子供が楽しみながらピアノ練習、上達するのは弾きたいと思う「憧れの曲」があるからというのもありますよね。
日々練習することは大切なのですが、何の目標もないままひたすら練習していても大人でも面白くありませんね。遊び盛りの子供ならば尚更ですよね。

楽しい目標となる一つが「憧れの曲」を弾くということ。

子供のやる気も驚くほど変わってきます。
どのように飽きやすい子供のやる気を保ちつつ「憧れの曲」を取り入れるのか。前回、子供の可能性を伸ばす先生とはについてお伝えしましたが、その先生のアドバイスのもと、子供たちも「憧れの曲」にワクワクした気持ちを持ちながら今でも継続できています。

子供の可能性を伸ばす『憧れの曲』についてを今回お伝えできたらと思います。

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憧れの曲を目標に

ピアノを習ったらあの曲を弾きたい!というのは意外と子供よりお母さんの夢になっていたりすることってありませんか?(笑)

「エリーゼのためにが弾けるようになったらやめていいよ」
「やっぱり仔犬のワルツとかくらいは弾いてほしい」
私は結構周りのお母さんからこういった話をよく聞きましたよ(笑)

そしていろいろな発表会を覗いてみますと、やはりこの曲は定番のようですね。
必ず誰かが弾いてます。

小学生高学年くらいのお子さんが弾いて満足して辞めてしまうというのもありがちです(笑)
小学生高学年は部活、学習塾などで徐々に芸事のお稽古から離れていく子供も多い傾向でした。これから素敵な音楽がたくさん弾けるのにー!という先生方の悲鳴も聞いてます(笑)

お母さんの弾いてほしい憧れの曲ではなくて、
子供自身が弾きたくて弾きたくて仕方がない!そんな憧れの曲がある子供は強いですよね。長く楽しみながら続いている子も多いと周りを見ても感じます。

幼児の頃、長女は「ディズニー」の曲に憧れていました。
小さい頃はよく歌う童謡の曲や、テレビアニメの曲などよく知ってる曲に憧れを持ちますよね。

それをよく知っている先生は子供たちが好きな曲を弾いて下さいました。
先生がレッスンで華麗に弾いて下さったアラジンのホールニューワールド。
超上級な楽譜だったので、たくさんの高低音が散りばめられたキラキラ華麗な音、グリッサンドに子供はすっかり魅了され「私も弾きたい!!」と意気込んでいた記憶があります。

この「弾きたい!」気持ちを上手に弾きだして下さる先生に巡り合えたのも幸せな環境であったと思います。

自分がちょっと練習すれば弾けるようになる曲もいいのですが、いつか弾けるようになりたい憧れの曲。これも大切でしょうね。

ピアノがお上手な方にお話を聞いてみますと、結構小さな時に自分にとって衝撃的な曲に出会っていたりします。園児の時にバロック時代音楽である、ヘンデル、バッハに影響された話も聞いたことがあります。
私にはこちらが衝撃でしたが(笑)

娘もそうでしたが「これが弾きたい」の想いは
練習嫌だな…レッスン嫌だな…行きたくないな…そんな時に
「いやいやあの曲弾くまでは!!」
そんな気持ちになることはよくあったようです。

娘は小学1年生の時に同じ門下のお姉さんが弾くショパンエチュード黒鍵にずっと憧れていました。その憧れに手が届いたら辞めるのかなぁと思っていましたが、その過程で娘も成長してるのですね。いくつも弾きたい曲が増え、今では溢れすぎて消化できないくらいです。

よく聞きます。
これだけの膨大な偉大な作曲家たちの残した楽譜、音楽。
一生かけてもやり尽くせないと。

また、先生が仰ってましたが想いの強い曲はモチベーションも高いため、本人にとって多少ハードルが高い曲でもやり切ってしまえたりするようで、グンと上達するきっかけにもなりやすいようですよ。

憧れの曲に出会えるのもまた幸せなことです。
そういう弾きたいと思う曲に出会えるのは大きいのかもしれませんね。

ここからはちょっと大変ですが親の役割が必要なところです(笑)

親が少し頑張るところでもありますね。
小さいうちはほったらかしにしてぐんぐん上達とはなかなかいきません。

親が関わることも多い時期です。

豊かな音楽表現を目指すには、やはり音楽鑑賞は必須なのですね。

イメージ作りも、良い音楽をたくさん聴くということからです。
一番いいのはやはり生の音楽ですよね。これに勝るものはありません。

とはいえ、忙しい毎日。
今の子供たちはとっても忙しいですし、元気いっぱい遊ぶ事だって大切です。

親だって暇なわけじゃないんだから(笑)
お仕事があったり、家事があったり。他にも小さいお子さんがいらしたらなかなか演奏会どころではありません。

そういう場合はやはりCD鑑賞ですね。
大きくなって、よほど好きな曲は意識して集中して聴きますが、我が家はそんながっついてませんでした(笑)
食事中とかに流していたりしたことが多かったかと思います。

それでも子供の耳に残るようなのですね。
(あっ!この曲知ってる、聴いたことある!)と。
そういう曲って、譜読みがサクサク進んだのですよね。

普段の生活に音楽を取り入れる、音楽と一緒に暮らしてますという感じがいいかもしれないですね。これは親によって分かれるところかもしれません。

私は音楽を聴くということは好きでしたので「苦」とは思わなかったのです。
「苦」と感じる方、メンドクサイと感じる方もおられるかと思います。

では以前から私がピアノに詳しかったかといえば全然そんなことないのです(笑)
音楽は好きでしたが、ピアノ曲って実は子供と共にという感じでしたから。

先生が
(次はこの曲を弾いてきてね)と弾いて下さるのですが、
(あの…その曲は…?(笑))ということも小さい頃はよくありました。
本当に子供と一緒に学んでいるという感じで…

何が言いたいかと言いますと、
専門家でなく素人ママでも環境を整え、良い練習の工夫、協力することでじゅうぶん子供は上達していくということです。

そんな日々の暮らしにある音楽の中に「憧れの曲」は眠っています。

好きな分野を伸ばしていく

いつか弾きたい曲がショパン黒鍵のエチュードとなれば、それなりの練習が必要になってきます。曲にはそれぞれ難易度というものがありますから、ショパンエチュードは上級者向けですね。音楽高校、大学受験、またはコンクールの課題でも必須になってくるような曲です。

もちろん難易度が低いから簡単という単純なものではありません。

初級者向け、中級者向け、上級者向けとありますが、ピアニストさんが弾く初級の曲と言われてるものが、ものすごく美しく何をもって初級と判断するのだろうと思ったりします。

とはいえ、ゆったりのんびり構えていてショパンエチュードにたどり着けることはありません(笑)
ある程度の練習といいますか…はっきり言えばそれなりの練習量は必要です。

幼い子が数年も先のエチュードを目指して!なんてなかなかやる気も続きません(笑)果てしないですから…

やはり遠い長期で見た目標がいつか弾きたいショパンエチュードなのだとすれば、来年の発表会にはこの曲が弾けたらいいなと中期の目標を。そして、3ヶ月ごと、小さいうちは飽きやすいので1ヶ月先の短期目標を、自然と作っていたと思います。と言いますか、自然と思うように先生が上手に誘導して下さったのでしょうね(笑)

小さい頃はブルグミュラーのアラベスク。よく弾きたがりますよね(笑)
誰が速く弾けるか!みたいな訳の分からない勝負を子供はしたがり…

少し大きくなった時にモーツァルトソナタに娘はどっぷりつかりました。
「ドーミソ シードレドーー」有名な曲ですね。

そこからモーツァルト制覇する!とばかりに、「えっ?またモーツァルト」と思わず言ってしまうほどでしたが、やはり好きな曲は楽しいようで練習もよくしていたと思います。

先生に自分の得意分野を作ればいいと聞いたことがあります。

クラシックにもいろんな時代のいろんなスタイルの音楽があり作曲家がいます。幅広く取り入れることも大切ですが、情熱を注げる曲があるならば、好きな分野があるならば、それを伸ばしていけばいいとアドバイスして下さったことがありました。

他の曲も練習曲ももちろん取り入れますが、モーツァルトの割合が大きかったです。それでもそれに引っ張られるように他の曲も伸びた時期でもありました。

好みはそれぞれある

親子でいつも楽しく笑いながら…お稽古に向き合ってきたかといえば、決してそんな時ばかりではありませんでした。
ぶつかってしまったことも何度もあります。

私の好みを押し付けてしまっている…

そういったことが気づかないうちにありました。
子供の『好き』を認める。

子供の好きなこと、好きな先生、好きな曲…
ところが好きな曲の解釈が私とは全く違ったのですね。

私がこの表現好きだなと思うピアニストさんを子供はそうは思わなかったのです。

「えーっ!すごくいいのに、こんな風に弾けたら素敵なのに」
こうしたらいいのに、ああしたらいいのにと、こういう時に口を出してしまうことがよくありました。

先生が上手に話して下さったことを鮮明に覚えています。

『美味しいハンバーグ屋さんって街中にたくさんありますよね。どこに入ってもどれも美味しいんですよね。でも味ってどこも違うじゃないですか。そしたら、自分が美味しいなと思うお気に入りのお店に通いませんか?
音楽もそうなんですよね。ピアニストですから、どの人も上手なんです。どれもいいのです。だからそこからは自分の好みになると思うのですね。自分がいいなと思うピアニストの曲をたくさん聴くといいですよ。』

まぁ、このお話。
私に言って下さってる?と思ったものです(笑)

私が美味しいと感じるものと、娘が美味しいと感じるものは違って当然。
それなのに、こっちが美味しいと思うよ、食べてみてよ!絶対に美味しいんだから!!とばかりに私が誘導してしまった時期があったのです。

娘には娘の『好き』が小さい頃からしっかりあって、親である私よりに寄せよう寄せようと知らないうちにしていたなと、当時はとても反省しましたね。

『憧れの曲と憧れの人』

必ずしも曲から入る訳でなく、憧れる人から入っていくことだってあります。
幼い子供でしたらピアニストや先生だけでなく、少し上の上手に弾くお姉さんとか。

あんな風になりたいな!あんな曲を弾きたいな!

少し先を行くお姉さんを追いかけて、何年生にはあの曲が弾きたいなとか、その為にはどうしたらいいんだろうって、お姉さんに練習法を聞いたり。
その時に練習が足りてない、これでは間に合わないと本人が感じたら徐々に練習が増えていったかなと思います。

親ができることは
聴くことなど良い音楽体験を与えてあげることでしょうか。
演奏会に出かけても印象に残る曲も違っていて今では面白いなと思えるようになりました。

好みはそれぞれで憧れる曲も憧れる人も皆バラバラでいいのだから、その『好き』
を応援したいですね。

次回は子供の才能を伸ばす譜読みのコツについてお伝えしたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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