藤城清治展覧会in東京銀座・・・そこには光と影の世界がこれでもか、、、と広がっていた・・・

光と影を描く画家といえば「レンブラント」や「フェルメール」、「カラヴァッジョ」あたりをイメージされるかもしれません。彼らの光と影の使い方はそれぞれ異なり、差し込む光、闇の影、強い光が生み出す強い影、など絵画の中に立体感を生み出します。
そして日本には、本当の「光と影」を使って絵を完成させる画家がいます。

それが「画家」であり、「影絵作家」でもある「藤城清治」さんです。

生きている中で、心に響くもの、感動に出会う事は少ないようで意外と多いのです。
それに気付かせてくれたきっかけのような存在である藤城清治さんの作品との出会いについて、いくつか書いてみることにしました。

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藤城清治さんは今年2018年4月17日に94歳になられたとても可愛らしい雰囲気の方でありますが、もちろん今も現役で活動されています!!

私が藤城清治さんの作品を初めて目にしたのは子どもの頃で、影絵は白黒の世界だったかと思います。
怖がりだった私は、作品の中に出てくる人物の「目」がとても印象的で、昔はその「目」が少し怖いと思っていたこともあったような気がします。

何かすべてお見通しのような、見透かされてしまうような気持ちになるほどの、澄んだ瞳だったからかもしれません。
ですが実際は、光に照らされるから影が映えてくるという、とても温かい世界でした。
そして白黒だけではなく、カラフルでキラキラした色鮮やかな作品もたくさんあるのでした。

そのような幻想的な世界に気付くことなく大人になりましたが、たまたま数年前にインターネットで検索していると影絵の展覧会がある事を知りまして、少し見たその作品に魅了されて無性に行きたくなりました。
調べてみると「あれ?ちょうどいまやっているの?!」と、展覧会が終わるちょうど10日前くらいだったので、慌てて滑り込んで行ったことをよく覚えています。

それがちょうど3年前、2015年だったので彼が91歳の時の展覧会でしたね。

その時タイミング良く「光と影」に惹かれて導かれるように訪れた影絵展の開催場所が、
東京の「銀座 教文館9F ウェンライトホール」です。

銀座松屋などがある通りに教文館がありまして、その裏側の入口から入ると直通のエレベータで行けます。
場所は9Fですけど、待っていられなくてエレベータは使わずに階段を登りました!
結構息切れします(笑)(ちなみに余談ですが、建物に各階にトイレが男女、男女とあるので困りません)

そして最後の階段を上ると、そこには藤城清治さんの世界が広がっていました!

(藤城清治 影絵展 幸せをよぶ光 入口にて撮影)

その年は入口も楽しいサーカスのテントのようになっていまして、久々にワクワクするような気持ちになりましたね。そしてお持ち帰り自由のポスターが置いてあるところに彼の直筆のメッセージがお出迎えしてくれました!

ちなみに3年前のことなのに私がこれほど鮮明に覚えていられるのには理由があり、なんとこの展覧会は作品も藤城清治さんの意向で写真可、となっているのです。一人でも多くの方々に見てほしいという熱意が伝わってきます。その温かいご意向により、私も写真を撮り、いつでも見ることが出来るのであの時感動した作品についてなども写真を見てすぐに思い出すことができるのです。
(写真等に関しては、時期や場所によっても異なるかもしれないので、毎回確認はしたいとは思いますけどね!ここ教文館では去年もOKでしたよ)

いよいよ中に入ってみると、そこはそんなに広い場所ではないのですが、所狭しと作品が並んでおりました。作品は影絵なので、ほとんどの作品の裏から光を入れており、作品自体もキラキラしていてそれだけでも幻想的です。
影絵の前に水を張ってゆらゆらした効果を出している作品もありました。1つ1つ見るたびに言葉にしがたい熱さがポカポカ伝わり、私もまた素直な気持ちを感じました。

作品は原画ですのでよく見るとカッターの跡があったり、後ろから紙を貼っているのも見ることができるのです。でもどのように作られているのか、どうしたらこのような作品になるのか、本物を見てもわからないほど複雑で細かい作業が施されていることが分かります。本当、見れば見るほど発見があり、あっという間に時間が過ぎてしまいます。私は夕方過ぎに行ったので、終わりの時間までにすべて見られるか心配になって少し焦ったくらいです。(笑)

ちなみにその時のテーマは「幸せをよぶ光」というものでした。
その年のポスターにもその女性が描かれていましたが、作品の中にも「聖女クララの光」という題名で、とても綺麗な聖女の姿がありました。それはまるで教会のステンドグラスを見ているような、お寺で観音様を見ているような気分にさせられてしまい、これまたずっと見入ってしまいました。

(その年にグッズ購入特典でいただけた紙袋です。この絵がまさにその「聖女クララ」でした)

またその年に見た印象深い作品がありました。
それは「黒い蝶」という切ないお話をモチーフにした作品でした。

黒い蝶を追いかけて砲撃訓練に巻き込まれて亡くなる少年のお話なのですが、それは藤城清治さんが影絵劇として上演されていたもので、その時にはその砲撃訓練のシーンは火薬を使って人形を飛び散らせるというものだったらしいのです。
そして今回展示されていたのが、その「黒い蝶」をもう一度イメージされて作られた作品です。

私はそれにひどく感銘を受けました。その作品が上映されていた当時はまだ日本でも戦争をしていた前後の時期です。
このような背景があるからでしょうか。それは戦後の爪痕だったり、「生きていく」ということについても考えさせられ、作品からダイレクトにメッセージが伝わってくるようでした。

だからこそ、藤城清治さんの作品はただキラキラ明るい楽しいだけではなく、小人や動物などの可愛い作品ですら、人間臭さや生きてきた証が詰まっていて見る人の心を打つのだと思いました。

また、その年の展覧会の少し前、90歳の藤城清治さんはご病気をされていたのですが、そのことに関しても直筆のメッセージがありました。
その中で「これから本当のいい絵、生きる喜びを描いて行く」と決意されている言葉をみて、感動したと同時に自分の小さな枠や限界を決めつけてしまうことはもったいないことだと、生きていく上でも先輩として励まされたように感じました。

すべて鑑賞した後、そこにある椅子に座ってアンケートを書きながら、藤城清治さん宛てにメッセージが書けるノートが置いてあったので少しそちらも拝見しましたが、鑑賞した誰もが作品に感謝するようなメッセージばかりが書いてありました。見に来ている人々も温かい気持ちに包まれた展覧会は、空間としてもとてもいい場所だなと思いました。

ちなみに無くなり次第終了なのですが、展覧会の入り口等にはその年のポスターが置いてあり、いただくことができます。私も部屋に3年分のポスターを貼っておりますが(笑)やはり2015年のはじめに行った時のポスターが一番気に入っていて、一番見えるところに貼っています!セロテープが剥がれかかっては貼り直し(笑)これらの作品を見ているとなぜかやる気も出るんですよね。

また展覧会中は4Fには関連書籍やグッズも沢山販売されております。私も片っ端からポストカードや本を選んで購入し、ホクホクした気持ちで帰ったのを思い出します。

(これは私が購入したポストカードの一部です♪)

何でも全てが共感できるものではないかもしれませんが、私が心から感動して、子どもの頃に置いてきた優しい純粋な気持ちを少し見つけられたような気がしたので、まだ藤城清治さんの作品をあまり知らない方にも知ってもらえたら嬉しいなと思いました。

もし少しでも興味を持たれましたらぜひ本物を見る機会があると素敵だなと思います!
ちなみに今年の教文館での展覧会情報はまだないようですが、
栃木県に「藤城清治美術館」がありますし、ホームページでは情報も随時更新されているようです。
また展覧会情報を私もチェックしながら今年も展覧会に行きたいと思います。

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