「俺は俺なりに矜持があってさ。それはダウンしても必ず立つってやつ。ダサくても格好悪くてもいいから、必ず立つ、と。無様でも立ち上がれば、無様じゃなくて、それが生き様になる。そんな感じでずっとやってきた」

これは、2014年7月19日の横浜スタジアムで氷室京介氏が語った言葉です。
25周年ライブツアー最終の地で語られた言葉は、ずしりと重く響いて、今もはっきりと心に刻まれています。

人生という名の道を歩んでいくわたし達に、思いも寄らないかたち・タイミングで、試練が与えられることは、ままあります。
それらとどう向き合っていくのか、それらをどう捉えていくのか。
まるで自分の真価が問われているような、そんな心持ちになります。

「さあ、どうする?」

「そこから、どう立ち上がる?どう歩んでいく?」

生き方につまずいた時、わたしは心の中で自分自身にそう問いかけます。氷室氏の言葉がわたしに力をくれているのを感じながら。

氷室氏の言葉には「自分の人生に真摯に向き合うことの大切さ」がこめられている、そんな風に思うのです。

今回は、氷室氏の生き方そのものが伝わってくるような名言をご紹介したいと思います。

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「自分のやっていることを愛おしいと思いながら」

『氷室京介ぴあ』(ぴあMOOK 2013年9月20日発行)では、「氷室京介 invariant souls of words」と題し、ライブMCでの言葉や、インタビューで語られた言葉を特集しています。
ファンにとっては大変嬉しい企画で、その珠玉の言葉たちとステージでのヒムロックとをリンクさせながら、彼のファンでいられることのしあわせを何度も味わっています。

それと同時に、氷室氏のファンとして誇れるような自分でいたいとも思うのです。
彼が彼の想いを言葉にしてくれたおかげでわたし達は、彼の哲学に触れることができる。
その哲学を知ったわたし達は(自分らしく生きること)と真摯に向き合わなければ、もったいない。そんな風に思うのです。

それでは早速、『氷室京介ぴあ』に掲載されている彼の言葉のいくつかをご紹介させていただきます。

「やっぱり自分でやっていることを愛おしいと思いながらやらないと、いい結果は出ないよね」(『KING SWING』2012年46号)

この言葉はとてもシンプルですが、奥深いものを感じます。
仕事でもプライベートでも何かしらの結果を出そうとする時、その過程において、どこか「やらされている」と感じることはないでしょうか。
確かにその過程において、産みの苦しみを感じたり、若干の煩わしさを感じたりすることがあります。
ですが、「こんなにやっているのに誰も分かってくれない、わたしだけが何故?」という感情を抱いた時、ふと我に返るのです。
「わたしは受益者ではないし、今を選んだのは他の誰でもないわたしなのだ」と。
「忙しさ」を言い訳にして、「愛おしさ」を感じられないのは、切ない生き方だと気づかせてもらうのです。

もし、どうしても自分が歩んでいる道を愛おしいと思えないならば、歩き方を変えることもできるし、道さえ変えることもできる、そう思うのです。
また、「愛おしい」気持ちを、今は忘れてしまっているとしても、それは忘れているだけで、思い出せるもの、そうも思うのです。

忙しい毎日に、少しだけ立ち止まってみる。
一人一人が愛おしい自分自身を感じられたら、見える景色が変わってくる。

そういうことを教えてくれる言葉だと思います。

「悩まないのは悩まない次元でやっているだけ」

二つ目は、こちらの言葉。
「悩まない奴は嘘だよね。悩まないってのは悩まない次元でやっているだけでしょ?悩みながらもその場所から降りられないってのはやっぱりそこで悩んでいる自分が楽しいんだろうね」(『ultra veat』1998年26号)

悩めばいい。
悩んで悩んで、悩み抜いて出した答えならば、それは自分の道になっていく。

そのことを思い出させてくれる言葉ではないでしょうか。。
大人になるに連れて、悩むことを良しとしない空気に飲み込まれそうになります。
ですが、悩むこと迷うことは、より良いものを追求している側面の一つでもあるのでしょう。
「悩まない次元でやっているだけでしょ?」
「悩みながらもその場所から降りられないのは、そこで悩んでいる自分が楽しいんだろうね」
とは、厳しいけれど真理だろうなとも感じます。

「遅すぎることはない」

三つ目になる最後の言葉は、こちら。
「過去の賢人達がいろいろな素晴らしい言葉を残してくれているけど、自分の精神状態とか、どんなシチュエーションの中でも比較的当てはまるのは、ジョージ・エリオットの“なりたいと思った自分になるには遅すぎることはない”ってやつかな」(『KING SWING』2004年13号)

ジョージ・エリオット(19世紀イギリスを代表する女性作家)の言葉は、「なりたい自分を思い描くことも大切」だということにも気づかせてくれます。

「最初から諦めて、思い描くことさえしていないのではありませんか?」
「自分で勝手に可能性を閉ざさないで」

そう言われているような気持ちになります。

そして、氷室氏の心の中に残った「なりたいと思った自分になるには遅すぎることはない」という言葉。
彼を表する時に使われる「カリスマ」「孤高の」ボーカリスト、とは程遠いニュアンスの言葉です。
ですが、アーティスト氷室京介は、心の痛みや渇き、うまく融合できない苦しみも、音楽を通して表現し続けてくれていました。

「なりたいと思った自分になるには遅すぎることはない」

この言葉を、氷室氏を通して教えてもらえたのは、この上なく力強いものに感じられます。
そして、遅すぎることはないけれど、なるための行動をしない限り何も変わらない。
このことも忘れずに、自分の納得する生き方をしていきたいと思うのです。

読んでくださって、本当にありがとうございました。

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