アイスの美味しい季節になりましたね!どこのお店に行ってもいろんな味のアイスがたくさんあって、どれを食べるかほんとに迷ってしまいます。
でも迷ったあげく結局一番安心して食べられるのはバニラ味だったりしませんか?
ということで今週のチコちゃんに叱られる!の問題と答えはこれ!


問題:なんでアイスの定番はバニラなの?
答え:その香りが哺乳類を引き寄せる魔性の香りだったから


魔性!逆らえない魅力ってやつですよね!
他の味にはないそんな魔性がバニラ味にだけはあったんです!
答えを知ってびっくりしたゲストの天野さんは、これからはバニラアイスを食べてる人を見かけたら全員にこの秘密を話したいとおっしゃってました(笑)。
さっそく回答の中身をくわしくお伝えしていきますね!

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ゲスト・回答者・語り・MC

【ゲスト】伊藤沙莉さん、天野ひろゆきさん
【回答者】香料会社 代表取締役社長 山本芳邦(やまもとよしくに)さん
【語り】森田美由紀アナウンサー
【MC】岡村隆史さん、チコちゃん

番組内容

アイスクリームの歴史

回答してくださるのは、香料会社で匂いについて研究なさっている山本芳邦(やまもとよしくに)さんです。
それによりますと・・・

現在のアイスクリームの原型になるものは、17世紀のフランスで生まれました。菓子職人がホイップクリームを凍らせることで、新しいお菓子の形を生み出したのです。

18世紀にはいると冷凍技術が発達しました。それにともない、ヨーロッパで愛されていたアイスクリームがアメリカまで伝えられることになりました。ホワイトハウスの晩餐会でも出されるほど人気になったようです。

その後、1850年代にはいると、アイスクリームの大量生産がおこなわれるようになりました。大衆まで気軽に楽しむことのできるお菓子になっていったというのですから嬉しい限り。


ところで、当時アイスクリームを作るのに使われたのは、主に牛乳や卵、砂糖などでした。それらを混ぜ合わせて凍らせるというレシピだったのですが、それはつまり、当時のアイスクリームにまだバニラ味のバリエーションはなかったということなんです。


ではなぜ、バニラ味のアイスクリームが誕生したのでしょうか。


これは、当時、ときどき牛乳や卵の生臭さが問題になることがあったからのようです。獣臭いにおいと表現されています。お菓子なのに獣臭いなんて困りますよね(笑)。
そんな迷惑な匂いを抑えるために、すでに以前からほかのお菓子に甘い香りをつけるために使われていたバニラビーンズをアイスクリームにも応用してみたのでした。


スタッフ
 「ということは牛乳や卵の獣臭さを抑えたから、バニラ味のアイスクリームが定番になったんですか?」

山本社長
 「いえ、違うんです。バニラが定番になったのには、このバニラビーンズに含まれているバニリンという成分が大きく関係しているんです。」


バニリンという成分のいったい何が、バニラを定番にしてくれたのでしょうか?

バニリンの魔性の由来

バニラビーンズが持つ甘い香りは、このバニリンという成分がもとになっています。
バニリンは牛乳などにも含まれています。たしかにバニラアイスの甘い香りと牛乳のどちらも甘味があって美味しいですね。
さらにバニラに含まれるバニリンは、私たち人間を本能的に引き寄せる要素をもっていたので、それが入ったバニラアイスはたちまち人気が出て、世界中でみんなが食べるようになりました。


ではバニリンの何が私たちを魅了するのでしょうか。


実はバニリンはヒトの母乳にも含まれています。生まれた赤ちゃんが最初に飲むお乳に含まれる大切な成分の一つなのです。だから、私たちがバニリンの匂いを大好きなのはまさに本能といってもいいのですね
はじめは匂い消しのために使われたバニラビーンズでしたが、偶然にもこのように我々人間を魅了する甘いバニリンという成分が入っていたため、アイスクリームの定番がバニラになったのです。


ところでバニラビーンズの豆知識をもう一つ。
バニラビーンズの中にバニラの成分が含まれている理由なんですが、バニラの花がとても受粉しにくいからというのがあります。
なんと、バニラの花が咲くのは一年にたった一日! 自らめちゃくちゃ受粉のハードルを上げてきてますよね。なにしろ受粉ができなかったら種もできないというのに、まるで砂漠のサボテン並みの厳しい生き方を選んでます。
そんな無理ゲー中のバニラ。うまく受粉してできた種はとても貴重です。その大切な種をできるだけ拡散させて生きのびる確率を上げるために利用した奥の手が、哺乳類が本能的に好きなバニリンだったのです。
バニリンが放つ甘い香りに誘われて、哺乳類がバニラの種を食べます。その後、哺乳類があちこち移動した先で種の混じったフンをすることで生育範囲を広げていくという作戦なのでした。


では本当に哺乳類はバニラの味が好きなのか、実験してみましょう!

ヤギで実験してみた!

ヤギも母乳にバニリンが含まれるタイプの哺乳類です。そこでヤギの酪農家さんにご協力いただいて、実験することになりました。
餌の牧草に、それぞれバニラビーンズを塗り付けたもの、ハチミツを塗ったもの、ココナツを塗ったもの、匂いは無し、の4種類を用意します。
10頭のヤギがどの牧草を選んで食べるのか観察してみましょう。

まず、餌場にお腹を空かせた5頭のヤギが連れてこられました。
見ていると、まず1頭がハチミツ付きの餌、2頭が匂い無しの餌を食べ始めます。が、やがてハチミツを食べていた1頭がバニラ付きの餌へ移動。
さらに遅れてきた5頭目も一目散にバニラへ向かいました。

パッと見、あまり劇的な結果が出ている感じではなかったのですが(笑)、残りの5頭を追加してみると、そのうち3頭はバニラ付きの餌にまっしぐら。
最終的には、10頭中5頭がバニラビーンズ付きの餌を選びました。
バニラの味が好きなことは間違いなさそうです。


番組スタッフはこの結果を酪農家さんにお伝えして、これからバニラ味の付いた餌をあげることを検討されるか尋ねてみました。
でも、酪農家さんはニコニコと笑顔で、単価の問題があるからやらないということでした。
まったくおっしゃるとおりですね(笑)。

ということで、アイスクリームの定番がバニラなのは、
その香りが、哺乳類を引き寄せる魔性の香りだったから・・・でした!


山本社長
 「チコちゃんが好きなにおいってなに?」
チコちゃん
「パン屋さんのにおい」
ほんとほんと!
パン屋さんの美味しそうな匂い大好き!!

まとめ・次回の放送予定

他にもチョコレートやらストロベリーやら美味しい味がたっくさんあるのに、いつもやっぱりバニラが定番!と思っちゃうのは、バニリンが哺乳類の私達を魅了しているからだったんですね。
あの香り、安心しちゃうママの味(^^)

次回の放送予定は・・・
6月11日(金) NHK総合1  午後7時57分〜午後8時42分(45分)
タイトル:▽シャベルとスコップ▽大根をゆでると?▽時計の謎
ゲスト:佐藤二朗さん、高橋みなみさん


次回もとっても楽しみですね!