乾いた日常に潤いの感情を湧き起こさせるイベントに参加した日の話・・!!
(藤城清治 影絵展 2016「光と影は幸せをよぶ」入口にて)

テレビや本、今ではインターネットなどで知り得た、偉人やアーティストは星の数ほどいると思います。
その中で、「気になる存在」ができた時。それはふとした瞬間に気が付くのです。

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・気になる存在

その過程として、まず対象者を「知る」ところから始まります。「何となく良いなぁ」と感じるくらいですかね。そして視界に入る範囲で追いかけるだけ。少しずつ興味が湧いてくると、視界に入る頻度もだんだん高くなり、ついには自分から探しに行くことを始めます!
その時はなぜか衝動にかられるかの如く、気になったり、知りたかったり、夢中なのでその事自体にも気が付いていないように思います。

いずれそのことに気が付いた時、
自分はまぎれもない「支持者」であり「ファン」であったことを知るのです。
(「ファン」は「fanatic(熱狂的な)」の、略「fan」からきているのだそうです)

これは決して特別なことではなく、誰にでも少なからずあると思います。心の奥底に眠った、建前ではなく本音の「気になる存在」が。
そしてその思いが流行の流れに乗ったものでなければ、自分がその人のファンなのだと自身で認識するのは後付けのような気がします。

この感じは、まさに熱狂的ですね!(笑)
でも、その思いは何かを搾取しようという感覚ではありません。それに触れるだけで元気が出るような心がポカポカ、エネルギーをくれる存在ですかね。

私自身も大人になることは、「熱を捨てて冷静に考え生きることができること」が大人だと思っていましたが、よくよく考えてみれば、この世にはびこる大人どもは、まったくもって熱いものばかりだなと感じることも多いですね。

私も熱い思いを持つ人間に熱く心を揺さぶられた一人です。

私にとってのポカポカの元気の源となる作品を産み出す藤城清治さんという熱いアーティストへの気持ちを大切に持ち続けたいと思いながら、あの頃芽生えたその思いを綴らせていただきたいと思います。

・サイン会への葛藤

それは2年前のことです。
3年前の2015に初めて藤城清治さんの展覧会に行った私は、翌年ふとまた何か展覧会はないかなと調べてみたところ、前回鑑賞しに行った影絵展の2016がまさに会期中だったことを知るのです。
そして、数日後にはサイン会があるとの情報を得たのでした。

サイン会があるのか!すごい!」

情報を知ったその瞬間は情報として記憶となりましたが、それは突如、選択肢へと変わります。

サイン会に行くか行かないか・・!!
やるかやらないか。人生の分岐点みたいですね。(笑)

そんなに悩むことかな?行くなら行っちゃえば良いじゃない!と、今なら思うのですけどね。
わたしも小心者ですし、やっぱりそのような機会が来るとは思っておらずドキドキするわけです。
でも、本当はその選択肢が出て来た時点で、すでにおおよそ答えは出ているわけです。

行ってみたい

・2016年 秋 東京銀座の教文館へいざ参る

心に決意を固め、藤城清治さんのサイン会に行ってみる事にしました!

決めた次にすることはただ1つ。
準備に余念はありません。もちろんがっつり下調べです!
ホームページをチェック!

日にちは合っているかな。
始まるのは何時なのかな。
どうしたらサインしてもらえるの?
全員にサインはしてくれるのかな?

するとサイン会は先着順で整理券があるとのことでした。
言われてみれば当然ですね。授業で1時間ノート取るのだって疲れるわけですよ。しかも私のように期待に胸躍らせてサインを貰いにくるパワーみたいなのもありますものね(笑)

それであれば、時間内に行って、もし貰えなくても仕方がない!今回はその時ではなかったのだと思ってまた次にトライしよう!
・・すでに叶わなかったことを考えて、がっかりを薄めるために、そんなことまで考えていました。

けれどせっかくの機会。行くならやっぱりサインしてもらいたい!!・・こうなると欲まみれですね(笑)
イカンイカン!藤城清治さんがなぜ、サイン会を開いてくれるのか、問うてみよ!と、天から声が聞こえて来そうです。

そして、、私は少し早めに行く事にしました。(笑)

・サイン会当日の9月吉日

少し早起きをして、準備をします。藤城清治さん、本日の体調は良好かな。私は良好だな!などと自分に確認しながら。何を着て行こうかな!とりあえず白っぽい爽やかな感じを演出しよう!と、普段服に無頓着な私も少し気合いを入れるのでした(笑)

当日は小雨が降っていて少し肌寒くなって来た秋を感じさせます。
ドキドキしながら無事に銀座に着き、一年前に来たことのある
懐かしの銀座教文館ウェンライトホールに向かいました。

2015年藤城清治さんとの邂逅編はこちら

そして階段を1つずつ登っていき9Fを目指します。
しかし、途中まで行くと、すでに人が並んで待っていました!!・・やっぱり早く来てよかったぞ!友達同士、家族連れ、ご夫婦で来ている方、私のように一人で来ている者もたくさんいます。男性も少なくなかったので、老若男女問わないファン層がいることもうかがえますね。

当日の流れはすでに予習済みです。
サイン会の参加の条件の一つは、当日の展覧会のチケットです。サイン会の整理券が配られるのは、展覧会を見て、4階で対象グッズを購入してから初めて整理券を頂ける、というものです。
もちろん再入場はできません。

そりゃあそうです。展覧会に展示された熱のこもった大切な作品を無下にはできません。
私も今期は初めてなので作品もじっくり見たい!!
しかしながら、整理券のこともチラついて、じっくり鑑賞しすぎて整理券をもらえなかったら悲しいし!などと、葛藤の心を抱きながら本日の展覧会が開場され、少しフワフワした中で2016年の展示を見始めることとなりました。
そしてしばらくするとすっかり作品の魅力に取り込まれてしまっていました。

・2016年のテーマ「光と影は幸せをよぶ」

今回はまた少し特別な展覧会でした。
藤城清治さんが21年かけてコツコツ作り続けた作品が挿絵の絵本「アッシジの聖フランシスコ」が出版された年となり、その出版記念として絵本に使用された全作品の原画(デッサンまで!)展示されたのです。

私は数年前の画集などをみて「この作品はこんな前に創られていたのか」と、後から軌跡を知ることがほとんどなのですが、その完成品が一挙公開されているところに居合わせることができたというのはとても幸せであり、感慨深いです。
自分の21年前か・・確かにとても、感慨深いです。(笑)

今回の展示を全体的にお伝えすると、最近の作品、懐かしの厳選された作品、そして「アッシジの聖フランシスコ」の原画の三本立てではありましたが、ジャンルも幅広くとても豊かなものです。

最近の作品に関しては、私の好きな神社や仏像の作品も沢山ありました!!

(法隆寺の釈迦三尊像)

法隆寺の釈迦三尊像や日本最古の神社と言われる大神神社の作品も。またその色合いが自然で、仏像は本物と見まごう程のもので、近づいて初めて「あ、影絵だ」と気づくレベルでした。
大神神社は2015年にご神体の三輪山に登っていたので、私が訪れた前後に藤城清治さんもいらしていたのかも?などと思うとワクワクしてしまいました。

また、プロジェクトマッピングの作品もあり、動く作品もとても可愛かったです。
そして実際に会津若松の鶴ヶ城で行われたプロジェクトマッピングの作品も映像として映し出されていました。
にぎやかに踊るキャラクターたちはこれからの明るい福島を未来するように感じられました。

ちなみに実際に自分で動かせるからくりの展示もありました!
紐を引っ張るとこびとを自分で動かすことができます!

(今回は紐の部分だけ)
私ももちろん引っ張ります。動かしたいこびとの紐を掴んで動かします。

・・と、このように楽しんでいましたら、

そうだ、サイン会に来たんだった

と忘れてしまうほど、今年もこの世界に夢中で楽しんでしまいました。

そして少し我に返ります。まだ半分も見てない!・・そうです。じっくり見つつもペースを上げていく必要が出てきました。(笑)これからバランスよく見ていくぞ、と心に決めて、サイン会の整理券を無事にこの手にすることをイメージしながら。

こちらの続きもまた次回、ペースをあげて書かせていただければと思います。
あの時のよろこびを文字に起こしながら自分もまた再度味わっていきたいと思います。

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