日常の会話の中で、「そうなん」や「そうなんよ」を使う方は、多いのではないでしょうか。
ふだん使わなくても、他県の人が使っていた、聞いたことがあるという方もいらっしゃることでしょう。
「そうなん」は「そうなんですか、それで合っているんですか」、「そうなんよ」は「そうなんですよ、合っていますよ」の意味の方言。関西地方を中心に、九州などでも使われています。
日常ひんぱんに使う、方言らしくない言葉なので、使っている人は方言と思っていないかもしれませんね。
そこで今回は方言「そうなん」について、どこの地域で使われているのかを調べてみました。
「そうなん」はどこで使われる?
「そうなん」はおもに関西地方で使われています。
東日本ではあまり使われていませんが、埼玉、群馬、新潟では使われているそうです。
言葉は違っても、日本全国で意味は同じなので、わかりやすいですね。
関西方面の「そうなん」
標準的に使われる「そうなの」の語尾を「ん」に言い換えただけのようですが、地域によって「そうなん」にさらに違う語尾をつけたりし、いろんな活用がみられます。
関西
関西では「そうなん?」なら「そうなの?」という意味の関西弁、疑問形ではない「そうなん」ならば「そうですよ」という意味の京都弁になります。
関西弁の場合、疑問形ではない「そうなん」と同じ意味では、「そうなんや」「そやねん」「せやねん」などを使うそうです。
また比較的最近(といっても2、30年前ごろ)、東京で使われる「そうなんだ」を関西の人が真似て「そうなんや」と言うようになったとの見方も。そこから中国、四国地方などへ広まって、地域ごとの形になっていったとしたのでしょうか。
九州
方言が多彩な九州では、「そうなん」はおもに、福岡県の北九州を中心とした地域で使われています。
福岡県は地域によって博多弁、筑豊弁、北九州弁などいろんな方言があり、「そうなん」と同じ意味で「そうと」、「そげんね」「そうや」などが使われます。
「そうなん」は広島や山口でもよく使う言葉なので、海峡を隔てた北九州、福岡に波及したのかもしれませんね。
中国、四国地方
先に書いたように、「そうなん」は広島、山口でもひんぱんに使います。
ちなみに同じ中国地方でも、岡山は「そうなん」の語尾に「じゃー」がついて「そうなんじゃー」、島根県出雲地方が「そげかね」などがよく使われます。
四国地方でも愛媛、徳島では「そうなん」を使いますが、香川では語尾に「やー」がついて「そうなんやー」に。関西に近いからでしょうか。
北関東、北陸の「そうなん」
北関東周辺の広い地域の方言では、文末に「~なん」がつきます。
そのため、「そうなの」が「そうなん」になるんですね。
埼玉
「そうなん」は埼玉県ではよく聞かれる方言で、おもに隣接している群馬県寄りの地域で使われています。
埼玉県北部の深谷市には、「方言銘菓 そうなん娘」というお菓子があるのだとか。
しっかり埼玉県の方言として認識されているんですね。面白いです。
群馬
埼玉県の上となりに位置する群馬県でも、「そうなん」を「そうだよね」の意味で日常的に使います。
群馬弁では「そうなん」「だったん」「なんなん」のように、語尾の「の」が「ん」に変わります。
新潟
さらに、群馬の上に位置する新潟県でも「そうなん」が使われます。
面白いことに新潟では、「そうなん」と同じ意味で「そういん」という言い方も使われるそうです。
「そうなん」や「そういん」は新潟市周辺で使われ、同じ新潟県でも長岡市では、「そうなんだ」を意味する言葉は「そいがー」と言います。
まとめ
方言「そうなん」についてご紹介しました。
筆者は西日本に住んでいますが、ふだんから「そうなん」を使うので、方言だと意識したことがありませんでした。
まさか方言だなんて、調べてみてびっくりです。
この記事が、少しでも「そうなん」についての疑問の解決につながればうれしいです。