アンジェラ・ランズベリーはイギリスが誇る名女優のひとり。
ぱっちりした大きな目が特徴的な愛らしい容姿の持ち主ですが、今年の10月でなんと御年96歳!
しかもいまだに現役で俳優活動を続けていらっしゃるというスーパーレディなのです。 
そんなアンジェラの性格や身長をはじめとするパーソナル・データに経歴、代表作までご紹介していきますね。

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本名、生年月日、出生地、国籍、身長、家族

【本名】アンジェラ・ブリジット・ランズベリー
    (Angela Brigid Lansbury)

【生年月日】1925年10月16日

【出生地】英国 ロンドン リージェンツ・パーク

【国籍】英国、アイルランド、アメリカ合衆国

【身長】173cm

【体重】60㎏

【髪の色】ブロンド

【目の色】ブルー

【性格】非常にまじめな面とジョーク好きの明るい面を持ち合わせている。
どんなに有名になっても、演技人として常にベストコンディションでいるために、派手な遊びはせず、運動、食事、睡眠のバランスに気を使っている。

家族思いで知られている。
最初の夫リチャードとの結婚生活が1年しか続かなかったのは、リチャードがゲイでそれを隠してアンジェラと結婚したからだったが、離婚後もアンジェラはリチャードの良き親友であり続けた。
2度目の夫ピーターとは2003年にピーターが亡くなるまでおしどり夫婦な二人だった。
また、二人の子供たちアンソニーとディアドラは若いころの一時期ドラッグに溺れたが、アンジェラは辛抱強く二人を支え、やがてアンソニーもディアドラも完全にドラッグと手を切ることができた。

【趣味】ガーデニングと読書が大好き。 

【家族】父 エドガー・アイザック・ランスベリー
     (政治家。労働党員)
    母 モイナ・マクギル
     (アイルランド人。女優)
    弟 ブルース・ランズベリー
      エドガー・ランズベリー

    夫 リチャード・クロムウェル(1945-1946離婚)
    夫 ピーター・プレン・ショウ(1949-2003死去)

    息子 アンソニー・ランズベリー
 
    娘 ディアドラ・ランズベリー

経歴

アンジェラのおよそ80年にわたる経歴を何もかも書こうとすれば、本が何冊ものランズベリー全集みたいになってしまいそうです(笑)。
なので、ここではごくおおまかに、彼女の演劇人生に大きな影響を及ぼした出演作を中心に経歴をお伝えしますね。


父は政治家で、母はアイルランド貴族の血を引く女優という裕福な家庭にアンジェラは生まれました。しかしアンジェラが9歳のときに父が亡くなると、残された家族の暮らしは苦しいものになってきました。
アンジェラは高校のころから演技に強い興味を持ち始めました。
高校以外に演劇と音楽を教える専門の学校にも通いました。


1940年に、ロンドン大空襲から逃れるため、一家はアメリカへ渡ります。
アメリカでの暮らしはさらに厳しくなりましたが、アンジェラはデパート店員の仕事で週給28ドルを稼ぎながら家族の暮らしを支えました。


1942年 母の開いたパーティーに、映画『ガス燈』の脚本を書き終わったばかりのジョン・ヴァン・ドルーテンが来ていました。
ジョンはアンジェラが『ガス燈』のナンシー・オリヴァー役にぴったりだと喜び、ここからアンジェラはMGMと7年契約を結んで『ガス燈』へ出演することになりました。
このときのギャラは週給500ドルでした。
1944年に封切られた『ガス燈』は、イングリット・バーグマンが主演のサスペンス映画で、アンジェラは主人公ポーラの屋敷に仕えるメイド役。
この役でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。
アンジェラのプロフェッショナルな女優人生の始まりです。

1945年には映画『ドリアン・グレイの肖像』でゴールデングローブ賞 助演女優賞を受賞。アカデミー賞でも助演女優賞にノミネートされました。

1952年にMGMとの契約が切れるまでのあいだに、アンジェラは11本の映画に出演しました。
その後フリーになったアンジェラは舞台にも進出し始めます。
1957年 “Hotel Paradiso”で、ブロードウェイデビュー。同年”A Taste of Honey”と続き、演技力を高く評価されました。

1961年 エルビス・プレスリーと共演した『ブルーハワイ』が大ヒット!キャリアを大きく後押ししてくれました。
1962年 映画『影なき狙撃者』で3度目のアカデミー賞 助演女優賞にノミネート。
1966年 舞台 “Mame” ではじめてのトニー賞 ミュージカル部門の最優秀主演女優賞を受賞しました。

1971年 『ベッドかざりとほうき』でミュージカル映画で初めての主役を射止めます。
1972年 ひさしぶりに戻ったイギリスで出演したミュージカルの舞台『ジプシー』が大当たり。
1973年 『ジプシー』でアメリカ公演。
1978年 映画『ナイル殺人事件』でサロメ・オッタボーン役。
1979年 ミュージカル舞台『スイニートッド』出演。ミセス・ロベット役で4度目のトニー賞受賞。

1984~
  ~96年 TVシリーズ『ジェシカおばさんの事件簿』が大ヒット。アメリカのミスマープルと絶賛されました。
1991年 ディズニー映画『美女と野獣』の大ヒットでファミリー層に抜群の知名度を獲得。

2001~
  ~05年 夫の看病とその死去により一時、引退状態へ。
2005年 『ナニーマクフィーの魔法のステッキ』でカムバック。

2014年 40年ぶりにロンドンの舞台に復帰。同年Dameの称号を授与されます。
2015年 初めてオリヴィエ賞 助演女優賞を獲得。
以降も演劇人としての活躍は続いています。

おススメ代表作10選!

『ガス燈』

(中央がアンジェラ)

これは絶対はずせない、アンジェラ初めての出演作。
普通に見ても相当おもしろいサイコサスペンスです。
アンジェラ演じるメイドのナンシーが、顔はあんなに可愛いのに性格がなかなか意地悪そうなキャラで、それが主人公ポーラが心理的にどんどん逃げ場がなくなっていくストーリーの怖さとすごくマッチしています。
最初からアンジェラの演技力が非常に高いことを示してくれる見ごたえある作品です。

『サムソンとデリラ』

旧約聖書の有名な物語を映画化。
映画の中では、サムソンはもともとデリラの妹のセマダールを愛していて求婚するのですが、そのセマダールをアンジェラが演じています。
デリラはサムソンに横恋慕でサムソンとセマダールの結婚式の最中に騒ぎを引き起こし、それがもとでセマダールは死んでしまいます。
アンジェラ@セマダールの美貌と衣装にヘアメイクの素晴らしさまで、アンジェラ好きにはまことに眼福なる作品です。

『捨て身の一撃』

西部劇です。主人公にして正義の保安官ケイレムが、町の劇場に招かれてやってきたスター歌手で元妻のケリーと再会します。
美しいケリーをアンジェラが演じていて、歌手として踊ったり歌ったりする舞台シーンがコケティッシュでめちゃめちゃ可愛いです。
ケリーとケイレムはずっとお互いを愛していたんですよね。
でもケイレムの仕事が危険すぎることに耐えられなくなったケリーが町を離れてしまっていたのです。
この作品でのアンジェラの演技は、ほかの作品ではあまり見られないすごくしっとりした女性像を表現していて珍しくも麗しいです。

『ベッドかざりとほうき』

メリーポピンズ系統の、いかにもイギリスらしいひねくれた子どもたち3人と、彼らが疎開してくる家の持ち主でこっそり魔法遣い見習い中の女性プライスのお話。
お話の舞台が第二次世界大戦中のイギリスであることで、メリーポピンズに比べると画面のトーンがけっこう暗めですが、それだけに、プライスを演じるアンジェラのくりくりぱっちりした目の輝きやコミカルで元気いっぱいのセリフまわしに、気持ちがぐっと引き上げられるのが有難いです。
プライスを演じたときのアンジェラは46歳なんですが、そんなことどうでもよくなるほど素敵なおばちゃまぶりに嬉しくなります。
私も彼女のおうちにならはりきって疎開したいですね(笑)。

『ナイル殺人事件』

いわずと知れたアガサクリスティ原作の映画化。
アンジェラはナイル川クルーズ船の乗客で小説家のサロメ・オッタボーンを演じています。
彼女はこういうエキセントリックなキャラクターを演じるのが本当に上手いと思います。
派手な衣装と濃いメイクに、少し酔ったような独特なしゃべり口調とジェスチャー。
見たら絶対忘れないキャラに間違いありません。

TVシリーズ『ジェシカおばさんの事件簿』

来ましたジェシカおばさん!!
ジェシカおばさんは、アンジェラにとって最高のはまり役の一つです。12シーズン続いて大変好評を博しました。
売れっ子ミステリー作家ですが、自身も毎回事件に巻き込まれてしまい、知恵と度胸と行動力で解決していきます。
そんな探偵ものとしての面白さはもちろんですが、それに加えて当時の私は放送を見るたびに、アンジェラが非常に丁寧で明確な発音でジェシカのセリフを言ってくれることに感動したものでした。
ジェシカって教養があって品もある、それでいてユーモアもわかるおちゃめさんで、困ったときにはとても頼りになるという理想のおばさん(笑)です。
そんな設定を、アンジェラの素敵な衣装とイキイキした表情と動きが見事にキャラクターに具現化してくれました。
下ネタがなくて上品さがあるぶん、”Friends”などよりずっと英語学習向きだとも思います。

ディズニー映画『美女と野獣』

この作品では、優しくてホスピタリティあふれるポット夫人を演じているのがアンジェラです。
彼女の歌う “Be Our Guest” と “Beauty and The Beast” が本当に素晴らしい!
さすが長年ミュージカル女優としても名を馳せていただけのことはありますよね。
あのむくつけき野獣(に変えられてしまった王子様)でさえもうっかり勢いに飲まれかけることがあるほど、肝っ玉かあさんなポット夫人。
でも息子のちっちゃいティーカップのチップにはとてもとても優しい。
キャラクターの持つそうしたさまざまな魅力を、実にクリアに演じ切っていて見事です。

『アナスタシア』

アンジェラが演じるのは、物語の冒頭で主人公アナスタシアと生き別れになってしまうマリー皇太后。命からがらパリまで逃げおおせてからは、ひたすらアナスタシアの生存を信じて彼女を探し続けます。
そんなマリー皇太后の、希望を捨てたくはないけれど財産狙いで近づいてくる大勢のニセモノたちにうんざりしてしまっている心のうちを、威厳と悲しみをにじませながらアンジェラが切々と語ってくれます。
皇太后には自分の望みもあるのですが、それでもアナスタシア自身が選ぶアナスタシアにとっての真実の幸福をこそ応援したいと思ってくれます。
キャラクターの内面の奥深さを、本当によく演じ出してくれています。

『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』

 

またもや超イギリスっぽいファンタジー。
手の付けようがない7人兄弟の悪ガキ共と、彼らを調教するためにどこからともなく出現する不気味な乳母ナニーとの、仁義なき戦いとでもいいましょうか。
や、ほんとにファンタジーなんですよ?(笑)
まぁ、悪ガキ共には悪ガキなりの悪さの理由があり、ナニーもまたそれをわかっているのですが、話の前半では子どもらの悪戯がときどきちょっとドを超えていてさすがイギリス。
そんな話の中でアンジェラの演じるキャラクターである”アデレード大おばさん”は、お高くとまったお金持ち。
子供たちの父親に、だれも望まない結婚をさせようと空気読めない系の言動で子供たちをハラハラ、イライラさせてしまい、痛い目にあわされます(笑)。
アンジェラが演じると、年配女性でもみんな派手だったりきらびやかだったりの衣装が良く似合っていて、本当にいくつになっても華のある女性なんだよなと感心せずにはいられません。
ちなみにこの作品にアンジェラを誘ったのは、脚本を書いて主役のナニーマクフィーも演じたエマ・トンプソンでした。
アンジェラは、「あのときは2年前に夫を亡くしてもう二度と演劇の世界にも戻れないと思うほど落ち込んでいた時期でした。それをエマが救い出してくれたのです。」と感謝の言葉を述べています。

『メリーポピンズ リターンズ』

2018年でアンジェラは93歳!
いつもいつも年齢の話をするのは女性に対して失礼かとは思いつつも、どうしても語らずにはいられないという!
出演時間は短いのですけど、作品のテーマを語るバルーンレディという重要な役で出ています。
なんと歌も歌うんですよ!
それも音程から滑舌からまったく問題なく!
はい、興奮のあまり!を連発しちゃいました!!(笑)
本当にアンジェラってイキイキと輝く瞳とエネルギッシュな語り口が素敵な、パワフルな妖精って感じの人だなぁと思います。
これから先もまた、この代表作のリストを書き足していけたら驚きつつものすごっっっく嬉しいだろうな!と心底思います。

まとめ

すごい女優です。アンジェラ・ランズベリー!
同じ時代を生きられて本当に幸運です。
これからもアンジェラの行く先にいくらでも喜びと新たな人生の発見が続きますように☆