今週(2021年7月9日)のNHKテレビ番組『チコちゃんに叱られる!』の中で、こんな問題と答えが出ました。
問題:なんで三段跳びは3回飛ぶの?
答え:ケンケンパだったから
ケンケンパって、こどもの頃よくやってましたね。あれが三段跳びのルーツだったんです。
さぁ、もうすぐオリンピック!
ケンケンパから生まれた三段跳びがオリンピック種目になった歴史や、日本人が大活躍した記録など、豆知識をたくさんゲットしてテレビ観戦をますます楽しい時間にしてくださいね!
三段跳びのルーツ
三段跳びのルーツはケンケンパ、というのがチコちゃんの答えでした。
厳密にいえばケンケンパによく似た、ホップスコッチというスコットランドの石蹴り遊びがルーツだと言われています。
このホップスコッチ、今は世界中に類似の子供の遊びがありますが、もともとは古代ローマ時代のイギリスで兵士たちの脚力を鍛えるために行われた軍事訓練からきたものでした。
ホップスコッチはこどもがぴょんぴょん飛んで遊ぶ規模ですが、当時の訓練用のフィールドはなんと30メートルを超える距離がある大型のもので、兵士たちはよろいや兜に剣などの武器までフル装備でジャンプしたり全力疾走させられたといいます。
ここから脚力のすごさを競うにはうってつけだと、オリンピック競技にまで採用されたのですね。
ちなみにホップスコッチが日本に伝わってケンケンパという遊びになったのは、明治時代のことだといいます。
オリンピックで日本人大活躍!
三段跳びが近代オリンピック種目として採用されたのは、1896年にギリシャで行われた第1回アテネ大会からです。
そして1928年アムステルダム大会において、この三段跳びで織田幹雄という日本人選手が初めて金メダルを獲得しました。
これは同時にアジア初でもあり、その栄誉に国中が沸き返りました。
ここから1932年ロサンゼルス大会で南部志平選手が金、1936年ベルリン大会で田島直人選手が金、と日本勢が怒涛の快進撃。
三段跳びは日本人のお家芸と世界に認められるようになりました。
ちなみに、この競技を日本語で三段跳びと呼ぶようになったのは、最初に金メダルを獲った織田幹雄選手がはじめでした。
三段跳びはハードな競技
三段跳びはホップ・ステップ・ジャンプと3回飛ぶのですが、よく見ていただくと、跳躍の足を出す順番は「右・右・左」か、「左・左・右」となっていることに気づかれるでしょうか。
つまり足を交互に出してジャンプしてはいけないのです。失格となってしまいます。
三段跳びは、最初に踏み切った足(ホップ)を空中で保持して、そのまま再度跳躍(ステップ)。
そして3歩目(ジャンプ)での大きい跳躍。手足を勢いよく前へ出して着地、というダイナミックな競技です。
驚くことに、ホップ・ステップを連続して同じ足で飛ぶときの2歩目のステップ時には、選手の体重の20倍近い負荷がかかると言われています。
また、踏み切りから砂場まで助走の距離は13メートルもあり、選手たちは、それほどの距離をたったの3歩で、足にかかる猛烈な負荷を強力なジャンプ力に変換して飛んでいるのです。
やはりオリンピックに出場する選手たちの身体能力にはすさまじいものがありますね。
スコットランドは力自慢
オリンピックにはスコットランド由来の種目がほかにもあります。
砲丸投げやハンマー投げです。
どちらも男子選手は7.3kg、女子選手は4.4kg前後のおもりを投げたり投げ飛ばしたりして、飛距離を競います。
スコットランド人は昔から力自慢の民族だったようです。
力自慢の人々を育む伝統として、スコットランドには、夏の間あちらこちらの地域でハイランドゲームズ、日本でいう夏祭りと運動会をあわせたようなイベントが行われます。
そこでは砲丸投げやハンマー投げのほかにも、丸太を空中に投げ上げてその重量や距離を競うなど力自慢が腕を振るえる競技がいくつも行われて盛り上がりをみせます。
また、ダンス競技も有名です。ダンスといっても華やかなドレスを着て優雅にくるくる~っというのではなくて、もとは戦場へ向かう兵士たちの士気を高めるためとか、戦場から戻ってきた兵士たちが勝利を祝った勇壮な踊りだったものです。
盾を平らに寝かせて槍を上向きに突き立てた上を繰り返し飛んだり跳ねたりするフリングと呼ばれる踊り。地面に並べた複数の剣をうまくまたぎながら踊り続けるソーズというダンス。
ほかにも様々な踊りがありますが、いずれもやはり脚力勝負な感じがとてもスコットランドらしいです。
まとめ
三段跳びは、ケンケンパのルーツであるホップスコッチと呼ばれる石蹴り遊びからきています。
古代ローマ時代にさかのぼるスコットランドあたりで軍事訓練として行われていたものが起源です。
オリンピック競技としての三段跳びの歴史では、1928年のアムステルダム大会から3大会連続で日本人選手が金メダルを獲得するという偉業を成し遂げました。
今年のオリンピックはイレギュラーな事が多くて残念ではありますが、負けない気持ちですべての選手たちのがんばりに大きな拍手と歓声を送りたいと思います!
がんばれ日本!!がんばれ世界!!