現役外科医である中山佑次郎さんの小説『泣くな研修医』がドラマ化されますね。
白濱亜嵐さん演じる主人公雨野隆治の先輩外科医・佐藤玲は、木南晴夏さんが演じています。

一見クールでぶっきらぼうだけど、実は外科医であることにものすごい覚悟を持っていることを感じさせる佐藤玲。
無駄口をたたかない外科医だからこそ、一言一言に重みを感じます。

今回は原作本から、主人公雨野隆治の先輩外科医、佐藤玲の人物像と名言、私が好きな言葉をお届けします。

 

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先輩外科医の佐藤玲はどんな人物?

さっぱりあっさり、クールな後期研修医

佐藤玲は4、5年目の医師(後期研修医)で主人公の直属の上司、クールで仕事もできる優秀な外科医です。先輩の外科医たちからも多大な信頼を寄せられています。

派手さはないけれども、きちんと化粧をして整った顔立ち。いつも長い髪の毛を後ろで一つにまとめている姿に、原作の中ではときどき、隆治が佐藤の整った横顔に見とれたりする様子も描かれていますね。

じつはわたし、原作を読んでいてはじめは、佐藤玲が男性なのか女性なのかわかりませんでした・・・。というのも、外科医という過酷な仕事柄か、言葉遣いがとてもさっぱりあっさりで。

隆治を「雨野」や「こいつ」と呼んだり、出前のココイチはいつもビーフカレーに納豆とチーズをトッピングで5辛だったりと、表現されているのは、女性らしさがあまり感じられない気の強さを感じさせる言動です。

同じく医療現場に関わる女性として登場する看護婦たちは、物腰が柔らかかったり、時に研修医に意地悪だったりしますが、佐藤玲は雰囲気が全く違います。
冷静さと厳しさ、割り切りを感じさせる言動からは、患者の命を扱う医師としての覚悟とプライドが感じられるのです。

佐藤玲の名言

佐藤はふだんはクールで仕事に対しても厳しいですが、ところどころで患者さんへの思いやりや絶対に助けたいという強い思いを感じられる言動が出てきます。

「絶対になんとかするぞ」

(『泣くな研修医』幻冬舎文庫48ページより)
親子で交通事故に遭い重傷を負った5歳の拓磨の父に病状を説明した後、隆治に対して言った決意の言葉。
拓磨を心配する父親にやさしく語りかけたあと、絶対に拓磨の命を救いたいとの思いを表したこの言葉には、医師としての決意が感じられます。かっこいい。

「あのさ、『確か』とかやめてくんないかな、人の命かかってんだけど」

(『泣くな研修医』幻冬舎文庫85ページより)
拓磨の抜管の際に、佐藤先生が隆治に問いかけます。
「一番危険なのはいつかわかる?」「そう、再挿管のリスクが高い時間は?」

質問に対して、いつかどこかで勉強したような気がする、と記憶をたどっていく隆治は、「確か、6時間後、でしょうか?」と自信なげに答えます。その答えに対する指摘が、「『確か』とかやめてくんないかな」です。

わからないとも言えない、でもはっきりとは覚えていない。そんな思いから「確か」という言葉が出てくることは、日常の中では何度もあります。

しかし「確か」という不確かで曖昧な言葉は、少しの時間の違いで人の生死が変わってくる医療の現場では厳禁。
軽く言ったような言葉の中に、厳しい世界で奮闘する佐藤の芯が垣間見れるような気がします。
私自身この言葉で、ゆるく生きられているふだんの日常にハッとさせられ、医療の世界の厳しさにゾクッとしました。

「先生さ、いつまた救急車来るかわかんないんだよ。さっさと食べな」

(『泣くな研修医』幻冬舎文庫119ページより)
佐藤と隆治の当直の日、夕食にありつけたのが23時過ぎた頃。
患者が途切れたタイミングでカレー弁当を食べようと、隆治がレンジで温めようとしたときの佐藤の一言です。言われた隆治は仕方なく冷たいカレーを食べるのですが。

これもまた、冷たいカレーより温かいカレーの方がおいしいし、疲れてるんだったら余計に温かいカレーを食べてほっとしたいよね、と思いますが、佐藤にとってはそうではないんですね。

温める時間の分、カレーを食べる時間が長くなる。もしその間に急患が来たら。自分も食べられないままだし、食べている途中だったら対応が遅れるのではないか。
いつ来るかわからない患者のために時間を惜しみ、切り詰め、つねに対応できる体制を整える。そのために自分のお腹も満たせて、時間も節約するために、冷たいカレーを食べる。

そういうプロとしての姿勢をさらっと当たり前のように言ったこの言葉が、私は好きです^^

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「学生気分なら、辞めな。(中略)医者が命懸けでやらなきゃ患者さんは助からない」

(『泣くな研修医』幻冬舎文庫237ページより)
合コンに誘われ、ほんの一晩だけ拓磨を見に行かなかったために大問題を起こした隆治に放った言葉です。

どんなに毎日病院に泊まり込んで頑張ってても、たった一回のミスで患者さんの命は消えてしまう。
それを隆治に諭してくれた佐藤の言葉には、医師としての強い使命感と覚悟が感じられます。だからこそ、研修医になりたての隆治にも、自分にも厳しいんでしょうね。

間違っていると人格を否定されることを言われたり、存在を無視されたりするような外科医の世界。長時間労働もざらでしょう。
そんな厳しい世界で、医師として日々命と向き合っている佐藤玲という女性の強さに感動を通り越して尊敬の念を感じます。
何が佐藤をここまで頑張らせているんだろう、と内面がとても気になりなるところです。

「お腹がぱんぱかりんだったからなあ」

(『泣くな研修医』幻冬舎文庫246ページより)
2度目の腸の手術後、経過は良いもののなかなかおならが出なくてお腹が張っている拓磨。
そのお腹の様子を、佐藤が真面目な顔で「ぱんぱかりん」と表現。隆治は思わず笑ってしまいます。

緊迫した状況でのまさかの「ぱんぱかりん」には、私も読みながらクスっとしてしまいました~^^

診察も手術も完璧でつねに冷静な佐藤も、小さい拓磨を見ていたらこんなお茶目な言葉を使ったりするんだなあと微笑ましく感じる場面です。医師ではない、ふだんの佐藤がちょっと垣間見れて嬉しくなります。

「祈るよ」

(『泣くな研修医』幻冬舎文庫248ページより)
やれることをすべてやって、それでも拓磨のおならが出ない。最悪また再手術。それは避けたい。どうすれば・・・。
そのときに真面目な顔をして佐藤が言ったのが「祈るよ」
隆治はその言葉を聞いて、冗談なのか本気なのかわからなかったけれども、佐藤の表情を見て「はい、祈ります」と言います。

医者が祈るなんてナンセンスだ。そう隆治は思いますが、祈らない理由もないと考えます。できることはすべてやると言った佐藤の「すべて」の中に「祈る」も含まれているのだろうか、と。

佐藤から発せられたこの意外な言葉の中に、拓磨に生きてほしい「絶対になんとかするぞ」という強い思いが感じられます。
人の命には、医学の技術だけではどうしようもできない部分がある。だから祈る。
自分の行った医療技術と患者の身体を信頼して、祈っているように思えます。とても好きな言葉です。

まとめ

今回は『泣くな研修医』の原作から、主人公の先輩外科医・佐藤玲の人物像や名言をご紹介しました。
佐藤は同じ女性として、読んでいてもとっても気になる人物。その完璧さやクールさの裏にある情熱が素敵なお医者さんです。
ドラマではいったいどんな佐藤先生が見られるのか、楽しみにしています!

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