東日本や北海道など広い地域で使われている「おっかない」。
関西弁のような印象があるかもしれませんが、関西ではあまり使われていません。元々は東京の方言として使われていた言葉らしいです。
この記事では「おっかない」が方言なのか、またどんな地域で使われているのか、使い方に違いがあるのかなどをご紹介していきます。
「おっかない」の意味
「おっかない」の意味は、「怖い」「恐ろしい」です。
語源は、まず「身のほどをわきまえない。大胆である。大それている。」「おそれ多い。もったいない。」という意味の形容詞「おおけなし(おほけなし)」が、促音化して「おっけなし」→「おっかなし」になったとする説と、形容詞「こわい」に感動詞「おお」が付いた「おおこわ」に、形容詞の接尾語「ない」が付き「おおこわない」になり、音変化を繰り返してきたとする説、など諸説あるようです。
「おっかない」に馴染がない方でも、「おっかなびっくり」は知っているのではないでしょうか。「おっかない」と「びっくり」の合成語で「恐る恐るびくびくしながら行うさま」という意味で、日本全国で広く使われています。
どこで使われる?
近世には江戸語として「おっかない」が定着していたことが知られており、東京から東日本に広く浸透した言語でもあるようですので、使われているのは、おもに東京から東の関東・中部・東北・北海道で使われています。
一部ですがご紹介しますね。
北海道
北海道には「怖い」という意味ではなく「疲れている・だるい」という意味の「こわい」があります。そのため「怖い」という意味で「おっかない」が使われるのですね。
豆知識ですが
北海道弁で「疲れた」の事を「こわい」と言うのですが
逆に「怖い」の事は「おっかない」と言うんですよねこわいから寝るわ(疲れたから寝るわ)
こっこでも熊はおっかねぇぞ(子供でも熊は怖いぞ)的な感じです
参考までに— 吉田(仮名) (@carrykarry1234) July 26, 2021
幼児語として「おっかい」と言うそうで、赤ちゃんや子どもに使うことが多いです。
おっかい=怖い#おっかい #おっかない #北海道弁 #やべーべや pic.twitter.com/h7JZ32aYSx
— やべーべや (@YabeeBear) January 11, 2021
東北地方
東北地方では「ない」を「ね」と発音するため、「おっかない」の他に津軽弁(青森)・秋田弁・岩手弁・山形弁・福島弁として「おっかね」が使われています。
青森県弘前市には「おっかね」というビールがあるそうですよ。
こわ~!!!!!!!!!!!!!!!#BeEasyBrewing#おっかね#津軽弁#怖い pic.twitter.com/I5X87JiUVx
— リカーズハセガワ北口店(ガソスタハセガワ) (@lqhasekita) November 18, 2022
秋田市八橋 CNAアリーナ秋田(秋田市立体育館)裏の展望台✨
天気が良いと気持ちいい場所☺️
この先どんどん行くと墓地に着きます。今日は体育館の高所作業中で、乗ってら人おっかねぐねべが…と思いながら見守りました))))))) pic.twitter.com/JF6DOWZN5c
— コトネ東北 (@cotone_tohoku) March 4, 2021
一年ぶりの雪道運転はおっかない#宮古#川井#岩手#東北 pic.twitter.com/DzYyJwS4bA
— 遠野物語ファンタジー公認 (@vJBLyVXmPS1RZv8) December 6, 2022
春に岩手行った時、ばあちゃんにシン・ゴジラの動画見せたらね。
「都会のグジラは歩ぐように、なったんだなぁ!!!」
ってすんごいビビってた。
「岩手のグジラはぁ、歩がねぇがっ!!都会気をつけろぉ!!都会はおっかねえがぁ。」
って。
歩くグジラに皆、気をつけようね。
— HIGESTA (@HIGESTA) July 23, 2017
ついに山形市も雨やばくなってきた~おっかねえ
— ¨̮⃝ (@xiio__07) August 3, 2022
福島
しんしんと雪が降り積もってます
雪が音を吸収してとても静かですあ〜
明日やんだなぁ〜
雪かきこぇ〜し
運転おっかね〜べし
くたびっちま〜
なじょすッペ⤵⤵…標準語…
あ〜
明日嫌だなぁ
雪片づけは疲れるし
運転は怖いし
疲れちゃうよ
どうしよう頭抱えてお手あげです⤵ pic.twitter.com/goqkPhFCq0
— モコモコ(´・ω・`)ロンクロ (@kurokuro_moco) January 22, 2018
関東地方
「おっかない」「おっかねぇ」が使われています。他に群馬弁「おっかないんべぇ・おっかい」、栃木弁は語尾が延びて「おっかねぇ~」。茨城弁でも北海道と同じく「怖い」という意味ではなく「疲れている・だるい」という意味の「こわい」があります。埼玉弁、東京弁、神奈川弁としても「おっかない」が使われています。
ゴロゴロさまはおっかねぇ
予報通り雨になった。今朝、赤いハイビスカスやバラを写した時はまだ曇りだったのに、今は雨。オレンジのハイビスカスが雨に濡れている。
遠雷が聞こえる。俺の故郷の群馬県では、雷の事をゴロゴロさまと呼ぶ。おっかねぇは方言で恐ろしいの意味。 pic.twitter.com/0CtSsl2V6b— 髭さん (@higesan11) September 13, 2020
はーおっかない(栃木弁)
— ゆりぽよ (@yuruyuriyuriha) November 7, 2022
おっかない←茨城弁 https://t.co/jAVwG5CEGF
— オタマ♪旧mimosa (@mimosa65449832) August 24, 2021
こちら埼玉県、秋の様な清々しい空気と容赦ない突風で落車しそうな天気です。猛暑よりも強風の方がおっかないので乗れません。 pic.twitter.com/2ubXGClVjt
— 雪わいこ (@waiko084) August 17, 2018
東京は標準語と思われがちですが方言があります。「おっかない」は東京弁です。
おはようございます。
晴れ予報の東京田町です☀️#標準語だと思ってた方言選手権
おっかない、かたす、くたびれたー
のっかる…など?東京弁です。東京にも方言あるんですが、あまり知られてなくて本気で話すと怖いと言われます……。方言 です#企業公式が地元の天気を言い合う #イマソラ pic.twitter.com/F3lqxMIdkm
— 【公式】ホテルグレイスリー田町 (@gracery_tamachi) November 18, 2022
かたす、~じゃん、こっちっかわ、〜け、〜だべ、横入り、うっちゃる、ちげー、しょっからい、けーろー、かっけー、おっかない、神奈川弁で私が使う方言。
— しよ@夢に生きたい (@henmegane) January 13, 2017
中部地方
新潟、長野、山梨、静岡でも「おっかない」「おっかい」「おっかねー」が使われています。
スノーダンプでゆっくりと道路の真ん中に出て来る人も居れば、突然路肩から道路の真ん中へ向かってスコップで雪を投げ捨てる人も居るからかなりおっかない。新潟市内はそもそも融雪パイプが無いので、こういうのが見られるのは周辺部とかだけれど
— 図書室のyasu3/19たにぐみナナゴーゴ参加 (@Library_Yasu) January 26, 2023
おはようございます。
今朝は長野県安曇野市より。
三才山から来ましたが、所々ガチガチでおっかないですね
ここいら氷点下5度位
本日もご安全に
今日もがんばろーーー pic.twitter.com/wvMpIvzIKM
— うえ (@tumutumupiroro) January 10, 2023
【山梨あるある3】
・ハッピードリンクショップは自動販売機。
・ミネラルウォーターがタダで蛇口から出てくる。
・食べ物がかたい事を「こわい」と言う。
・本当に怖い事は「おっかない」と言う。
・冬の八ヶ岳おろしはハンパじゃなく自転車が進まない
・おまんこっちんこぉ(下ネタではない)— コピペbot (@CopyPaste_bot) November 15, 2016
いっしょくた うちら えらい
おっかない かったるい くっちゃべる
こば ずっこい たこる ちっとらっつ
ぶしょったい まめ関東で住んでいたときに指摘された静岡県東部の方言
標準語じゃねーぞ勘違いするな気をつけろ#静岡県民— 草薙 (@kusanagi_1019) August 17, 2022
西日本では?
西日本では「おっかない」は使われないようです。
ちなみに「怖い」のことを愛知・岐阜では「おそがい」、富山・石川・福井では「おとろしい」、近畿地方はで「おとろしい」、中国地方では「おとろしい」のほか「きょーとい」「いびせー」「おぞい」、四国では「おそろしい」「おとろしい」、九州の佐賀・福岡は「えずか」、長崎・熊本・鹿児島では「おとろしか」、大分・宮崎では「おじー」、沖縄奄美地方では「ウトゥルサン」などが使われています。
まとめ
「おっかない」について、どこで使われているのかについてご紹介しました。
おもに東日本~北海道で使われていますが、特に北海道では「怖い」という意味ではなく「疲れている・だるい」という意味の「こわい」があるため、「怖い」という意味で「おっかない」が使われているということがわかりました。なんとも複雑な感じですね。
「おっかない」の他に「おっかい」「おっかね」「おっかねぇ」など、使われ方もいろいろありました。
また西日本では「おっかない」は使われませんが、「怖い」の方言が様々ありますね。地域によっては他にもまだまだたくさんあると思います。
「おっかない」について調べてみて、方言とは知らずに使われていたり、地域によって変化しているのは面白いですね。