日本全国、どこでも、誰でも交わす朝のあいさつ「おはよう」。
毎朝交わされる「おはよう」には、日本各地、そんなに違いがないのでは? と思うかもしれませんね。
ところが調べてみると、南は沖縄や九州博多、北は東北地方や北海道まで、地域によってさまざまな「おはよう」があることがわかりました。
そこでこの記事では、日本各地の「おはよう」の方言を都道府県別一覧にまとめ、面白い方言をいくつか取り上げてみました。
都道府県別「おはよう」方言一覧
同じ県内でも地域や世代によって方言が異なるので、ここにまとめた言葉のほか、たくさんの「おはよう」があります。
北海道 | おはようございました | 青森 | おはよごす、はえな |
岩手 | おはやがんす | 秋田 | おはよー(さん) |
山形 | おはよっす、はよがんす | 宮城 | おはよがす、おはよござりす |
福島 | はやえなっす | 栃木 | おはよう |
茨城 | おはよう、はやいね | 千葉 | おはよう |
埼玉 | おはよう | 東京 | おはよう |
神奈川 | おはよう | 群馬 | おはようございますー(語尾をのばす) |
新潟 | ごめんください | 富山 | おはよう |
石川 | おひんなりさんでございます | 長野 | おきたかや |
岐阜 | おはよう | 山梨 | おはようごいす |
静岡 | いあんばいです | 愛知 | おはよう、おはようごぜえます |
福井 | おはよさん | 滋賀 | おはようさん |
三重 | おはようさん、はやいねえ(志摩郡) | 京都 | おはようさん |
大阪 | おはよう(「よ」にアクセント) | 奈良 | おはようさん |
和歌山 | おはよあります | 兵庫 | おはようさん |
鳥取 | おはようございまして | 島根 | おひんなりました |
岡山 | おはよう | 広島 | おはようがんす(福山、尾道) おはようあります |
山口 | おはようございました おはようありますのんた |
香川 | おはようござんす |
徳島 | おはようがーす | 高知 | おはよう |
愛媛 | おはようございました | 福岡 | おはよう、はやかですな |
大分 | おはよう、おはええなあ | 熊本 | おはよう |
宮崎 | はえのー | 鹿児島 | おはようござす、あだっごあした |
佐賀 | おはよう | 長崎 | おはよう |
沖縄 | うきてぃー、うきみそーちー |
日本全国の「おはよう」をみてみると
沖縄の方言「うきみそーちー」
沖縄で「おはようございます」にあたる方言は「うきみそーちー」です。
直訳すると、「起きられましたか?」という意味になります。
親しい間柄の場合に使う「おはよう」には、「うきてぃー」を使います。
家族や友達に、「起きた?」と話しかける感じでしょうか。寝起きや朝早い時間に使う様子が想像できますね。
また、朝昼夜関係なく使う言葉として「はいさい」がありますが、「はいさい」は男性が使う言葉で、女性は「はいたい」なのだそうです。
男女で使う言葉が違うなんて、おもしろいですね。
北海道と山口、愛媛は「おはようございました」?
北海道の一部と山口、愛媛では、年配の方が「おはようございます」を「おはようございました」と過去形で使います。
北海道では「こんばんは」の方言も、「おばんでした」と過去形。日常会話でも、現在のことを「~でした」と過去形で使うことがあるそうですよ。
博多弁は「おはようございます」
九州地方は個性的な方言が多いイメージがありますが、博多で「おはよう」は、ほぼそのまま「おはよう」です。
年配の方の間では、「早かですな」などを使うこともあります。
石川は「おひんなりさんでございみす」?
石川県のおもに金沢で使われる「おひんなりさんでございみす」。
どこにも、「おはよう」の要素が入っていない言葉のように感じますね・・・。
この「おひんなり」という言葉は、「お昼(太陽が昇っている時間)になる」が変化した言い方だそうです。
金沢のほか、大阪や愛媛、山口、島根など西日本でも、年配の方が「おひんなりました」(山口、愛媛)、「おひなりまして」(大阪)のように使います。
「おひんなり」がどこからどのように伝わったのかも、興味深いですね!
宮城のびっくり方言「おはよう靴下」
東北地方では、それぞれの地域の言葉と結びついたさまざまな「おはよう」がありますが、なかでも、「おはよう」と「靴下」が結びついた「おはよう靴下」が、宮城の方言としてテレビで取り上げられ、話題になりました。
宮城では「穴の開いた靴下」のことを「おはよう靴下」といいます。
これは古くからある方言ではなく、比較的新しい方言だそうですよ。
穴が開いた部分から、足の指(とくに親指)がにょきっと出ている様子が、「おはよう」と顔を出しているように見えることが由来なのだとか。
そのため、靴下に穴が開きそうな場合は、「おはようしそうだね」と表現するそうです。
「おはよう」と名詞が結びつくとは、そして地域で広まるとは・・・これまた面白いですね!
まとめ
この記事では、日本全国の「おはよう」の方言一覧、特徴的な「おはよう」の方言などをご紹介しました。
「おはよう」の方言を調べてみると、年配の方は使っているけれども、若い人たちは使っていない言葉がたくさんありました。
そのため方言の一覧表を見ても、うちの県ではこんな方言使ってないよ、という言葉もあるかもしれません。
時代とともに、各地の特長ある方言が使われなくなるのも寂しいですが、「おはよう靴下」のように、あらたに生まれる方言(?)もあります。
古い言葉を大切に伝えつつも、新しく生まれる言葉もまた、地域の特長として広めていきたいですね。