おもに西日本など広い地域で使われている「ぬくい」。
特に関西ではポピュラーな表現ですが、東日本ではあまり通じない・知らない、という言葉なんです。
この記事ではどんな地域で「ぬくい」が使われているのか、また使い方の違う地域があるのかなどをご紹介します。
「ぬくい」の意味
「ぬくい」は漢字で書くと「温い」です。
「温い」を「ぬくい」と読むか「あたたかい」と読むかの違いではありますが、使われ方は同じようです。
現在はどちらかといえば文章語となっており、口語としてはおもに西日本で使われていますが、北海道でも使われています。
また、「ぬくい」が変形して使われている地域も多くあります。
どこで使われる?
使われるのは、おもに西日本のようですが、調べてみたところ北海道でも使われているようです。
それでは、一部ですがご紹介していきますね。
北海道方言
「暑い」という意味でも使われています。
地域によっては「ぬぐい」と音が濁る場合もありますが意味は同じです。
例文:この服なまら(すごく)ぬくい
こんばんは!
今日はあおばコちゃんも一緒に、ニットであったか!
「ぽーぽい」は福島で、「ぬくい」は北海道で「あったかい」との事です!#キタイイズナ塾コラボ企画#あおばコちゃん #な~マル #ニットの日 #福島方言 #北海道方言 pic.twitter.com/Las4NO8FCe— にーまる(暫く低浮上になります💦) (@ni_maruDialect) February 10, 2022
但馬方言
「暖かい」という意味で多く使われています。
ぬくい冬って言ってるけどお空は晴れてるのに雨が
お弁当忘れても傘忘れるな
のことわざの但馬手前に住んでる私
スノータイヤ今のところ出番は出てないけど
履いて無いとドカ雪に遭うと困るので履いて無いと#兵庫県但馬 #ことわざ#お弁当忘れても傘忘れるな— むーば (@mova6811) January 15, 2020
兵庫県北部(但馬地方)では「あたたかい」とは違った意味でも使われているようです。
「頭がぬくい」で「馬鹿」という意味になります。
例文:なんちゅう頭がぬくいんでぇ
大阪弁
気温(暖かい)についても・水温(温かい)についても区別なく使われます。
例文:ぬくいうちに食べや
SNSでは問いかけに対して、さまざまな地域の方のコメントがありました。
あの~。素朴な疑問なのですが…。
ぬくい。って関西弁ですか?
京都弁ですか??家で話してた時に、ふと思いまして…。
皆さん使います??
— Amane Yanagimoto (@_5abmsnk5_) April 29, 2022
和歌山弁
「暖かい」という意味で使われています。
日差しがぬくいです!
(“ぬくい”=和歌山弁で”暖かい”を意味します☺️)#平和酒造 #紀土#無量山#蔵から pic.twitter.com/yyXWqYJQpI— 平和酒造(公式) (@heiwashuzou) February 23, 2021
他に「~しにくい」という意味で使われることもあります。
例文:これは食べぬくい
おはようございます。
和歌山市は快晴☀️
もちろんマスク装着。
内側がベージュ色だったらファンデーションが付いても汚れが見えぬくいのかなぁ。とにかく熱中症注意。
byスタッフS#企業公式が毎朝地元の天気を言い合う #和歌山市#オリジナル段ボール#似顔絵— 有限会社みの印章堂 (@minodanbouru) May 28, 2020
鳥取弁
「暖かい」「温かい」、どちらにも使われています。
鳥取万葉牛のたたき。
ぬくいぞ! pic.twitter.com/qC0JRYQQK0— はいん・まいやー (@reisacker) April 26, 2022
下関弁
山口県下関市を中心におもに「暖かい」という意味で使われています。
例文:今日はぬくいのう
ぬくいな〜
新下関駅周辺を🚶♀️#新下関駅 #サンデンバス#山陽線 #夕空 #夕方散歩 pic.twitter.com/K6sHNDCsjx
— わかまろん (@wakamaron1968) March 12, 2022
博多弁
「温かい」「暖かい」、どちらにも使われています。
博多のおうどん、やわめでごぼう天が付く?のが有名だと聞いたことはあるけど
それはぬくいやつよな
冷たいのはどうなんだ?まさか存在しない?
県民性?ラーメンは硬いのでうどんはやわいのっておもしろいな— mizumi (@mizuaoi81) November 6, 2022
「ぬくい」以外の言い方
ぬくとい
おもに愛知県・静岡県で使われていますが、岐阜県、埼玉県・茨城県などでも使われる地域があります。
開店しました。
気温17℃、風がないためぬくとい(暖かい)浜松市中区です。12月6日亡くなったJet Black(本名 ブライアン・ジョン・ダフィ)を追悼して、閉店までThe Stranglers を流します。 pic.twitter.com/FITGxbOS0l
— 八月の鯨 (古本・珈琲) (@twittemplist) December 10, 2022
「ぬくとい」とは埼玉弁で「暖かい」という意味なんです。知ってましたか?
知らなかった!という人はぜひRTしてみんなに教えてあげてくださいね! #方言pic.twitter.com/WCn4VQmloB— 方言の泉 (@hougen_fountain) March 29, 2018
甲州弁(山梨県)では、「 暖かい」にとは微妙にニュアンスは異なるようで、今まで寒かったのが、気候やコタツ、かい巻き、半纏、アンカ、風呂等によってちょうどよい暖かさになるときなどに主に使います。
例文:春になってやっとぬくとくなってきたじゃんね。
また、「ぬくとまる(あたたまるの意)」で活用されるのは、独特と言えるそうです。
おはようございます🙇
今日も寒い春🌸❄️さてさて、休みなので、ぬくとまりに来ました(ぬくとまるは方言で温まる) pic.twitter.com/RmitWR9XDa
— ❄️Я❄️ (@chance40ru) April 4, 2022
ぬくたい
伊賀を含む東海地方や三重県伊勢地方で使われています。
ぬくたい、って言ったら大阪・京都・奈良の民となんと親にまで「そんなん言わん」って言われたのでなんでや!?と思ったら四日市以東東海の言葉やったらしいからわからんな、もうな、何がどこの方言か……
というか親は三重出身やからぬくたいをわかってくれてもええんちゃうか……!?
— と う や ⛅アラビトカミ_池袋シアターグリーン_12.21〜27 (@eftoya) December 2, 2022
ぬっか・ぬくか、ぬきぃ
九州弁では「ぬっか」「ぬくか」、「ぬきぃ」などが使われています。
九州弁講座
熱い=ぬっかと
冷たい=つんたかと「そろそろ寒かけん、ぬっかコ~ヒ~ば呑みたかねぇ~」
「喉のかわいたけん、つんたかとば買うてきて~」— 越後屋 (@akafundosi) November 3, 2019
おはようございます。オモシロホンポです。
九州・宮崎県は快晴☀️
今日もてげぬきぃ〜🥵
(宮崎弁「とっても暑い」)#企業公式が毎朝地元の天気を言い合う#宮崎愛 pic.twitter.com/ldZ6yAuHGQ
— 株式会社オモシロホンポ | ニュースレター制作実績 日本No.1 (@omoshirohonpo) August 5, 2020
まとめ
「ぬくい」はについて、どこで使われているのかについてご紹介しました。
使い方は「温い(あたたかい)」を「ぬくい」と言い方が変わるだけで、意味は同じです。
現在はどちらかといえば文章語となっており、口語としてはおもに西日本で使われていますが、北海道でも使われています。
「ぬくい」と同じ意味で「ぬくとい」「ぬくたい」「ぬっか・ぬくか」「ぬきぃ」などと使われている地域もありました。
調べきれませんでしたが、きっと他にもたくさんあると思います。
また、違った意味で使われている地域もあることも知ることができて、「ぬくい(温い)」がこんなに多くの使われ方があるなんて、言葉っておもしろいなと興味深かったです。