「ありがとう」と言われたら、使いたくなる言葉「どういたしまして」。感謝の気持ちに応えたいと返す言葉は日本でさほど変わらないだろうと思っていました。

でも調べてみると、沖縄から北海道まで、愛媛、京都、秋田、もちろんそれ以外の県も全国各地いろいろな「どういたしまして」があることがわかりました。

また実は、「どういたしまして」は目上の人に使ってはいけないということも判明しました。

そこでこの記事では、「どういたしまして」の意味や各都道府県での方言、「どういたしまして」の代わりの使われる言葉などをまとめてみました。

 

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「どういたしまして」はもともとどんな意味?語源は?

「どういたしまして」は「ありがとう」と感謝の気持ちを言われた際、お返しする言葉として有名ですよね。

「どういたしまして」は江戸時代ごろから使われていたようですが、この時代では、感謝を返す言葉だけでなく、相手の言い分をやんわりと否定するときにも使われていたみたいでした。

 

どういたしましては複数の言葉が組み合わさっています。

「どう」は「どのように、何を」という意味の「どう」、「いたし」は「する」という意味の謙譲語「いたす」、「まし」は丁寧語の「ます」、反問的な意味、つまり否定的な意味を含んだ終助詞「て」が組み合わさっていますのです。

 

これらをつなげてみると、「(私が)何かをしたのでしょうか、いえいえ、(私は)何もしていないですよ」になるのです。

謙譲語や否定的な終助詞が使われているため、遠慮や軽い否定の意味合いが含まれた言葉になるのですね。

「どういたしまして」は日本語ならではの言葉だったんだなということがよくわかりますね。

 

日本全国の「どういたしまして」とは?!特徴的な「どういたしまして」12選紹介

「どういたしまして」という言葉は地域でも同じだろうと疑いもしませんでして。

でも、実際に調べてみると「どういたしまして」の方言をたくさん見つけることができました。

そんな中でも、特徴的で、おもしろい「どういたしまして」をたくさん紹介しますね。

 

北海道の方言「なんも」

北海道では、小さいお子さんからかわいいおばあちゃんまでよく使われる方言です。

問題ないよ、大丈夫だよという意味があり、言葉も短いので、よく使われるそうですよ。

 

秋田の方言「なんもだす」

秋田県北部で使用される方言です。北海道で紹介した「なんも」も使われています。

日本の北側では「なんも」や「なんもだす」などが浸透しているのですね。

 

山梨の方言「いいさよぉ」

気にしないでという意味がある方言です。

「どういたしまして」という堅苦しい感じがなくて、ほっこりしますね。

 

石川の方言「いかなてて」

石川県能登地方でよく使われている方言です。

いかなててという名前のカレー屋さんがあるそうですよ。

 

奈良の方言「なかなか」

言葉だけみると、何を意味するのかわからないですよね。

「なかなかうまくいかない」から派生したと言われているそうです。

日本の謙虚さが現れている言葉ですね。

 

京都の方言「なにおっしゃっとくれやす」

「めっそうもない」といわれることが多いそうですが、京都ではこういう方言もあるそうです。

舞子さんが使っているような雅さを感じますね。

 

愛媛の方言「いいえのことよ」

愛媛の年配の方が使われる方言です。

日本らしさを感じさせるいい言葉ですね。

 

徳島の方言「どちらいか」

「どういたしまして」という言葉の方言は各地に多くあります。

四国でもお返しの言葉が数多くあるようで、そのうちの1つです。

 

福岡の方言「なんのあーた」

「よか」という方言で親しみのある福岡の方言ですが、これは初めて聞きました。

福岡でお礼を返すときに使ってみたいですね。

 

長崎の方言「よかとですよ」

響きのいい言葉ですよね、九州地方らしい言葉だなと感じています。

長崎はたくさんの島々があり、島々と本土で言葉が違うようです。

 

鹿児島の方言「ないがお」

英語でいう、Not at allと同じニュアンスの方言だそうです。

鹿児島には奄美大島など島々がありますが、「あやぶらんどー」などの島々特有の方言もあります。

 

沖縄の方言「ぐぶりーさびたん」

発音が独特で、沖縄らしい方言ですね。

「ぐぶりー」は失礼という意味、「さびたん」はましたという意味です。

つなげると、失礼しましたといういみになります。

 

どういたしましては目上の人には使えない、ビジネスでの使い方や英語でのかっこいい言い方とは

「ありがとう」と感謝の気持ちをいわれたら、お返ししたくなる言葉が「どういたしまして」。

しかし、使用される場面によっては、「どういたしまして」はふさわしくないかもしれません。

「どういたしまして」の代わりに使われている言葉を、まとめてみました。

 

ビジネス

「どういたしまして」は謙譲語「いたす」が含まれています。

敬語の1つではあるのですが、自分がへりくだるだけなので、目上の人には高飛車の印象を与えてしまいます。そのため、ビジネスシーンでは代わりの言葉を用いたほうがいいです。

「どういたしまして」の代わりに使われている言葉を、まとめてみました。

 

『恐縮です』
『恐れ入ります。』
『とんでもない(です)。』
『とんでもないことでございます』
『どうぞ、お気になさらないでください』
『お役に立てて光栄です。』
『お役に立てて嬉しいです。』
『いつでもお申し付けください。』
『こちらこそありがとうございました。』
『こちらこそ勉強になりました。』

 

英語

英語で「どういたしまして」は、You’re welcomeですね。

もともとwelcomeは喜んでむかえる、歓迎という意味があります。

「あなたのためなら歓迎しますよ」というニュアンスを含んでいるのです。

 

英語圏でも、感謝のお礼を述べる言葉がたくさんありますので、紹介しますね。

 

『You’re more than welcome』

『It’s my pleasure』

『I’m glad to help』

『No problem』

『Don’t worry about it』

『Don’t mention it』

『I know you would do the same for me』

 

まとめ

この記事では、「どういたしまして」の語源やおもしろい「どういたしまして」の方言などをご紹介しました。

「ありがとう」と感謝をいわれると、お返ししたくなる言葉が「どういたしまして」。

調べてみると、日本全国で特有の方言として定着していたことがわかりました。

どこの地域でも、感謝の気持ちに応えたいという気持ちが表れていましたね。

このように、言葉の語源や各都道府県の方言を伝えていくことで、言葉の温かさを広めていけたらいいなと思っています。