっと吹けるようになった。
17. むつごい(むつこい)
意味:脂っこい、味がくどく感じられる。
使う場面:料理の濃さや食べた後の重さを話すとき。
例文:揚げ物が続いたけん、今日はちょっとむつごいな。→ 揚げ物が続いたから、今日は少し脂っこく感じるね。
18. なんちゃ
意味:何も、何でも。否定の表現と一緒に使うことが多い。
使う場面:何もしていない、問題がないなどと伝えるとき。
例文:朝からなんちゃ食べてないんよ。→ 朝から何も食べていないんだよ。
「なんちゃない」は「何でもない」という意味にもなります。
19. いなげな
意味:変な、妙な。
使う場面:普段と違う様子が気になったとき。
例文:さっきから、いなげな音が聞こえるね。→ さっきから変な音が聞こえるね。
20. いごく
南予など
意味:動く。
使う場面:物や人が動くことを話すとき。
例文:この古い時計、まだいごくんやね。→ この古い時計は、まだ動くんだね。
21. のうなる
新居浜など
意味:なくなる。
使う場面:物を使い切ったり、見当たらなくなったりしたとき。
例文:糸がのうなったけん、続きを縫えんのよ。→ 糸がなくなったから、続きを縫えないんだよ。
22. せっとる
新居浜など
意味:混んでいる、込み合っている。
使う場面:人や車が多い場所の様子を話すとき。
例文:今日は売り場がせっとるけん、先に二階を見よう。→ 今日は売り場が混んでいるから、先に二階を見よう。
23. わっせる
新居浜など
意味:忘れる。
使う場面:予定や持ち物を忘れたことに気づいたとき。
例文:予約の時間、すっかりわっせとった。→ 予約の時間を、すっかり忘れていた。
24. ねしな
新居浜など
意味:寝る前、寝入りばな。
使う場面:夜の習慣や就寝前の出来事を話すとき。
例文:ねしなに、明日の持ち物を確かめとくんよ。→ 寝る前に、明日の持ち物を確かめておくんだよ。
25. やんばいな
南予・西予市城川町など
意味:ちょうどよい、具合がよい。
使う場面:温度や大きさなどが適当だと感じたとき。
例文:お湯がやんばいな温かさになったよ。→ お湯がちょうどよい温かさになったよ。
26. さっちに
新居浜など
意味:無理に、わざわざ。
使う場面:無理をして行うことを話すとき。
例文:雨の中、さっちに取りに行かんでもええよ。→ 雨の中、無理に取りに行かなくてもいいよ。
27. おいでる
松山など
意味:いらっしゃる。
使う場面:来客や目上の人の居場所・来訪を話すとき。
例文:先生は、もう会場においでるんですか。→ 先生は、もう会場にいらっしゃるのですか。
28. おしまいたか
中予・昔ながらの挨拶
意味:こんばんは。仕事を終えた相手への挨拶。
使う場面:夕方から夜、近所の人に声をかけるとき。
例文:おしまいたか。今日はよう晴れましたね。→ こんばんは。今日はよく晴れましたね。
一日の仕事が終わったかを尋ねる形の言葉です。
29. おっとろしや
南予など
意味:びっくりした、なんとまあ。
使う場面:思いがけないことに驚いたとき。
例文:おっとろしや、こんな大きな芋が掘れたんね。→ びっくりした、こんな大きな芋が掘れたんだね。
怖さだけでなく、驚きを表すこともあります。
30. ことんならん
昔ながらの言い方
意味:物事が進まない、役に立たない。
使う場面:準備不足などで作業が成り立たないとき。
例文:寸法を測らんことには、ことんならんね。→ 寸法を測らないことには、作業が進まないね。
愛媛の面白い方言20選
31. まがる
松山など中予・今治でも用例あり
意味:触る、いじる。邪魔になる。
使う場面:物に触れることや、通り道をふさぐ物を話すとき。
例文:塗ったばかりやけん、そこはまがらんといて。→ 塗ったばかりだから、そこは触らないでおいて。
「曲がる」だけで解釈すると、話が通じにくい言葉です。
32. かく
松山・今治・新居浜など
意味:持ち上げて運ぶ、担ぐ。
使う場面:重い物を誰かと運ぶとき。
例文:この長机、向こう側をかいてくれる?→ この長机の向こう側を持って運んでくれる?
33. かってこい
東予・中予
意味:借りてこい。
使う場面:必要な道具を借りるよう頼むとき。
例文:受付で台車をかってきてくれん?→ 受付で台車を借りてきてくれない?
「買ってくる」と混同しやすい表現です。買う場合は「こうてくる」と言います。
34. かいさま
昔ながらの言い方
意味:逆さま、裏返し、あべこべ。
使う場面:物の向きが反対になっているとき。
例文:看板の矢印、かいさまになっとるよ。→ 看板の矢印が逆向きになっているよ。
35. まつぼり
昔ながらの言い方
意味:へそくり。内緒でためたお金。
使う場面:こっそりためたお金について話すとき。
例文:まつぼりで、新しい釣り竿を買うたんよ。→ へそくりで新しい釣り竿を買ったんだよ。
36. もぶり
県内の郷土的な呼び名
意味:五目ご飯、具を混ぜたご飯。
使う場面:家庭のご飯の献立を話すとき。
例文:今日はもぶりにしたけん、おかずは少なめよ。→ 今日は五目ご飯にしたから、おかずは少なめだよ。
味付けや具は地域・家庭によって異なります。
37. こんこ
意味:たくあん。
使う場面:食卓の漬物を話すとき。
例文:こんこを薄う切って、小皿に出そう。→ たくあんを薄く切って、小皿に出そう。
38. はらふとい
意味:お腹がいっぱい。
使う場面:十分に食べたことを伝えるとき。
例文:お餅を二つ食べたら、はらふとうなった。→ お餅を二つ食べたら、お腹がいっぱいになった。
39. どべ
意味:最下位、びり。
使う場面:順番や競争の結果を話すとき。
例文:私がどべでも、最後まで待っとってね。→ 私が最下位でも、最後まで待っていてね。
40. おんびき
南予・西予市城川町など
意味:カエル。
使う場面:田畑や庭で見かけた生き物を話すとき。
例文:雨上がりに、おんびきが道へ出てきた。→ 雨上がりにカエルが道へ出てきた。
41. おごろ
南予・西予市城川町など
意味:モグラ。
使う場面:土の盛り上がりや畑の生き物を話すとき。
例文:この土の山は、おごろが作ったんかな。→ この土の山は、モグラが作ったのかな。
42. おばち
南予・西予市城川町など
意味:しっぽ。
使う場面:犬や猫などの様子を話すとき。
例文:猫がおばちを立てて、近寄ってきたよ。→ 猫がしっぽを立てて近寄ってきたよ。
43. しゃっぽ
南予など・昔ながらの言い方
意味:帽子。
使う場面:外出の支度や帽子の持ち物確認をするとき。
例文:しゃっぽを玄関に置いたままやった。→ 帽子を玄関に置いたままだった。
愛媛以外にも残る呼び名です。
44. がんごう
新居浜など
意味:お化け、化け物。
使う場面:子どもとの会話や昔話でお化けを話すとき。
例文:この絵のがんごう、目が三つもあるね。→ この絵のお化けは、目が三つもあるね。
45. かやす
意味:ひっくり返す、倒す。
使う場面:容器を倒したり、中身をこぼしたりしたとき。
例文:袖が当たって、絵の具の水をかやしてしもうた。→ 袖が当たって、絵の具の水をひっくり返してしまった。
46. たてる
南予・西予市城川町など
意味:戸などを閉める。
使う場面:戸締まりや室内の温度を話すとき。
例文:冷たい風が入るけん、戸をたてて。→ 冷たい風が入るから、戸を閉めて。
47. つむ
今治・南予など
意味:髪などを切る。
使う場面:散髪や髪の長さを話すとき。
例文:前髪だけ、もう少しつんでもらおう。→ 前髪だけ、もう少し切ってもらおう。
48. ちゃがまる
南予・西予市城川町など
意味:物が壊れる。
使う場面:道具が使えなくなったとき。
例文:長年使った扇風機が、とうとうちゃがまった。→ 長年使った扇風機が、とうとう壊れた。
49. おとどい
昔ながらの言い方
意味:きょうだい。
使う場面:家族の人数や関係を話すとき。
例文:おとどいがそろうんは、何年ぶりやろう。→ きょうだいがそろうのは、何年ぶりだろう。
50. おとみ
昔の近所付き合いの言葉
意味:いただき物に対する、心ばかりのお返し。
使う場面:借りた器などを返す際に品物を添えるとき。
例文:おとみに、庭の柿を少し入れとこう。→ お返しに、庭の柿を少し入れておこう。
愛媛の難しい方言25選
初めて聞くと意味を想像しにくい言葉です。土地に伝わる呼び名や、昔の暮らしに関わる語も含めています。
51. あらやけ
南予・西予市城川町など
意味:後片付け。
使う場面:食事や作業の後に片づけるとき。
例文:料理は任せたけん、あらやけは私がするよ。→ 料理は任せたから、後片付けは私がするよ。
52. いこしい
南予・西予市城川町など
意味:弱々しい。
使う場面:力の弱い様子を話すとき。
例文:苗がまだいこしいけん、支えを添えよう。→ 苗がまだ弱々しいから、支えを添えよう。
53. いそしい
南予・西予市城川町など
意味:手早い、動作が素早い。
使う場面:仕事や支度の手際を話すとき。
例文:あの人は仕事がいそしいけん、もう終わっとる。→ あの人は仕事が手早いから、もう終わっている。
54. さおがす
南予・西予市城川町など
意味:急がせる。
使う場面:相手に早くしてもらうとき。
例文:そんなにさおがしたら、忘れ物をするよ。→ そんなに急がせたら、忘れ物をするよ。
55. さがしい
南予・西予市城川町など
意味:険しい。
使う場面:山道や坂の歩きにくさを話すとき。
例文:ここから上は、さがしい道になるんよ。→ ここから上は、険しい道になるんだよ。
56. そべら
南予・西予市城川町など
意味:とげ。
使う場面:木片などの細いとげを話すとき。
例文:板を運んだら、指にそべらが刺さった。→ 板を運んだら、指にとげが刺さった。
57. だいら
南予・西予市城川町など
意味:クモ。
使う場面:家や庭の生き物を話すとき。
例文:窓の外で、だいらが巣を張っとる。→ 窓の外でクモが巣を張っている。
58. たねご
南予・西予市城川町など
意味:小川、小さな谷川。
使う場面:里山の水辺や道順を話すとき。
例文:たねごを渡ったら、畑が見えてくるよ。→ 小川を渡ると、畑が見えてくるよ。
59. とぎ
南予・西予市城川町など
意味:一緒に行く人、同行者。
使う場面:連れや一緒に出かける相手を話すとき。
例文:明日はとぎがおるけん、道中も退屈せん。→ 明日は一緒に行く人がいるから、道中も退屈しない。
60. とめる
南予・西予市城川町など
意味:探す。
使う場面:なくした物を見つけようとするとき。
例文:さっきから、納屋の鍵をとめよるんよ。→ さっきから納屋の鍵を探しているんだよ。
61. ぶえん
南予・西予市城川町など
意味:生の魚。
使う場面:魚の買い物や調理の話をするとき。
例文:今日はぶえんを買うて、煮付けにしよう。→ 今日は生の魚を買って、煮付けにしよう。
62. ぽんし
南予・西予市城川町など・昔の衣類の呼び名
意味:綿の入った袖なしの上着。
使う場面:寒い日の服装や昔の衣類を話すとき。
例文:朝は冷えるけん、ぽんしを羽織っとこう。→ 朝は冷えるから、綿入れの袖なしを羽織っておこう。
63. みぞい
南予・西予市城川町など
意味:短い。
使う場面:長さが足りないことを伝えるとき。
例文:このひもはみぞいけん、箱を結べんね。→ このひもは短いから、箱を結べないね。
64. ゆるべる
南予・西予市城川町など
意味:温める。
使う場面:冷えた物を温かくするとき。
例文:お汁を少しゆるべてから、食卓へ出そう。→ お汁を少し温めてから、食卓へ出そう。
65. ひだるい
南予など
意味:お腹がすいている。
使う場面:空腹を伝えるとき。
例文:朝が早かったけん、もうひだるうなった。→ 朝が早かったから、もうお腹がすいてきた。
66. どんざ
昔の仕事着の呼び名
意味:布を重ねて刺し縫いした仕事着。
使う場面:昔の農作業・漁の衣類を話すとき。
例文:祖父のどんざが、箱の中に残っとった。→ 祖父の刺し子の仕事着が、箱の中に残っていた。
地方によっては、どてらを指す場合もあります。
67. まどう(まぞう)
昔ながらの言い方
意味:弁償する、償う。
使う場面:壊した物などの代金を負担するとき。
例文:欠けさせたお皿は、私がまどうよ。→ 欠けさせたお皿は、私が弁償するよ。
68. くくりぼし
新居浜など
意味:ひもなどの結び目。
使う場面:荷物をほどいたり、ひもを結び直したりするとき。
例文:くくりぼしが固うて、なかなかほどけん。→ 結び目が固くて、なかなかほどけない。
69. きにょう
新居浜など
意味:昨日。
使う場面:前日の出来事を話すとき。
例文:きにょう預かった本、ここに置いとくね。→ 昨日預かった本を、ここに置いておくね。
70. こいさ
新居浜など
意味:今晩。
使う場面:今夜の予定を話すとき。
例文:こいさは月がよう見えそうやね。→ 今晩は月がよく見えそうだね。
71. すまんこ
新居浜など
意味:隅っこ。
使う場面:部屋や物の端の位置を伝えるとき。
例文:棚のすまんこに、探しよった箱があった。→ 棚の隅っこに、探していた箱があった。
72. めっこ
新居浜など
意味:目分量。
使う場面:計量せず、見た目で量を決めるとき。
例文:水はめっこで入れたけん、少し多かったかな。→ 水は目分量で入れたから、少し多かったかな。
73. めんめに
新居浜など
意味:それぞれに、各自で。
使う場面:一人ずつ分けて行うことを伝えるとき。
例文:帰りの切符は、めんめに持っとこう。→ 帰りの切符は、それぞれ持っておこう。
74. てだって
新居浜など
意味:連れ立って、一緒に。
使う場面:複数の人がそろって出かけるとき。
例文:近所の人とてだって、朝市へ出かけた。→ 近所の人と連れ立って、朝市へ出かけた。
75. まんべに
新居浜など
意味:平等に、偏りなく。
使う場面:物を同じように分けるとき。
例文:みんなの袋へ、まんべに分けて入れよう。→ みんなの袋へ、平等に分けて入れよう。
愛媛の怖い言葉・強く聞こえる表現15選
強い悪口だけでなく、叱る場面で出てくる言葉もあります。「せられん」は禁止、「ほたえる」は騒ぐ動作を表す言葉で、どちらも相手をののしる意味ではありません。
76. おどれ(おんどれ)
荒い呼びかけ
意味:相手を荒く呼ぶ「お前」「貴様」。
使う場面:怒りや敵意を強く向ける場面。
例文:おどれ、何しよるんぞ。→ お前、何をしているんだ。
親しい相手への普通の呼び名とは異なります。
77. かちまわす
強い言葉
意味:殴る、強くたたく。
使う場面:けんかや暴力的な発言の内容を話すとき。
例文:「かちまわすぞ」と言われて、怖かった。→ 「殴るぞ」と言われて怖かった。
78. にやす
新居浜など
意味:殴る。
使う場面:けんかの様子を話すとき。
例文:腹が立っても、人をにやしたらいかん。→ 腹が立っても、人を殴ってはいけない。
79. ほたえる
新居浜など
意味:ふざける、騒ぐ。
使う場面:はしゃぎすぎる相手を止めるとき。
例文:階段でほたえたら、危ないよ。→ 階段でふざけたら、危ないよ。
叱る場面にも出ますが、言葉そのものが悪口というわけではありません。
80. せられん
新居浜・南予など
意味:してはいけない。
使う場面:相手の行動を止めたり、禁止を伝えたりするとき。
例文:その線より先へは、出たりせられんよ。→ その線より先へは、出たりしてはいけないよ。
強く聞こえても、危険を知らせる注意の場合があります。
81. へらこい
新居浜など
意味:ずるい、抜け目がない。
使う場面:自分だけ得をするような行動を批判するとき。
例文:都合のええとこだけ話すんは、へらこいね。→ 都合のよいところだけ話すのは、ずるいね。
82. よもだ
県内で知られる言い方
意味:無責任な言動、とぼけたこと。また、そのような人。
使う場面:でたらめな話やいい加減な態度を指すとき。
例文:約束を忘れたふりするなんて、よもだやね。→ 約束を忘れたふりをするなんて、いい加減だね。
軽口にも叱責にもなり、口調や関係で受け取られ方が変わります。
83. いっぷり
昔ながらの言い方
意味:短気で偏屈な人。
使う場面:扱いづらい性格を悪く言うとき。
例文:意見が違うだけで怒るなんて、いっぷりやな。→ 意見が違うだけで怒るなんて、短気で偏屈だね。
84. いこずねる
昔ながらの言い方
意味:ひねくれる。物がねじれ曲がる。
使う場面:素直に受け取らない態度などを話すとき。
例文:ほめたのに、そんなにいこずねんでもええやろ。→ ほめたのに、そんなにひねくれなくてもいいでしょう。
木などの形を指す場合は、人への悪口とは意味合いが違います。
85. げどされ
強いののしり・昔ながらの言い方
意味:道に外れた行いをする人への、強いののしり。
使う場面:相手のひどい行為を強く責める場面。
例文:人の物を壊して笑うとは、げどされが。→ 人の物を壊して笑うとは、ひどいやつだ。
86. けたくそわるい
新居浜など
意味:不愉快だ、面白くない。
使う場面:嫌な言動に腹が立ったとき。
例文:人の失敗を笑う話は、けたくそわるいわ。→ 人の失敗を笑う話は、不愉快だよ。
87. こすい
意味:ずるい、ずる賢い。
使う場面:不公平な振る舞いを指すとき。
例文:自分の分だけ隠しとくなんて、こすいなあ。→ 自分の分だけ隠しておくなんて、ずるいね。
88. びんだれ
南予など
意味:身なりや暮らしが不潔・だらしないこと。
使う場面:汚れや片付けの悪さを責めるとき。
例文:机にごみをためて、びんだれやなあ。→ 机にごみをためて、だらしないね。
89. もがう
南予など
意味:逆らう、反抗する。
使う場面:相手が言うことに反発する様子を話すとき。
例文:話も聞かんうちから、もがわんといて。→ 話も聞かないうちから、反抗しないでおいて。
90. いちがい
新居浜・南予など
意味:頑固なこと、意地を張ること。
使う場面:考えを曲げない様子を話すとき。
例文:私もいちがいやったけん、謝るのが遅うなった。→ 私も意地を張っていたから、謝るのが遅くなった。
愛媛の方言の語尾・言い回し10選
91. 〜けん
意味:〜から、〜ので。
使う場面:理由や事情を添えるとき。
例文:階段が暗いけん、電気をつけるね。→ 階段が暗いから、電気をつけるね。
「やけん・じゃけん」「ほやけん・ほじゃけん」などの形もあります。
92. 〜けんど
意味:〜けれど、〜だけど。
使う場面:前の話と違う事情を続けるとき。
例文:行きたいけんど、その日は仕事なんよ。→ 行きたいけれど、その日は仕事なんだよ。
93. 〜わい
松山など
意味:〜よ。自分の判断や気持ちを添える。
使う場面:予定や感想を親しい相手に伝えるとき。
例文:荷物は私が持っていくわい。→ 荷物は私が持っていくよ。
「行ってこーわい」は「行ってきます」という挨拶にもなります。
94. 〜んよ
松山など
意味:〜んだよ、〜のよ。
使う場面:事情を説明したり、相手に知らせたりするとき。
例文:この店、朝は七時から開いとるんよ。→ この店は、朝は七時から開いているんだよ。
95. 〜よる(〜しよる・〜しよん)
意味:〜している。進行中の動作などを表す。
使う場面:今していることを話すとき。
例文:今、花の絵を描きよるけん、あとで見て。→ 今、花の絵を描いているから、あとで見て。
「なんしよん?」なら「何をしているの?」という尋ね方になります。
96. 〜とる(〜とん・〜ちょる)
地域によって形が異なる
意味:〜ている。動作の結果や状態などを表す。
使う場面:準備済みのことや現在の状態を話すとき。
例文:窓は閉めとるけん、雨は入らんよ。→ 窓は閉めてあるから、雨は入らないよ。
南予などには「〜ちょる」の形もあります。「よる」との使い分けは動詞や話し手によって幅があります。
97. 〜なもし(〜ぞなもし)
松山の伝統的な言い方
意味:敬意を添えて、念を押したり語りかけたりする語尾。
使う場面:昔ながらの丁寧な挨拶や会話。
例文:今日は風が冷たいですなもし。→ 今日は風が冷たいですね。
『坊っちゃん』でも知られますが、現在の若者の日常語とは分けて考えたい表現です。
98. 〜のーえ
今治・西条など東予
意味:〜ね、〜だよね。相手に同意を求める。
使う場面:親しい相手に感想を伝えるとき。
例文:ここから見る夕日は、きれいなのーえ。→ ここから見る夕日は、きれいだよね。
99. 〜ぎり
意味:〜だけ、〜ばかり。
使う場面:範囲を限ったり、同じことが続く様子を話したりするとき。
例文:甘い物ぎり食べたら、お腹がいっぱいになるよ。→ 甘い物ばかり食べたら、お腹がいっぱいになるよ。
100. 〜つか
新居浜など
意味:〜ください。
使う場面:物を渡してもらうなど、相手に頼むとき。
例文:そこの手ぬぐいを取ってつか。→ そこの手ぬぐいを取ってください。
松山・今治・南予など、地域ごとの特徴
松山を含む中予では、「まがる」「おいでる」「〜わい」などの言い方が見られます。「だんだん」や「〜なもし」は松山らしい言葉として知られますが、今の会話で使う頻度には世代差があります。
今治・西条・新居浜などの東予にも、土地ごとの言い方があります。今治・西条などの「〜のーえ」、新居浜などの「ふくらんぼ」「くくりぼし」といった例があり、同じ東予でもすべてが共通するわけではありません。
宇和島・西予などの南予では、「〜ちょる」の形も使われます。今回紹介した「たねご」「とめる」「みぞい」などは、西予市城川町で記録されている言葉です。南予全体で同じように使うとは限らないため、各項目に地域を添えました。
まとめ
聞いたことのある言葉や、意味が意外だった方言はありましたか?「だんだん」の温かさも、「ふくらんぼ」の丸い響きも、愛媛の言葉の魅力ですね。松山・今治・南予と、地域ごとに違う言い方があるのも面白いところです^^