子供のピアノはレッスンに行けば上達する…ものではなく、家での毎日の練習、継続が必要不可欠です。そして毎日の練習のカギを握っているのは親でもあります。
子供が幼いうちは子供本人と、先生だけでなく、親の役割が重要になってきます。

子供に人気のある習い事ピアノ。
娘も幼稚園の先生が弾いて下さるピアノの影響で、習う前は「やりたい」と1年ほど言い続けてました。

また辞めていく子供も多いピアノ。

「音楽」は本来、音を楽しむことであり、「音」が「苦」にならないようにしたいものですよね。

こちらではどのように親が関わることで子供が伸び伸びしながら上達することができるかご紹介していきます。
全国でセミナー、コンクール審査などもされてる先生のアドバイスも直接頂きながら、次の方法で中高生になる娘たちは、玄関で靴を脱ぐように、朝起きたら歯を磨くように、ピアノの練習が習慣となっています。

いろんな要素がありますが、まずは第1回目。
「練習時間について」詳しく触れていきたいと思います。

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子供が集中できる時間を知る

「うちの子集中力が全然なくって…」
こんな会話よく聞きますよね(笑)

実際、子供はどれくらいの時間集中できるのでしょうか。

小学生の授業が45分、中学生の授業が50分ほどです。
つい親である私たちは、それくらい子供たちが集中できるであろうと思いがちです。

実際は小学生低学年で集中できる時間は15分持てばいいかというところです。習いたての子供なら4歳、5歳頃が多いでしょうから、もっと集中できる時間は短いですよね。

子供が観るテレビ番組の構成も10分、15分くらいが多いです。
一度に集中できる時間はそんなに長くないですから。
それでも娘たちはテレビには張りついて子供番組を見ていましたけれど(笑)

もちろん個々によって違いはあるでしょうから自分の子供がどれくらいの時間集中できるのか知っておくことも、これからのピアノ練習にも、そして学校の宿題なども活かせますし、親の無駄なイライラも軽減されることでしょう。

練習を始める前に子供のことをよく知ろうとすることは大切ですよね。

練習時間を短く細かく分ける

子供が集中できる時間が10分としましょう。
10分でピアノの練習も終わればいいのですが、記憶の定着、簡単な易しい曲を大量に慣れる、弾くということが子供のうちには必要ですので(またいつか詳しく触れたいと思います)そうもいきません。

10分×○セット。
そのように計画を立てていきます。これは宿題にも役立ちますよ。
大抵最初の10分が一番集中力があります。

その最初の10分は子供本人にとって、ほんの少しハードルの高い課題の曲を与えてもいいかなと思います。
娘たちはこの時間を初見であったり、まだ新しい慣れない曲の時間、譜読みの時間に当てていました。

大抵のピアノ教室では次に練習してくる曲が与えられると思います。
子供の先生は
「どこまでなんて決めません。必要な量、必要なだけやって来てください」
最終目標は集中して練習することではなく、完璧に弾くことでもなく、
自分が奏でたい音楽を自分で作りあげられること、音楽的自立が目標です。

そうなると必然的に練習曲も多くなりましたので、細かく10分×○セットとわけていました。
また10分というのも必ずではなくて、むしろ乗っている状況ならば止めませんし、集中がイマイチな日はもっと時間を短くしたり。
小学生高学年頃になれば集中できる時間も長くなりますが、小学生中学年後頃までこの方法で練習してましたね。

あくまで主役は子供ですから、子供の状況に応じて臨機応変に関わりますが、子供が幼いうちは影での親の関わりはとても大きいですね。ピアノに限らず、小さい子供のお稽古事は同じなのかもしれません。

ピアニストの方、音楽を目指される方は普通に寝食以外はピアノで過ごすことも多いです。集中してやるというより、時間が経っていたという感じなのだと思います。

そんな中で97歳の現役ピアニストであられる室井摩耶子さんの本に素敵な言葉がありました。

集中してピアノに取り組む長い時間。

バッハ、シューベルト、ショパン、べートーベン。
作曲家が音楽を通して伝えようとした『何か』を探しているのだと。

知り尽くされた曲であっても『隠された宝石がある』と。

たった一つの音に背中がぞくっとするような瞬間がある。
それが癖になる感動なのだとありました。

感性豊かな子供だからこそ見つけられるもの、その時にしか見つけられない『宝石』を見つける時間になれば素敵な時間になりますね。

そして親である私たちも、誰よりも知っている我が子かも知れませんが、まだまだ知らない宝石があるのだと子育てやお稽古を通して発見できる時間になるといいですよね。

いつどのタイミングでピアノ練習をするのか


「毎日5時からピアノを練習する」
そんな風に自分でできるようになるのは、小学生後半でしょうか。
幼い子供にはやはり練習の声かけは必要になります。

そのうち勝手にやるでしょうって放っておいてやることはほとんどありません(笑)

練習しない→弾けない→レッスンも進まず同じ繰り返し→つまらない(怒られる)

になり、入ったはいいけれど辞めてしまう子も多いものです。
ですから親は子供が練習することで好きな曲が弾けるようになる、楽しさに繋がるお手伝いをしたいものですよね。

さて、幼児のうちはまだ時計を読むということができない子がほとんどです。
「何時から練習する」というのは難しいですので、時間ではなくおやつの前にとか宿題の後にとか遊びに行く前にとかするといいですね。

今日はおやつの後で、明日はおやつの前にと毎日コロコロ変わるのは習慣もつきにくいです。
おやつ後に10分、遊んだ後に10分。
習いたての幼い子供ならば、練習することよりピアノの椅子に座る習慣から取りいれるとよいでしょう。

子供と一緒に考えて、それでも大変な時は修正をしつつ、子供に合わせて習慣を作っていきます。小さいうちは親が関わる時間が多いですが、ある日突然ではなく、徐々に付き添う時間は減っていきます。

そして自立のために付き添う時間を減らす努力は親側もしなくてはなりません。先生の指示待ち、親の指示待ちになり、奏でる音楽も人の音楽になってしまいますから。親はちょっとずつ手を放す勇気も必要ですね。

子供の大切な心をはぐくむ

練習について書きましたが、ピアノに向かっている時だけが練習ではありません。

日常生活での学び、スポーツ、遊びなどの経験が成長期の子供たちを感性豊かにし音楽表現にいかされていきます。
この日常での体験こそ大切にして下さいと先生から教わりました。

『悲しい音』
『寂しい音』
『楽しい音』
そんな音を表現するのも体験が必要なのです。

大切なモノを壊してしまって悲しかった…
お母さんと離れるのが寂しかった…
大好きなキャラクターに会えて楽しかった。

日常で経験する感情や、見たり聞いたり触れたり五感をたっぷり刺激された生活体験がその子の『音』になっていきます。

不思議なのは同じピアノなのに同じ曲なのに、誰一人同じ音でも表現でもないのです。
ピアノの音を通して何か気持ちを伝えようとする子供の姿は、立派な小さなピアニストさんだなと感じます。

親である私たち、家族は、目の前にいる子供の一番の応援団でありたいものですね。

まとめ

子供のピアノ練習時間について、

・集中する時間を知ること
・練習を細かく短く分けること
・練習するタイミング

をお伝えしていきましたがいかがでしたでしょうか。

そして最後に書いた
・子供の大切な心をはぐくむこと
日常での体験こそ大切にしたいものですね。

次回は子供の可能性を伸ばす先生とはをお送りします。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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